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本編完結後 番外編
ある平穏な日の話 後編
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「おはよう!」
子供たちは朝元気に起きてくる。
「おはよう」
「あれ?今日はおやすみ?」
「うん、昨日休めなかったからね」
朝食をマルクと一緒に食べられるため子供たちは喜んでいる。
「食べ終わったらお話ししようか」
マルクが長男に声をかける。
「う、うん!」
「そんなに急いで食べなくていいよ」
長男はマルクと話せるのがうれしいのか食べるペースを上げた。
次男も真似をするように急いで食べているがこちらは食べこぼしが多い。
「こら、ゆっくり食べろ」
「はーい」
…
「昨日、グレンから聞いたんだけど、冒険者になりたいんだって?」
「う、うん」
長男はこくこくと何度も頷く。
「ダンジョンに行ってみたいのも本当?」
「うん」
「でもグレンと二人はダメだよ。行くなら僕も一緒だからね」
「え?どうして?」
長男は目を白黒させてマルクをみる。
「そういう約束なんだ」
マルクは笑顔で長男に答えるが目が笑っていない。
「やだ、やだよ」
長男は何度も嫌だと首を振る。
「じゃあダメだ。一人きりで行かせるわけにもいかないからね。いい子だからわかってくれ」
マルクが長男の頭を撫でるが長男は泣きながらその手を振り払う。
隣で見ていたグレンは長男に近づいた。
「なんで俺と二人がいいんだ」
長男は泣きじゃくりながら答える。
「だ、だって、騎士団のお仕事、忙しいんでしょ?僕、迷惑かけたくないもん…」
それを聞いて慌てたのはマルクだった。
「ご、ごめん、迷惑じゃないよ」
「いつも遊んでくれないのにダンジョンに一緒になんて」
長男が涙目のままマルクを見上げる。
「わ、わかった、これからは一緒に遊ぶようにするし、ダンジョンも家族全員で一緒に行こう?」
どうやらマルクも子供の涙には弱かった。
グレンの涙には欲情する癖に、とグレンは長男を抱きしめてなだめるマルクの後頭部を眺めながらため息をつくのだった。
…
そのあと、一日中四人で色々な遊びをして一緒に時間を過ごした。
長男も次男もマルクと過ごす時間が取れて大喜びだったし、いつも以上にはしゃいでいた。
そのせいか寝つきもよくさっさとベットに潜り込んでしまった。
「どうかした?」
子供たちが寝静まって二人きりになった。
肩に甘えるように頭を預けてきたグレンに尋ねる。
「いや、俺もマルクも親になったんだなって思ってさ」
「はは、そうだね」
マルクはグレンの身体を抱きしめる。
「そういえば俺、マルクにダンジョン行くなら監禁するって宣言されてそのまま今日まで来ちまったな」
「後悔してる?」
珍しくマルクが気弱な声で尋ねる。
「…してねぇよ」
ぶっきらぼうな物言いだがマルクはその一言だけで幸福感に満たされるのだった。
子供たちは朝元気に起きてくる。
「おはよう」
「あれ?今日はおやすみ?」
「うん、昨日休めなかったからね」
朝食をマルクと一緒に食べられるため子供たちは喜んでいる。
「食べ終わったらお話ししようか」
マルクが長男に声をかける。
「う、うん!」
「そんなに急いで食べなくていいよ」
長男はマルクと話せるのがうれしいのか食べるペースを上げた。
次男も真似をするように急いで食べているがこちらは食べこぼしが多い。
「こら、ゆっくり食べろ」
「はーい」
…
「昨日、グレンから聞いたんだけど、冒険者になりたいんだって?」
「う、うん」
長男はこくこくと何度も頷く。
「ダンジョンに行ってみたいのも本当?」
「うん」
「でもグレンと二人はダメだよ。行くなら僕も一緒だからね」
「え?どうして?」
長男は目を白黒させてマルクをみる。
「そういう約束なんだ」
マルクは笑顔で長男に答えるが目が笑っていない。
「やだ、やだよ」
長男は何度も嫌だと首を振る。
「じゃあダメだ。一人きりで行かせるわけにもいかないからね。いい子だからわかってくれ」
マルクが長男の頭を撫でるが長男は泣きながらその手を振り払う。
隣で見ていたグレンは長男に近づいた。
「なんで俺と二人がいいんだ」
長男は泣きじゃくりながら答える。
「だ、だって、騎士団のお仕事、忙しいんでしょ?僕、迷惑かけたくないもん…」
それを聞いて慌てたのはマルクだった。
「ご、ごめん、迷惑じゃないよ」
「いつも遊んでくれないのにダンジョンに一緒になんて」
長男が涙目のままマルクを見上げる。
「わ、わかった、これからは一緒に遊ぶようにするし、ダンジョンも家族全員で一緒に行こう?」
どうやらマルクも子供の涙には弱かった。
グレンの涙には欲情する癖に、とグレンは長男を抱きしめてなだめるマルクの後頭部を眺めながらため息をつくのだった。
…
そのあと、一日中四人で色々な遊びをして一緒に時間を過ごした。
長男も次男もマルクと過ごす時間が取れて大喜びだったし、いつも以上にはしゃいでいた。
そのせいか寝つきもよくさっさとベットに潜り込んでしまった。
「どうかした?」
子供たちが寝静まって二人きりになった。
肩に甘えるように頭を預けてきたグレンに尋ねる。
「いや、俺もマルクも親になったんだなって思ってさ」
「はは、そうだね」
マルクはグレンの身体を抱きしめる。
「そういえば俺、マルクにダンジョン行くなら監禁するって宣言されてそのまま今日まで来ちまったな」
「後悔してる?」
珍しくマルクが気弱な声で尋ねる。
「…してねぇよ」
ぶっきらぼうな物言いだがマルクはその一言だけで幸福感に満たされるのだった。
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最&高
(・・?)
11話??何処いったんですか?