黒の魔女、勇者に誘われ街に出る

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8.勇者様は優しい!(アウラ視点)R18

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※R18です。
(軽め)




 

 カカ様とババ様が死んでから私はずうーっと一人だった。動物たちが遊びにくるだけの退屈な時間。

 ずっと死にたいと思っていた。

 生きている事なんて退屈で苦痛~。

 私を倒せる勇者様が来てやっと死ねると思ったのに、ユースティア様は私を殺さないって言う。
 冷たい言葉だぁ~。


 けれどユースティアが家に来てから私は生きるのが楽しい~。

 私の毎日が色づいていく。太陽が眩しいことも、水が冷たいことも、お花には匂いがあることも思い出した。

 そして、ユースティア様の持ってきてくれる食べ物は美味しい!食べなくても死なないから、あんまり食べることに興味なんて無かったけど、今ではユースティア様と食事を食べる時間が楽しみ!

 ユースティア様は私が人間と会話をしても不自然にならないように沢山の本を持ってきて勉強させてくれた。だから、もう会話も大丈夫。お友達だって出来たの。

 そして本を読んでいて気がついた。
 ユースティア様って、私の王子様??

 森の奥深くに眠っている姫を王子様が助けるお話があって、その王子様がユースティア様にそっくり。

 そう思ったらユースティア様が王子様にしか見えなくて……お伽噺のキスシーンになる度に恥ずかしくなっちゃう。

 物語の王子様をユースティア様にして、お姫様を私にして思い浮かべるの。
 

「アウラ、もうすぐユースティアの誕生日よ。」

「誕生日ですかー?」

「そうよ。誕生日には何かプレゼントをあげるのが一般的なの。」

「ユースティア様は何をプレゼントすると良いのでしょうか?」

「本人に聞いたら『アウラが欲しい』って言うんじゃない?」

 リリア様は悪戯っぽく笑う。リリア様はユースティア様の昔からの知り合いの魔法使いさん。とっても頼りになるお姉さんみたいな人。
 リリア様は私に恋愛の事を色々教えてくれる。経験豊富?らしい。
 
「あ、あわ、そ、そんな事思っているのでしょうか?私とは同情で一緒にいるのかもですー。」

「そーんなわけないわよ。アイツが今までアウラちゃんに手を出していないのも驚きなんだけど……。」

 リリア様はそう言うけど、ユースティア様って私の事、どう思っているんだろう?





 ユースティア様に好きって言われたぁ!

 夢みたいな事が現実になった……。

 ユースティア様は本当に私の王子様になってくれたの。
 胸がほわほわして、身体がお空を飛んでいるみたいに気持ちが浮かれてる。

 ユースティア様は私たちの家に、大きなベッドを作ってくれた。

 そして、その夜ユースティア様が見たこと無いくらい真剣な表情で「いいか?」って聞くから、素直に頷いた。

 ドキドキして、心臓がつぶれちゃいそう!

 ゆっくりとユースティア様の唇が重なる。
 キスは何度かしたけど、毎回ドキドキして幸せな気持ちになる。
 これって両想いの証……だよね?

 ユースティア様が私の服を優しく脱がせてくれた。月明かりしか無い部屋の中で、私の身体が白く浮かび上がる。

「ああ、綺麗だ。」

 ユースティア様がそう言ってくれたから、嬉しくて笑った。

「ユースティア様だってカッコいい。」

 ユースティアは様ちょっと照れたようにはにかんだ。そして、私の身体中に口づけを落とす。時々、吸うのかもしれない。チクッとした痛みを感じると、そこには赤い跡が出来てる。

 私の気持ち良い所を探るように、ユースティア様の唇が肌を優しくなぞる。ユースティア様に触られてない場所なんて無いと思うぐらい。身体中くまなくゴツゴツした手が這いまわる。私とは違う男らしくて大きな手。

 身体が熱くて、頭の中がぼーっとする。
 腕とか太ももの内側にキスされると擽ったくてじんじん痺れるみたい。

 ユースティア様は私の足の合わさに指を入れて少し笑った。
「これなら、大丈夫かな。嫌なら止めるよ。どうする。」って、もう一度確かめるように聞いてきた。
 
何度も指を往復されると、ぬるぬるして指が動くたびに気持ちいい。

 ユースティア様にもっとして欲しくて、「嫌じゃないのでユースティア様の好きにしてください~。」って、正直に言ったの。
 王子様と『一夜を共にする。』
 これってそういう行事でしょ?

 そしたらユースティア様が「そんなセリフ、俺以外に言うなよ。」って困ったような表情をした。

「いくぞ。力を抜いて。」

足の間に何か硬いものが押し当てられた。

「アウラ、悪いな。痛いと思う。最初だけ…我慢してくれ。」

 ぎちぎちとして足の合わさの所が引き吊れるように痛い。
 痛くて涙目になった私の目蓋にユースティア様が優しくキスしてくれた。
 ユースティア様の好きって気持ちが伝わるようで嬉しい。
 怖くて、もっとくっついていたくて、ユースティア様の首に腕を巻き付けてぎゅっと抱きついた。

 肌と肌がくっつくのは、服を着てる時と全然違う。温かくて、肌から匂い立つユースティア様の男らしい香りに頭がくらくらする。

 この硬い物は赤ちゃんの種が出てくる注ぎ口なんだって。だから痛みも我慢しなくちゃ。

「はぁ……。全部はいったよ。」

 私のなかにユースティア様のものが馴染むように、ゆるゆると腰を動かしながら、私の気持ちいい所を探してくれる。

 痛いのに幸せなんて不思議な時間。
 やがて、甘い愉悦が湧き上がり何度も頭の中が白く染まる。

 流れ落ちるユースティア様の汗すら愛おしくて、そっと指先で拭う。
 大好きな気持ちが溢れ出して、ユースティア様に私の気持ちを伝えたくて……。
 だけど、どうしていいか分からないから、何度も何度もユースティア様の名前を呼んだの。

 ユースティア様は目を細めてじっと私を見つめる。
 その瞬間、どうしようもないほど幸せな気持ちが押し寄せて、「わーーーーっ」と叫びたくなっちゃう。
 痛みも、気持ち良さも、愛しい気持ちも、辛さも、息苦しさも……。
ユースティア様から与えられるもの全てを懸命に受け取る。
 それだけに集中した。
 私には余裕なんて無くて、ただ翻弄されるしか無くて……。

 やがて、ユースティア様は私の上で切なげに短く息を吐いた。

「アウラ……愛してる。」

 
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