椿の花の咲くころにーずっと尽くしてきたけど彼の選んだのは別の女性でした。だから私自身を大切にしたら幸せになりましたー

梅雨の人

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尽くす女は気になる男に誘われた

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雄太と別れて二週目、私は仕事が終わって自分の家にまっすぐ帰ることに対して、開放感と充実感で満たされていた。 

仕事帰りに料理をつくっても感謝の気持ちさえない雄太のためによくやったと思う。今は私一人だけならそんなにたくさん買う必要もないので、必要な時だけ買い物に行くようになって、精神的にも身体的にも本当に楽になった。 

高級品じゃなくても、たまに半額になったお惣菜や既成の弁当を買って夕飯にしたりし、、手抜きもしたい放題になって、私は充分満足している。
 

ゆっくりお風呂に浸かって観たい番組を観て寝る毎日に幸せを感じていたのもつかの間、これまで忙しすぎたせいか手持無沙汰になってしまった。 


「暇だな…ん?陶芸教室?こんなとこに今まであったっけ?」 

ご近所に最近できたらしい陶芸教室の電話番号を何気にメモしかけたとき、ガラガラと扉が開いて背の高い年配の女性が出てきた。 


「あら、陶芸に興味があるのかしら?良ければ今、作っているところだけれど良ければ見ていかれませんか?」 

「…是非お願いします。」 

私は善良な人物の誘いを断るすべを持ち合わせていないらしく、このようなお誘いはいつも受けてしまうのだ。 


でも実際に陶芸現場を目の当たりにして純粋に楽しそうだな…そう思った。 

その日、私は陶芸教室の生徒になった。 

 

毎週木曜日の仕事終わり、近所の陶芸教室に通うようになった。 

最初はろくろの使い方が難しくて苦労したけど、慣れてしまえばあとは土を練ったり、作る形を決めて実際に成形し、高台を削り、装飾や取っ手を取り付けたり、釉薬をきめたりと、先生に相談しながら自分自身のオリジナルの作品を創ることに楽しみを見出すことが出来るようになった。 

おかげさまで自宅の食器棚には徐々に私の手作りの皿やお椀が並ぶようになってきた。 

心に余裕が出来たからか、鉢に花を植えたり、ベランダで家庭菜園を始めたりしてくると、心なしか自宅が華やかになったようで気分が盛り上がるのを感じるようになった。 


そろそろ一輪挿しに挑戦しようかと思っていたその日、同じ陶芸教室に通う岡田さんに陶芸の先生が開催している個展に一緒に行こうと誘われた。 

初めて会った時から少し気になっていたので、当日は何度も着替えなおしては鏡でチェックしてから待ち合わせ場所に向かった。 
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