Occupied レプリカント人権保護局

黒遠

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03 トライアル (1)マリーン探し

16 Vesta (彼女)

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 マリーンはプログラムをデフォルトに戻した。だから次に彼女に会った時は、別な人みたいだった。

 彼女はわざわざお礼を言いに、レプリカント人権保護局まで訪ねてきてくれた。体のラインにぴったり合った女性もののスーツを着ていて、タイトなスカートからすんなりと長い膝から下が見えた。真夏なのに長袖なのは気になったけど、よく似合っている。髪はいきなりは伸びないからショートヘアのまま。口紅を引いてすっと立つ姿は男性には見えなかった。どう見てもゴージャスな女性。

「すげえ」

 バルがちらっと見て言った。そうだよね。こういうのをゴージャスって言うんだよ。

「お二人とも色々とご尽力くださったと伺いました。どうもありがとうございます」

 よくよくみるとまだ肩幅が広いし胸がない。でも気にならないくらいきれい。

「ヴェスタさんは本当にレプリカントだったんですね。私、あの時あなたのことも信じられなくて」
「そうだったんですか?」
「だって……レプリカントが捜査官だなんて……。隣の方とも対等に話していらっしゃったから、ヒューマンなんじゃないかと疑いました」
「ああ、バルはオーナーだし……バディだから」

 マリーンは斜め後ろのブースのバルに気が付いて、頭を下げた。

「いい関係ですね。私はオーナーには恵まれませんでした」

 いい関係なの?

 バルを見る。バルもこちらを眺めている。デスクに肘をついて、もう片手でペンを触りながら。

 でも俺はマリーンの方が羨ましい。ザムザとマリーンの方が。

「ザムザとお幸せに」

 彼女は少し頬を赤らめて、微笑んで帰って行った。入れ替わるようにバルがやって来た。

「随分話してたけど」
「そう? かな。大した話はしてない」
「お前あの人嫌いなのか?」
「え?」

 嫌い? マリーンが? どうして?

「髪が青くなってる」
「ああ……違うんだ、これは」

 どっちかというとバルのせいだよ。




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