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さよなら。TOYBEE

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ep.33-2 異世界で買い物を楽しむ

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 あっ、坊さんの立て看板がある。読んでみよ~。

実はこの世に存在するあらゆる人間は、すべて神としての力を有している。
ただし、神は絶大な力を持つと同時に、人間のキャパシティを越えた
苦痛や痛みを伴う存在であるため、我々はみだりに神になるべきではない。
我々が人間としてここに存在し、人間であり続けるのは、
たんに神でいるよりも、苦痛が少ないからであり、あなたが神じゃないのは、あなた自身が別次元で、人間を選んでいるからである。
神は絶大な力を持つと同時に、長く次元の中で存在するため、
長いスパンにおいて、人間のキャパシティを越えた地獄を味わう存在となる。
しかし、我々が神と対話するとき、神はその事実をほとんどの場合知らない。
それは神がその事実を知ったときに、自己存在の切り離しを神の力を使って
行うために、神自身は自らが通常以上の地獄に落ちる事実に至らないためである。
ゆえに我々は人間として、すべての世界を地獄から救う必要があり、
同時にそれは、地獄から神を救う必然とも言える。

アーメン・インシュアラー陀仏

 へえ。神ってこの世界だと常に地獄に落ちるんだ。で、地獄に落ちたとき、痛いから神の万能の力で、自分の記憶を切って自分が地獄に落ちる事実を知らないでいるって話?

 坊さん、すごいこと知ってるな。そうなんだ~。


 でも、

 へええええええ。

 そうなんだ~。僕でも神になれたりするんだ~。

 ただ、神になると、人間よりも地獄が長くなって、凄まじい痛みが食らったりするっていうのが本当みたいで、

 例えば、地獄に落ちる長さを人間が1億年だとすると、神って1京年×1万くらいになっちゃったりするって話?

 うーーーーーん。

 それでも、神になりたいかって言われたら、そりゃ微妙かも知れない。

 絶大な力を神は持てるけど、その分のリスクって、まるでワリに合わないから、普通の人間は神にはならないって話みたい。

 なるほど~。

 僕なんかが考えるのは、それじゃあ、神にならないで、神の力だけ利用できないかとか思っちゃうけど、

 それも実は考えてみると怖そうな。


 絶大な力を持つ神の力を利用するのって、すごく怒られそうで怖いかも。


 おっ、また、立てカンバンだ。観てみよ~。



金で命は生かされなければならない。
金は人を殺すものではなく、金によって人は命を得なければならない。
どうあれ金は、命を奪うものになりやすい。
しかし、我々は金を使って生きている。ならば、我々は金に命を生かす知恵を作らなければならない。

アーメンズ・インシュアラー・トウジ


 なるほどね~。

 人ってお金に操られて、ひどいことをするけど、

 なおさらにお金を使って、人を生かすって大事って話だね~。

 トウジいいこと言ってるな~。



 なんていうか、人間って、金の力に杜撰だって僕は思ったりするな~。

 とにかく、人間って生きながらにして、お金を得るために、ひどくムチャクチャやるけど、

 その実、自分自身を幸福にするために、お金の力を使ってないような気がするんだよね~。

 なんていうか、もうちょっとうまく、お金の力使えないかなとか思ったりして。




 おっと、それより、今はルフラちゃんのことだ。



 僕はにっこりして、ルフラちゃんに言った。

「どっちも似合うから、両方買ったらいいよ。ルフラちゃんが普段、リボンをつけてくれたら、かわいくてうれしいな」

「ありがとうございます。伊佐木さん。大好きです」

 にっこりとほほ笑んで、リボンを手に取って身に着けて喜ぶルフラちゃんはかわいい。・・・チェックのリボンが似合ってるなあ。




 一方、メルティちゃんは、市場の端の方にあるお菓子の出店で、キャンディの瓶とにらめっこしている。

「キャンディって食べたことないんです。でも、きれいでかわいくて。どれか迷っちゃいます!」

「いっぱい買ったらいいよ。瓶ごと、3つくらい好きなのを選んだらいいんじゃないかな?」




 ふふふ。

 楽しい買い物になった。やっぱり、異世界に来たんだから、異世界の市場に来て、楽しむのはだいご味があるよね?




「店長。すごく楽しかった!!! 私、店長のこと大好きです」

「私もです。店長。リボン買ってもらえてありがとう。大好き」




 へへへ。店員の少女の二人に好きって言われちゃったよ。すごくうれしいな~。

 そう思いながら、僕が異世界のゼンマイ仕掛けの古びた時計とかを観ていると、馬車が突然やって来て、そこから、公爵令嬢のシェスティーナが降りて来た。




「あれ? シェスティーナお嬢さま。こんなところでどういたしましたか?」

 シェスティーナお嬢さまは僕に鬼気迫る勢いで言った。

「そんな悠長なことを言っている場合じゃないですわ! 伊佐木。実は王が、あなたを呼び出しているんですわ。すぐ私と一緒にいらっしゃいっ。今すぐにです」




 ええええええええええええええ。王の呼び出しってどういうこと!?

 ただの一商人でしかない僕が、王に呼び出されるなんて。僕、どうなっちゃうの?
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