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箱庭
しおりを挟む颯凛と静は仕事を終わらせて真緒の待つ部屋に帰る。
真緒と二人が結ばれてから3年の時が立っていた。
部屋には鍵はかかっていない。でも真緒がこの部屋から勝手に出たことは一度もない。
部屋にはベットが置いてあって、幾重にも重なったレースのカーテンで覆われている。
なかで眠る二人の宝石を人目から隠し守るために。
「真緒、帰りましたよ」
「…ん、ジン、ソンリェン…?」
真緒は目を擦りながら起き上がった。
真緒は夜に激しく抱かれるぶん、昼間はほとんど寝ていた。
「いい子で待ってた?」
「うん。僕、ずっと二人のこと考えて待ってた。だから褒めて」
颯凛が頭を撫でてやると甘えるように擦り寄る。
「ご飯持ってきたのでたべましょう」
「やったぁ。僕、お腹空いてたの」
真緒は静に擦り寄り、口を開ける。すると当たり前のように静が一口分を真緒に食べさせてやる。
真緒は二人と食事を取る時、自分の手で食べることはない。
真緒は二人に世話をされることにすっかり慣れていた。
ここに連れてこられたときはただの普通の男の子なみに自立していたが、長い間甘やかされているうちに真緒は子供のようになってしまった。
「ん、これおいしい」
「ほんと?じゃあこれからはこれたくさんもってきてあげる」
しかし、三人ともそれが異常だと思っていない。
二人は真緒の世話を焼き、真緒は二人に体を差し出す。
それが三人の愛の形だった。
三人だけの箱庭は、歪でも三人にとっては本物の愛情であふれていた。
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みんなの感想(6件)
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密かに一日の終わりの楽しみにしていたものが完結してしまった…
昨日読んだ時は完結ではなかったので期待に開いてしまいました笑笑
完結おめでとうございます!
こういう愛のあり方もありかなって思いながら読んでました!
毎日読んでいただきありがとうございました!
楽しんでいただけて何よりでした…
自分の好きなものを書いたので、他の方にも楽しんでいただけて嬉しいです
尊いですね!最高ですね!
もう、3人が尊くて胸きゅんが止まらないです!
尊い作品をありがとうございます(* ´ ꒳ `* )
ありがとうございます
内容的に読む人を選ぶ作品なので、喜んでもらえて嬉しいです!
誰かに聞くことができないけど知りたい質問の一つが、「挿入したまま寝るとどうなる?」なんですよね〜笑
でも創作作品で読むのは好きです😊
主人公は不憫だけど今後の展開が楽しみです!
ありがとうございます
おそらく挿入されたままのほうは大変なことになりますよね笑
でも創作なので問題なしです!