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ep.135-2 軌道エレベーターを作る
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僕は仕事のないローデルムの人たちに大声で呼びかけたッ。
「はいっ。伊佐木伯爵です! 仕事がなくても大丈夫! これから、みなさん、20000ギルで、軌道エレベーターを作る仕事を仕事がないすべてのローデルムの人を僕が雇って作りますっ! 今、仕事がない人は、僕に雇われてくださいっ! 僕がなんとかしますっ!」
1万人以上の失業者をすべて雇って、僕は軌道エレベーター作りに着手した。
日に20000ギルだから、日に2億ギルが僕の財布から飛んで行くっ。
日本円で2億円のお金を僕は支払わないとならなくなってしまったんだ。
ひと月で、60億円のお金が飛ぶ!
おっ、坊さんの掲示板がある。
宇宙に届く塔を建てると神の怒りを受けるという挿話が神話にはある。
だが、我々は宇宙に届く塔を建てねばならぬ。
宇宙に人類が届くと、そこにゴミを持ち込んで、新たな領土が我々にできる。
すべてのゴミを集めた地上と、鉄による無限のエネルギーを作り出し、
その無限のエネルギーを地上の資源と交換して成り立つ領土だ。
すると、地上はエネルギーを潤沢に使った、技術開発が無限にできるようになる。
しかし、その領土を作る前に、我々は全生存に至らねばならぬ。
すべての人間を全生存させた上で、我々がそれを当たり前として、
人同士、無駄に殺し合わぬ国際的な法の世界だ。
我々が弱者を殺して当たり前の状態だと、
我々自身は劣った国、都市を宇宙の小石で持って自由に殺し、
そのために、地上の破壊を誰も止められぬ状態となる。
ゆえに我々はどうしても、全生存のモラルを持たねばならぬ。
宇宙に届く塔を建てると、宇宙から地上に好きに攻撃ができるようになる。
我々は小石ほどの隕石を落とすことで、街をひとつ自由に破壊できるのだ。
ゆえに、理念なき人類が宇宙に届く塔を建ててはならぬ。
そのための国際的に法整備を完全に作り出さねば、神の怒りとなる。
宇宙にいる人間が、地上にいる人間に小石の隕石を落として嬲る神の怒り。
その場合、地上にいる人間は、宇宙に資源が十分に至ると、
神に自由になぶられて殺される人類のように、対抗する手段を失ってしまう。
だが、それは同時に、宇宙から攻撃したものも、地上の資源を破壊する結果となり、
いずれにせよ、資源を十分に引き上げても、宇宙にいる選ばれたものも、
海すらなくし、食べ物も酸素も
宇宙から取り上げられる神の怒りを受けることとなる。
我々はそのために完全な法整備を善良な力による管理を作らればならぬ。
善良な管理とは、人の心が善良であるというのではなく、
人が善良に動いて、善良が力としてムリなく行われることである。
また、それは仕掛けだけでは足りぬ。我々は同時に心としての善良を増やさねばならぬ。
善良な心を持たぬ人間が私利私欲で、我々の幸福を善良な仕掛けをやぶり、
我々全体の幸福を破壊することを止められないためである。
我々はそれを信仰として伝えたい。
アーメンズ・インシュアラー・南無
なるほど~。
宇宙って、地上を攻撃する兵器を小石から作れちゃうところなんだね。
でも、そんなところを軍隊が管理したらどうなるんだろう?
でも、自分が儲かって、人を落とすことは当然と考えてる経済人が握るのは?
うーーーん。誰なら管理できるんだろう。
おっ、よそごと。よそごと。それよりは、軌道エレベーター作っちゃえ。
おっ、そのとき、坊さんの世界の頭、法皇は考えていたゾ。
「帝国の皇帝カエサリウスは、宇宙に進出した上で、帝国を軍事的に動かして、宇宙から落とす小石を、地上のすべてに国に対する兵器として作り出そうとしています。首都や、産業のある地域に宇宙から小石をひとつ落とすだけで、その国はズタズタに壊されてしまいます。軍事的な支配意志を持った人間が、星の制宙権を握っただけで、地上で我々は対抗権をすべてなくしてしまう。その状態で宇宙進出を軍隊を主導で行えば、軍事支配と、力による管理を組織的な仕掛けとして集合して考える軍隊が、競って宇宙を取りに進出して、地上は火の海になってしまう。軍隊というのは、送り人の世界の戦国時代の武将と同じように、地上というものが、食べ物を育て、また、限りある資源の水を我々に提供し続ける我々の恵みの神の機械だということを自分たち同士の権力の奪い合いで忘れてしまう。地上をいくら支配しても、すべての地上を燃やしてしまっては、宇宙に資源がなくなり、その存在は餓死するというのに」
「法皇さま・・・」
「だから、信仰が軌道エレベーターを握られなければならないのです。信仰というのは、善良の仕掛けを強制的に我々に作り出す人類の考案した仕掛けだからです。ただ、市井の坊主の様子を観ると、その仕掛けが十分だとは思えない。我々信仰者は欲にまみれ、自己の守られた状況からハーレムすら作り出している。我々信仰は人の救済と、人類の永遠の繁栄を職業義務として作られた存在だというのに。善良な教養も知らぬ坊主は、善良の教養も育てようとすらしない。だとしたら、我々が宇宙を管理し、ただ、地上に石を落とすことを永久に禁じるというだけの仕事ができるでしょうか・・・。だとしたら、誰がカエサリウスを止めるのでしょう・・・。いずれにせよ、カエサリウスは自分だけの軍事的な支配にもはや動いている・・・。我々は軌道エレベーターを危険でも、作らなければならないのです」
うーーーーん。法皇様、いろいろ考えてるなぁーーー。
でも、だいじょうぶっ。きっとなんとかなるよ~。
僕は貴族に対して出資者を集めた。
「貴族のみなさーん。軌道エレベーター計画で僕と儲けませんか? 月間20万ギル、毎月投資していただけると、軌道エレベーターが出来上がれば際に月々1万ギルの配当が得られるようになります! 大儲けですっ! わはは」
「それじゃあ得じゃないじゃないか?」
「わはは~♪ はい。軌道エレベーターの完成は5年。配当は未来永劫続くことになりまーす。商売とは、初期投資をある程度出してコツコツ地味に堅実に確実に儲けるっ! 大事ですっ。軌道エレベーター計画は、絶対儲かる確実な投資ですっ!」
「なるほど。乗ったっ」「私も軌道エレベーター計画に乗ろうっ」「私もだっ」
「はいはーーい。貴族さま限定、2万人限りの儲け話しになりまーす。お早目にぃ~っ」
ほいほい♪
出資者を集めて、僕はいよいよ、軌道エレベーター計画を、ローデルムで走らせた。
「おらああああっ。働くぞおっ」「宇宙にエレベーターを作ってやるっ」「人類の夢じゃあっ」
ドンドン!
仕事をクビになった人たちが、大勢、軌道エレベーター計画で仕事をはじめ、あれあれ、ローデルムは不況どころか、すごい好景気になって行ったんだっ!
「伊佐木伯爵ばんざいっ!」「伊佐木伯爵は俺たちの救世主だっ」「伊佐木伯爵ばんざいっ」
あははっ。街の人たちが口々に僕に対して賛美の声を上げている。
大ピンチだったけど、僕はやってやったゾっ。
公爵はローデルムを壊す計画を失敗して歯ぎしりしてくやしがってるっ。
「ぐぬぬぬっ。伊佐木めっ。くそぉお。またしても、伊佐木を追い詰めることに失敗したっ! うぬぬ。許せんっ!」
おっ、マホメッドの石の本が落ちてるゾ。
そのとき、マホメッドは、過去のイランで動いていた。
「いずれにせよ、我々人類は知恵を石として刻み、それを脈々と育てねばならぬ。であるから、道端に落ちている石に、生活の知恵を刻み、信仰の力として売れ。例えば、火の効率的な起こし方、水の効率的な得方、すべてのイスラムの修行者が、生きるための生活の知恵をすべて石に刻んだ上で、それを人に配り続けろ。やがて、それは無限の太陽の力を我々に至らせる知恵となろう」
「マホメッドさま。水を至らせるための知恵は売らねばなりませんか? ただで配っては?」
「信仰として必ず売れ。坊主も生きねばならぬ。ただで水を至らせる知恵を配れば、坊主は生きるためのより多くの知恵を石に刻むことを怠るようになる。私は坊主の善良を信じてはいない。ただ、知恵あるものはやがて善良に至ることになろう。同時に、我々はいずれ天空へと至り、すべての太陽のエネルギーを得て、無限の力を得ることができるようになる。太陽の力は1億の我々にとっては無限の力となる」
「善良さは必要ありませんか?」
「善良さを集めるな。ただ、知恵を集めればいずれ善良に至ると言っているのだ。そして、善良へと至れば、それが法となり、確かに人が善良でいられる法となる。そのとき、天空に至る力に法を宿らせるように、我々は知恵を長きに渡って刻み続けねばならぬ」
「生活の知恵とは具体的には水以外になにかあるでしょうか?」
「村を作るとき嫌われている弱者を必ず守れ。人が集団となったとき弱者を切り捨てる集団は集合して、自分たち自身を落とす集団を作り上げる。そのため組織が弱体化する。弱者を守る意志を作れば、集団がすべてまとまり、すべてを生かす力をなる」
「弱者は役に立ちません。力のあるものが役に立つものです」
「力のあるもので弱者を切り捨てるものは集団から排除して、力で持って集団のために使い、そこから、力のもろさを知ったとき、弱者を守る意志に目覚めたとき、集団に加えよ。それが生活の知恵だ」
「生活の知恵は危険です。生活の知恵は快楽となり、快楽によって知恵は損なわれます」
「そのために為政をも知恵に刻め。ただし食べてはならぬ絶食の日を作ってはならない」
「なぜですか? 欲を止めるのは必要だと思いますが。人間は欲に溺れます。恵まれていても、食べない日を作られなければならないと思いますが」
「為政者はそれをすべてのものが何も食べてはならぬと作り上げるのだ。本当の意味で、人を幸福にしない為政者を見よ。恵まれて、食べるに困らぬ為政者というのは、権力があったとき、自分の財を集めるために、自分の支配するものからすべて食べてはならぬ制度を容易に作って省みないものなのだ。ゆえに私の言葉を正確に弟子としてお前は、正確に石に刻んだ上で、すべてのイスラムの信仰者に私の言葉を永遠に伝えよ。そうすれば、我々はいずれ、天空へと至り、太陽の力を得て、そこに法を作り、無限の幸福に至る」
えええええええ。マホメットって絶食を止めてたの?
イスラムって言ったら絶食だと思ってたのに。
絶食って、権力者が勝手にイスラムの法を弄って書き換えて出来ちゃったんだ!!!
確かに絶食を法にするのはひどい。権力者が絶食を命じると、みんな餓死するしかなくなるから。
まあ、いいやっ。
アッハハ~。僕は軌道エレベーター計画を動かしたゾっ!
はははっ。
どんなピンチでも、僕は乗り越える男だゾ。ざまぁみなさいっ!
ただ、ちょっとグデロン公爵にはムカついたゾっ。ええい。僕の力を使って、ちょっと明日はザマァしてやれっ!
ただ、すぐにグデロン公爵を落としたら、公爵だからひどい反発をすると思うゾ。
じょじょにじわじわザマァして、ヤツから力と、権力の座を奪ってやるっ。
さぁーーーあ、ザマァをやろう。
スカっと気持ちよく、ザマァしたいぞっ。さあ、なにがあるだろう?
さあ、明日も元気よく行こう!
「はいっ。伊佐木伯爵です! 仕事がなくても大丈夫! これから、みなさん、20000ギルで、軌道エレベーターを作る仕事を仕事がないすべてのローデルムの人を僕が雇って作りますっ! 今、仕事がない人は、僕に雇われてくださいっ! 僕がなんとかしますっ!」
1万人以上の失業者をすべて雇って、僕は軌道エレベーター作りに着手した。
日に20000ギルだから、日に2億ギルが僕の財布から飛んで行くっ。
日本円で2億円のお金を僕は支払わないとならなくなってしまったんだ。
ひと月で、60億円のお金が飛ぶ!
おっ、坊さんの掲示板がある。
宇宙に届く塔を建てると神の怒りを受けるという挿話が神話にはある。
だが、我々は宇宙に届く塔を建てねばならぬ。
宇宙に人類が届くと、そこにゴミを持ち込んで、新たな領土が我々にできる。
すべてのゴミを集めた地上と、鉄による無限のエネルギーを作り出し、
その無限のエネルギーを地上の資源と交換して成り立つ領土だ。
すると、地上はエネルギーを潤沢に使った、技術開発が無限にできるようになる。
しかし、その領土を作る前に、我々は全生存に至らねばならぬ。
すべての人間を全生存させた上で、我々がそれを当たり前として、
人同士、無駄に殺し合わぬ国際的な法の世界だ。
我々が弱者を殺して当たり前の状態だと、
我々自身は劣った国、都市を宇宙の小石で持って自由に殺し、
そのために、地上の破壊を誰も止められぬ状態となる。
ゆえに我々はどうしても、全生存のモラルを持たねばならぬ。
宇宙に届く塔を建てると、宇宙から地上に好きに攻撃ができるようになる。
我々は小石ほどの隕石を落とすことで、街をひとつ自由に破壊できるのだ。
ゆえに、理念なき人類が宇宙に届く塔を建ててはならぬ。
そのための国際的に法整備を完全に作り出さねば、神の怒りとなる。
宇宙にいる人間が、地上にいる人間に小石の隕石を落として嬲る神の怒り。
その場合、地上にいる人間は、宇宙に資源が十分に至ると、
神に自由になぶられて殺される人類のように、対抗する手段を失ってしまう。
だが、それは同時に、宇宙から攻撃したものも、地上の資源を破壊する結果となり、
いずれにせよ、資源を十分に引き上げても、宇宙にいる選ばれたものも、
海すらなくし、食べ物も酸素も
宇宙から取り上げられる神の怒りを受けることとなる。
我々はそのために完全な法整備を善良な力による管理を作らればならぬ。
善良な管理とは、人の心が善良であるというのではなく、
人が善良に動いて、善良が力としてムリなく行われることである。
また、それは仕掛けだけでは足りぬ。我々は同時に心としての善良を増やさねばならぬ。
善良な心を持たぬ人間が私利私欲で、我々の幸福を善良な仕掛けをやぶり、
我々全体の幸福を破壊することを止められないためである。
我々はそれを信仰として伝えたい。
アーメンズ・インシュアラー・南無
なるほど~。
宇宙って、地上を攻撃する兵器を小石から作れちゃうところなんだね。
でも、そんなところを軍隊が管理したらどうなるんだろう?
でも、自分が儲かって、人を落とすことは当然と考えてる経済人が握るのは?
うーーーん。誰なら管理できるんだろう。
おっ、よそごと。よそごと。それよりは、軌道エレベーター作っちゃえ。
おっ、そのとき、坊さんの世界の頭、法皇は考えていたゾ。
「帝国の皇帝カエサリウスは、宇宙に進出した上で、帝国を軍事的に動かして、宇宙から落とす小石を、地上のすべてに国に対する兵器として作り出そうとしています。首都や、産業のある地域に宇宙から小石をひとつ落とすだけで、その国はズタズタに壊されてしまいます。軍事的な支配意志を持った人間が、星の制宙権を握っただけで、地上で我々は対抗権をすべてなくしてしまう。その状態で宇宙進出を軍隊を主導で行えば、軍事支配と、力による管理を組織的な仕掛けとして集合して考える軍隊が、競って宇宙を取りに進出して、地上は火の海になってしまう。軍隊というのは、送り人の世界の戦国時代の武将と同じように、地上というものが、食べ物を育て、また、限りある資源の水を我々に提供し続ける我々の恵みの神の機械だということを自分たち同士の権力の奪い合いで忘れてしまう。地上をいくら支配しても、すべての地上を燃やしてしまっては、宇宙に資源がなくなり、その存在は餓死するというのに」
「法皇さま・・・」
「だから、信仰が軌道エレベーターを握られなければならないのです。信仰というのは、善良の仕掛けを強制的に我々に作り出す人類の考案した仕掛けだからです。ただ、市井の坊主の様子を観ると、その仕掛けが十分だとは思えない。我々信仰者は欲にまみれ、自己の守られた状況からハーレムすら作り出している。我々信仰は人の救済と、人類の永遠の繁栄を職業義務として作られた存在だというのに。善良な教養も知らぬ坊主は、善良の教養も育てようとすらしない。だとしたら、我々が宇宙を管理し、ただ、地上に石を落とすことを永久に禁じるというだけの仕事ができるでしょうか・・・。だとしたら、誰がカエサリウスを止めるのでしょう・・・。いずれにせよ、カエサリウスは自分だけの軍事的な支配にもはや動いている・・・。我々は軌道エレベーターを危険でも、作らなければならないのです」
うーーーーん。法皇様、いろいろ考えてるなぁーーー。
でも、だいじょうぶっ。きっとなんとかなるよ~。
僕は貴族に対して出資者を集めた。
「貴族のみなさーん。軌道エレベーター計画で僕と儲けませんか? 月間20万ギル、毎月投資していただけると、軌道エレベーターが出来上がれば際に月々1万ギルの配当が得られるようになります! 大儲けですっ! わはは」
「それじゃあ得じゃないじゃないか?」
「わはは~♪ はい。軌道エレベーターの完成は5年。配当は未来永劫続くことになりまーす。商売とは、初期投資をある程度出してコツコツ地味に堅実に確実に儲けるっ! 大事ですっ。軌道エレベーター計画は、絶対儲かる確実な投資ですっ!」
「なるほど。乗ったっ」「私も軌道エレベーター計画に乗ろうっ」「私もだっ」
「はいはーーい。貴族さま限定、2万人限りの儲け話しになりまーす。お早目にぃ~っ」
ほいほい♪
出資者を集めて、僕はいよいよ、軌道エレベーター計画を、ローデルムで走らせた。
「おらああああっ。働くぞおっ」「宇宙にエレベーターを作ってやるっ」「人類の夢じゃあっ」
ドンドン!
仕事をクビになった人たちが、大勢、軌道エレベーター計画で仕事をはじめ、あれあれ、ローデルムは不況どころか、すごい好景気になって行ったんだっ!
「伊佐木伯爵ばんざいっ!」「伊佐木伯爵は俺たちの救世主だっ」「伊佐木伯爵ばんざいっ」
あははっ。街の人たちが口々に僕に対して賛美の声を上げている。
大ピンチだったけど、僕はやってやったゾっ。
公爵はローデルムを壊す計画を失敗して歯ぎしりしてくやしがってるっ。
「ぐぬぬぬっ。伊佐木めっ。くそぉお。またしても、伊佐木を追い詰めることに失敗したっ! うぬぬ。許せんっ!」
おっ、マホメッドの石の本が落ちてるゾ。
そのとき、マホメッドは、過去のイランで動いていた。
「いずれにせよ、我々人類は知恵を石として刻み、それを脈々と育てねばならぬ。であるから、道端に落ちている石に、生活の知恵を刻み、信仰の力として売れ。例えば、火の効率的な起こし方、水の効率的な得方、すべてのイスラムの修行者が、生きるための生活の知恵をすべて石に刻んだ上で、それを人に配り続けろ。やがて、それは無限の太陽の力を我々に至らせる知恵となろう」
「マホメッドさま。水を至らせるための知恵は売らねばなりませんか? ただで配っては?」
「信仰として必ず売れ。坊主も生きねばならぬ。ただで水を至らせる知恵を配れば、坊主は生きるためのより多くの知恵を石に刻むことを怠るようになる。私は坊主の善良を信じてはいない。ただ、知恵あるものはやがて善良に至ることになろう。同時に、我々はいずれ天空へと至り、すべての太陽のエネルギーを得て、無限の力を得ることができるようになる。太陽の力は1億の我々にとっては無限の力となる」
「善良さは必要ありませんか?」
「善良さを集めるな。ただ、知恵を集めればいずれ善良に至ると言っているのだ。そして、善良へと至れば、それが法となり、確かに人が善良でいられる法となる。そのとき、天空に至る力に法を宿らせるように、我々は知恵を長きに渡って刻み続けねばならぬ」
「生活の知恵とは具体的には水以外になにかあるでしょうか?」
「村を作るとき嫌われている弱者を必ず守れ。人が集団となったとき弱者を切り捨てる集団は集合して、自分たち自身を落とす集団を作り上げる。そのため組織が弱体化する。弱者を守る意志を作れば、集団がすべてまとまり、すべてを生かす力をなる」
「弱者は役に立ちません。力のあるものが役に立つものです」
「力のあるもので弱者を切り捨てるものは集団から排除して、力で持って集団のために使い、そこから、力のもろさを知ったとき、弱者を守る意志に目覚めたとき、集団に加えよ。それが生活の知恵だ」
「生活の知恵は危険です。生活の知恵は快楽となり、快楽によって知恵は損なわれます」
「そのために為政をも知恵に刻め。ただし食べてはならぬ絶食の日を作ってはならない」
「なぜですか? 欲を止めるのは必要だと思いますが。人間は欲に溺れます。恵まれていても、食べない日を作られなければならないと思いますが」
「為政者はそれをすべてのものが何も食べてはならぬと作り上げるのだ。本当の意味で、人を幸福にしない為政者を見よ。恵まれて、食べるに困らぬ為政者というのは、権力があったとき、自分の財を集めるために、自分の支配するものからすべて食べてはならぬ制度を容易に作って省みないものなのだ。ゆえに私の言葉を正確に弟子としてお前は、正確に石に刻んだ上で、すべてのイスラムの信仰者に私の言葉を永遠に伝えよ。そうすれば、我々はいずれ、天空へと至り、太陽の力を得て、そこに法を作り、無限の幸福に至る」
えええええええ。マホメットって絶食を止めてたの?
イスラムって言ったら絶食だと思ってたのに。
絶食って、権力者が勝手にイスラムの法を弄って書き換えて出来ちゃったんだ!!!
確かに絶食を法にするのはひどい。権力者が絶食を命じると、みんな餓死するしかなくなるから。
まあ、いいやっ。
アッハハ~。僕は軌道エレベーター計画を動かしたゾっ!
はははっ。
どんなピンチでも、僕は乗り越える男だゾ。ざまぁみなさいっ!
ただ、ちょっとグデロン公爵にはムカついたゾっ。ええい。僕の力を使って、ちょっと明日はザマァしてやれっ!
ただ、すぐにグデロン公爵を落としたら、公爵だからひどい反発をすると思うゾ。
じょじょにじわじわザマァして、ヤツから力と、権力の座を奪ってやるっ。
さぁーーーあ、ザマァをやろう。
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さあ、明日も元気よく行こう!
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