努力するのが嫌なので監禁エンドを選びましたが、そろそろ外の空気が吸いたいです【R18】

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3.王宮で

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 ※言葉攻め?





翌日、王宮の侍女が持ってきてくれたドレスは胸元が大胆に開いたデザインのものだった。
 背中も腰の辺りまで大胆に開いている。そして、髪型をアップにされてしまったので、昨日殿下に付けられた印が目立ってしまう。

 いいけどね?
 前世より断然スタイルいいし、露出が多くても気にならない。

 けれど、身体中に付いたキスマークを侍女たちはどう思っているのだろう?
 彼女たちは必要最低限の会話だけして、淡々と職務をこなす。キスマークを見ても顔を赤らめることもない。

 よく教育されているなぁ。
 さすが王宮の侍女。選ばれた人たちだと思う。

 鏡で映った自分をあらためて見ると、うわぁーって感じ。ストールを一枚羽織りたくなった。

「ストールは無いかしら?」

「殿下から許可されていません。」

 やっぱりそうですよね。ドレスも髪型も殿下が指示した通りなのだろう。

「シェイラ、素敵だね。」

 私を迎えに来ると、殿下は満足そうに目を細め、手の甲に口づけを落とした。まるで恋人みたいな甘い雰囲気。

 殿下は上機嫌みたい。

 エスコートされ、王宮の中庭までの通路を歩く。皆が忙しそうに働いていて、人通りも多い。

 皆、チラッと一瞬此方を見ると、私の姿に驚いて気まずそうに目を反らす。きっと「幻の愛妾」とかそんな感じかな?
 だって卒業してから、人に会っていない。
 殿下のお渡りは毎晩あるから噂にはなっていると思う。

「あ……っ。」

 文官だろうか?
 二人の男性が話をしながらこちらに向かって歩いてくる。男性たちは殿下に気付くと、隣にいる私に視線を移し、その姿を見て目を見開いた。

 恥ずかしくて思わず顔を伏せると、殿下が私の腰をぐいっと引き寄せた。まるで自分のものだと主張するみたいに……。

「あの文官見覚えあるよね。学園で一緒のクラスだったでしょ?シェイラに付いたキスマークを見てびっくりしているみたいだよ。」

 私の耳元で文官たちに聞こえないよう小声で囁く。
 殿下を見上げると私の反応を楽しんでいるみたいで、その瞳には嗜虐的な色が浮かんでいた。

「で、殿下、恥ずかしい……。」
「違うよ。リックでしょう?」

 腰に回していた手で背後からぎゅっと胸を鷲掴みにされ、文官たちのギョッとした顔が見えた。

「隣の男もシェイラの胸を見て顔を赤くしたよ。男がどんな想像をするのか教えてあげようか?」

「い、いえ。」

 恥ずかしくて顔を上げられない私に、殿下はなおも言葉を続ける。

「シェイラは知っておいた方がいい。きっとあの男たちはシェイラの大切なところがジュボジュボと俺のモノを咥えてはしたなく涎を流しているのを想像してるよ。頭の中ではシェイラを犯しているかもね。」

「リックっ。も、もうやめて……。」

すれ違う瞬間、文官たちの視線を感じて頬が熱くなる。

「どうして?シェイラは無防備だから、男がどんな生き物か教えてあげてるんだよ。学園時代には色んな男を誘惑したからね。あの男はずっとにシェイラに憧れてたんだ。だから彼には現実を知ってもらわないと。君の大好きなシェイラは毎晩俺を求めて淫らに腰を振るんだって……。」

「そ、そんな言い方……。リック、知り合いに見られるのは恥ずかしいわ。」

「どうして?あの男が気になるの?」

殿下の纏う空気が突然ピリッと不穏に変わった。

「ち、違うわ。」

慌てて否定したけど、殿下の表情は硬いまま。

「あの男では君を満足させられないよ。もうシェイラの大切な場所は俺の形になってる。ここで気持ち善くなる方法も俺しか知らない……。」

 殿下はそう言うと、かぷりと耳朶を食み、背筋を指でつーっと撫で上げた。

「リ、リックだけよ。」

「そう?ねぇ、シェイラ。今日は俺にやきもちを妬かせたお仕置きだよ。もう許してって泣くまでイキ狂わせてあげるよ。シェイラが誰のものなのか、身体にもう一度教えこまなきゃ。」

 殿下は後ろを振り返ると、今度は私の臀部を手で包みその割れ目に指を我這わせた。

「あの男まだシェイラの背中をじっと見てるよ。今晩、君で自分を慰めるかもしれないね。妬けるな……。俺のシェイラを想像の中でも他の男に好き勝手されるのは許せないな。」

 そんなことを言うなら、こんな露出の多い格好させなければいいと思うのに……。
 同じクラスにいただけの男性に嫉妬して、彼の行動は矛盾してる。

 それでも、殿下の言う通り、今日は泣くまで許して貰えない。……そんな風に覚悟した。

☆ 

 庭園に入って二人きりになってしまえば殿下は優しく私を慈しんでくれる。

 お茶会は楽しかった。庭園の花の名前を教えてくれたり、最近好んで飲んでいるというお茶を飲ませてくれたり……。

 外の風はひんやりとしていて、綺麗な空気が肺に入ると身体の中を清めてくれるみたい。

 同じ花を見て『可愛いね。』って微笑み合う。そんな時間は久しぶりだった。

 いつも小さい窓しかない、塔の一室でお互いの身体を貪り合うような日々を過ごしてきた。
 こんなに太陽が眩しいなんて忘れていた。
 『勉強なんて嫌』そんな我が儘で、塔の一室で過ごす未来を選んだ自分をほんの少し後悔した。

 まぁ、過去に戻ったとしても、怠け者の私は同じ選択をするかもしれないけど……。

 ちょっと恥ずかしいこともあったけど、閉じ込められた世界にいた私には幸せな時間だった。

 そして二人きりのお茶会の後、私はまたあの部屋へと戻された。
 宣言通り、泣いて縋る私を見るまで、殿下は容赦なく私を虐めぬいた。



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