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二十六話 荒療治
それから、カイトくんとの共同生活がまた始まった訳なんだけど…
無理だ。
顔も合わせられない。
「ノアさん」
「へ?あ、えと…その」
いざカイトくんに喋りかけられても上手く返事もできない。
(ちがうのにっ…ほんとはちゃんと話したいのに、あんまりにも、あんまりにもカイトくんがかっこよすぎるからっ…)
「実験、手伝いましょうか?」
「あ、うん…ありがとっ…」
実験室はごちゃついていて狭っ苦しい。
だから、こうして二人でいると、どうしても距離が近くなる。
「ふ、ぁ…」
ふとしたときに手が触れ合うこともあって、その度に僕はドギマギしてしまった。
「っじれったーい!!!」
そんな僕たちの様子を見ていたユリがいきなり叫んだ。
「お前らいつまでうじうじしてるわけ!?さっさとくっつきな!!」
「ユリ、な、何言って…」
「こんなアホな実験するまえに自分の問題を解決しなさい!」
「え、ちょっと…ユリさん!?」
ユリは僕たち二人を飲み込んだかと思うと、僕の部屋にぺっと吐き出した。
ちなみにユリの体の中に取り込まれるのはこれが初めてだった。
「お前らには荒療治が必要だ。自分の気持ち伝えるまでこの部屋出てくんなよ」
そう言い捨ててユリは扉を閉めた。
(ど、どうしよぉぉおお!カイトくんと二人きりになるの避けてたのにっ…)
カイトくんは僕をじっと見つめている。
「なんか、久しぶりですね。ノアさんと二人で話すの…」
「そうだね…」
僕はなるべく目を合わせないように答えた。
カイトくんを見たら僕のあたまはすぐに働かなくなってしまうのだ。
「えっと…その、ノアさん」
「うん」
「……あの、僕がここに戻ってきてから…避けてるのはなんでなんですか?」
すごいストレートに聞いてきた!
カイトくんが素直に育って僕嬉しいよ…
「それは、カイトくんが…」
「やっぱり僕が何かしましたか?すみません…」
「いや違うの!そうじゃなくて…」
こんなこと、言っていいのかな。
「カイトくんが、大人になったから…」
「え?」
「カイトくん、すごく大人になったでしょ。だからカイトくんを見ると、すごくドキドキするの。それに顔も熱くなってくるし。とりあえず、変になるから…だから、避けてた、ごめんね…」
「っ…それって」
「…?」
はぁ、とカイトくんはため息をついた。
…呆れられちゃったのかな?
「…僕、あなたに言いたいことがあるんですけど、良いですか」
「いい、よ…」
何を言われるんだろう。
ほんの少し怖がりながら僕は頷いた。
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