最推しと結婚できました!

葉嶋ナノハ

文字の大きさ
24 / 61

24 すみずみまで丁寧に(2)

しおりを挟む
 千影は「夕美がのぼせたら可哀想だから我慢する」と言って、一緒に湯船を出た。

 見えてしまった彼のモノは想像以上に大きく反り立っていて、思わず目を逸らしてしまったほどだ。
 旅行の際はお尻にあてられていただけなので、今、初めて見たのだが……。

(あんなに大きいのが私のナカに挿入るの……? 心配になってきたけど、でも、早く受け入れたい自分もいる。私いつからこんなにいやらしくなっちゃったんだろう……)

 罪悪感を覚えながらも、これは前に進めている証なんだと、自分をポジティブに励ました。
 そして冷静になることもやめた。「推しとこんなことを……」などと考え出したら、何もできなくなってしまうからだ。


 洗い場が広いので、ふたり同時に使っても余裕がある。

「千影さん、とても優しく洗うのね」

「人の髪を洗ったことなんて初めてだから、傷つけてしまったらと思うと、どうしてもね」

「大丈夫よ。すごく気持ちいい……」

 うっとり夢心地で目を閉じた。

 推しに髪を洗ってもらうなど、バチが当たりそうだが、千影がどうしてもやりたいと言うので任せた。

 恥ずかしいので後ろを向き、シャワーも流してもらう。彼の手は本当に丁寧で、もちろん不快なことなど何もない。何もないのだが……。

(かなり時間をかけてくれるけど、疲れないのかな?)

 と、心配になるほどだった。
 コンディショナーを終えて、今度は千影の番だ。湯船のへりに座ってもらい、彼の髪を洗う。

「めちゃめちゃ気持ちいい……」

 シャンプー中にうっとりと目をつぶる顔がとても可愛くて、思わずそっと頬にキスをした。彼は「ん?」と言っただけで、夕美がキスをしたことに気づいていない。そんな千影が余計に愛おしくて、夕美は彼に負けないくらいに優しく丁寧に髪を洗い上げた。

 次に、お互い泡のボディソープを手に乗せた。
 まず夕美が千影の上半身を手のひらで洗う。そのあとはどうすれば……と迷っていると、彼に後ろを向かされた。
 そして千影の手が、マッサージするように夕美の体を洗い始める。ぬるぬるした感触が夕美を襲った。

「あっ、あの……、んんっ」

 丁寧を通り越した過剰な動きに、思わず腰をくねらせた。

「どうしたの? 体を洗ってるだけなのに、そんなに喘いじゃって」

「だって、千影さん……っ」

「そんなにふにゃふにゃしてると、上手く洗えないなぁ」

「んっ、も、もう自分で洗う、から……っ」

「ダメだよ。まだ洗ってないところ、たくさんあるんだから。夕美もほら、掴んで」

「っ!?」

 右手を導かれて握らされたのは、彼の大きくなったモノだった。

「僕のも洗って。……ゆっくりね」

 泡のついた手で、硬く熱い肉棒を上下にしごく。そのたびに、彼の荒い息が夕美の耳元をくすぐった。

 千影に胸の先端をくるくると洗われながら、もう限界だという時。彼の手が、夕美の下腹から下へ移動する。

「あっ、そこダメ……! やっ、あぁ……っ」

 彼の指先が敏感な突起を二、三度往復しただけで、夕美はあっという間に達してしまう。
 びくんびくんと体が震え、膝から崩れ落ちそうになるところを、千影が支えた。

「あれ? もしかしてイッちゃったの?」

「う……、うぅ……、ごめ、なさ……」

「謝ることないよ。夕美、すごく可愛い」

 後ろから支える千影が、夕美の耳を甘噛みする。

「旅行の時も思ったけど、感じやすいんだね。……本当に初めて?」

「ち、千影さんに嘘なんて、つかない」

 甘い感覚に襲われながら、息も絶え絶えに否定する。

「わかってる。もし夕美が他の男に触れられてたらって想像しただけで、嫉妬で気が狂いそうになっちゃって」

 千影の声が苦しげなものに聞こえた。彼の顔を見たくて体の向きを変えると、首にそっと両手をあてられる。

「……ごめんね、夕美」

 こちらを見下ろす千影の顔は、なぜか切なげで、悲しそうだった。

「全部、千影さんが初めてなの……」

 告白すると同時に、彼が唇を寄せる。

「夕美、好きだよ、夕美……!」

「千影さ、んっ、んうう……っ」

 出しっぱなしにしたシャワーを浴びながら、長いキスが始まった。唇を押し付け合い、舌を絡ませ、唾液を啜り合う。
 彼の硬いモノを下腹にぐいぐいと押しつけられて、夕美も溢れる蜜が止まらない。

 十分に体が昂ぶり合った時、「早くつながりたい」という千影に手を取られて、慌ただしくバスルームを出た。

しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

包んで、重ねて ~歳の差夫婦の極甘新婚生活~

吉沢 月見
恋愛
ひたすら妻を溺愛する夫は50歳の仕事人間の服飾デザイナー、新妻は23歳元モデル。 結婚をして、毎日一緒にいるから、君を愛して君に愛されることが本当に嬉しい。 何もできない妻に料理を教え、君からは愛を教わる。

契約結婚のはずなのに、冷徹なはずのエリート上司が甘く迫ってくるんですが!? ~結婚願望ゼロの私が、なぜか愛されすぎて逃げられません~

猪木洋平@【コミカライズ連載中】
恋愛
「俺と結婚しろ」  突然のプロポーズ――いや、契約結婚の提案だった。  冷静沈着で完璧主義、社内でも一目置かれるエリート課長・九条玲司。そんな彼と私は、ただの上司と部下。恋愛感情なんて一切ない……はずだった。  仕事一筋で恋愛に興味なし。過去の傷から、結婚なんて煩わしいものだと決めつけていた私。なのに、九条課長が提示した「条件」に耳を傾けるうちに、その提案が単なる取引とは思えなくなっていく。 「お前を、誰にも渡すつもりはない」  冷たい声で言われたその言葉が、胸をざわつかせる。  これは合理的な選択? それとも、避けられない運命の始まり?  割り切ったはずの契約は、次第に二人の境界線を曖昧にし、心を絡め取っていく――。  不器用なエリート上司と、恋を信じられない女。  これは、"ありえないはずの結婚"から始まる、予測不能なラブストーリー。

【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜

来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、 疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。 無愛想で冷静な上司・東條崇雅。 その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、 仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。 けれど―― そこから、彼の態度は変わり始めた。 苦手な仕事から外され、 負担を減らされ、 静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。 「辞めるのは認めない」 そんな言葉すらないのに、 無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。 これは愛? それともただの執着? じれじれと、甘く、不器用に。 二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。 無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

エリート役員は空飛ぶ天使を溺愛したくてたまらない

如月 そら
恋愛
「二度目は偶然だが、三度目は必然だ。三度目がないことを願っているよ」 (三度目はないからっ!) ──そう心で叫んだはずなのに目の前のエリート役員から逃げられない! 「俺と君が出会ったのはつまり必然だ」 倉木莉桜(くらきりお)は大手エアラインで日々奮闘する客室乗務員だ。 ある日、自社の機体を製造している五十里重工の重役がトラブルから莉桜を救ってくれる。 それで彼との関係は終わったと思っていたのに!? エリート役員からの溺れそうな溺愛に戸惑うばかり。 客室乗務員(CA)倉木莉桜 × 五十里重工(取締役部長)五十里武尊 『空が好き』という共通点を持つ二人の恋の行方は……

恋に異例はつきもので ~会社一の鬼部長は初心でキュートな部下を溺愛したい~

泉南佳那
恋愛
「よっしゃー」が口癖の 元気いっぱい営業部員、辻本花梨27歳  ×  敏腕だけど冷徹と噂されている 俺様部長 木沢彰吾34歳  ある朝、花梨が出社すると  異動の辞令が張り出されていた。  異動先は木沢部長率いる 〝ブランディング戦略部〟    なんでこんな時期に……  あまりの〝異例〟の辞令に  戸惑いを隠せない花梨。  しかも、担当するように言われた会社はなんと、元カレが社長を務める玩具会社だった!  花梨の前途多難な日々が、今始まる…… *** 元気いっぱい、はりきりガール花梨と ツンデレ部長木沢の年の差超パワフル・ラブ・ストーリーです。

私の婚活事情〜副社長の策に嵌まるまで〜

みかん桜
恋愛
身長172センチ。 高身長であること以外ごく普通のアラサーOL、佐伯花音。 婚活アプリに登録し、積極的に動いているのに中々上手く行かない。 「名前からしてもっと可愛らしい人かと……」ってどういうこと? そんな男、こっちから願い下げ! ——でもだからって、イケメンで仕事もできる副社長……こんなハイスペ男子も求めてないっ! って思ってたんだけどな。気が付いた時には既に副社長の手の内にいた。

腹黒上司が実は激甘だった件について。

あさの紅茶
恋愛
私の上司、坪内さん。 彼はヤバいです。 サラサラヘアに甘いマスクで笑った顔はまさに王子様。 まわりからキャーキャー言われてるけど、仕事中の彼は腹黒悪魔だよ。 本当に厳しいんだから。 ことごとく女子を振って泣かせてきたくせに、ここにきて何故か私のことを好きだと言う。 マジで? 意味不明なんだけど。 めっちゃ意地悪なのに、かいま見える優しさにいつしか胸がぎゅっとなってしまうようになった。 素直に甘えたいとさえ思った。 だけど、私はその想いに応えられないよ。 どうしたらいいかわからない…。 ********** この作品は、他のサイトにも掲載しています。

ハイスぺ幼馴染の執着過剰愛~30までに相手がいなかったら、結婚しようと言ったから~

cheeery
恋愛
パイロットのエリート幼馴染とワケあって同棲することになった私。 同棲はかれこれもう7年目。 お互いにいい人がいたら解消しようと約束しているのだけど……。 合コンは撃沈。連絡さえ来ない始末。 焦るものの、幼なじみ隼人との生活は、なんの不満もなく……っというよりも、至極の生活だった。 何かあったら話も聞いてくれるし、なぐさめてくれる。 美味しい料理に、髪を乾かしてくれたり、買い物に連れ出してくれたり……しかも家賃はいらないと受け取ってもくれない。 私……こんなに甘えっぱなしでいいのかな? そしてわたしの30歳の誕生日。 「美羽、お誕生日おめでとう。結婚しようか」 「なに言ってるの?」 優しかったはずの隼人が豹変。 「30になってお互いに相手がいなかったら、結婚しようって美羽が言ったんだよね?」 彼の秘密を知ったら、もう逃げることは出来ない。 「絶対に逃がさないよ?」

処理中です...