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番外編 執事の受難

3話

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次の日もガイヤは祖父に連れられてあの屋敷を訪れた。
祖父の後についてあの部屋に入る。

「おうおう、よく来たのう」

マルクの祖父は昨日まではなかったゆったりとした椅子に腰かけている。

「あとはよろしくお願いいたします」

ガイヤの祖父は頭をさげると部屋から出て行ってしまった。

「お、お爺様!?」

ガイヤはうろたえた。

「ほほ、この程度でうろたえるとは。まだまだじゃのう」

ゆったりとマルクの祖父はお茶を飲んでいる。
ベットを見ると昨日、ガイヤと祖父で手当てした男が横たわっていた。

「マルクはわしに似ているからのう。早いとこ、この部屋の使い方を教えにゃならん」

椅子から立ち上がりながらマルクの祖父は言う。

「この部屋の使い方…?」

「そうじゃ」

マルクの祖父はガイヤの頭を撫でながら言う。

「この部屋はのう、どれだけ叫んでも届かない。どれだけ逃げようとしても逃げられない造りにしとるんじゃ」

マルクの祖父に背中を押されるがまま、ガイヤは入り口から一歩ずつベットに近づかされた。

「この部屋でわしがやることは一つだけじゃ」

「やること…」

「そう。わしがやりたいと思ったことをやるだけ。とても単純じゃろう?」

「は、はい」

二人がベットの脇にたった。
ベットの上の男は寝転がったままこちらを睨んでいる。

「や、やりたいこととは…?」

ガイヤはおそるおそるマルクの祖父の顔を見上げた。

「おまえさんにわしの代わりに動いてもらおうと思ってのう。なぁに簡単じゃよ」

マルクの祖父の手がガイヤの服にかかる。
ガイヤはあっという間に裸にされた。

「ほれほれ言う通りに動かんか」

ガイヤはマルクの祖父に言われるがまま、男の身体に薬を打ち、鞭で叩き、尻穴を凌辱した。
そしてその生活は週に一回、マルクの祖父が死ぬまで続いたのだった。

拷問相手は毎回、別の人間だったが、ガイヤにはよくわからなかった。
相手に質問するのはいつもマルクの祖父の役目だったからだ。

「ほれ、もっと腰を振らんか」

「は、はい」

ガイヤは言われるままに毎回忠実に動いた。



「ご当主様がお亡くなりになられました」

屋敷の中は沈んでいたが、ガイヤにとっては悪夢を終わらせるファンファーレだった。
一人、あの部屋でもう悍ましいことをせずにすむと喜んでいた。

しかしその幸せもマルクが15歳になった時に消えたのだった。






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