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21・逃げたい魔王 下 ★
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「……え?」
何が起きたか急には理解出来ず、呆然とする。すると腰を抱えていた手が、さわさわとお尻を撫でた。ぎりぎりまで昇りつめていた私は、そんなわずかな刺激にも反応し、思わず腰をくねらせてしまった。それでも、私の中にいるモノが動く気配はない。
「あ……、はぁ……」
思わず息が漏れてしまった。すると謙斗は再び腰を使い出した。けれど、その動きはひどく緩慢で……まるで焦らされるようでもの足りない。私の中がひくひくと、物欲しげに痙攣するのがわかった。
「ああん、いやぁ」
「何が嫌なんだ?」
「……っ」
「言えないのか?」
そうして謙斗はまた、動きを止めてしまった。やっぱりそう、わざとだ。
「んん……っ、やだ……ねぇ、お願い……」
「おまえと違って、俺はもうジジィだからな。少しは休ませろよ」
「嘘よ、ああ……っ!」
思わず自分から腰を動かしてしまいそうになる。ところが謙斗の両手が、がっちりと私の腰を押さえていて、それも出来ない。
「いやぁ、お願い動いてぇ!」
謙斗のモノが、奥まで入っているのに。私のナカで、いっぱいになっているのに。
焦らされれば焦らされるほど、それしか考えられなくなってきて……。
「うぅ、動いてよぉ……」
「しょうがねぇな」
ぐっと引き抜いて、またねじ込まれた。
「ああああっ!」
身体中の神経がざわめいて、待ちかねた快感に震える。駆け上がるように絶頂感が迫って、ベッドに着いた両手をきつく握った。
それなのに。
「ああっ、いやぁっ!」
信じられないことに、この男は……また動くのを止めた。
何度でも何度でも、私が達しそうになる度に、同じことをされた。寸止めの繰り返しに、私は手足をガクガク震わせて、もういくことしか考えられなくなった。
「やだ、もういや……! いかせてよぉ」
「……そんなにいきたいのか? 真っ赤になって震えて……」
だって、昨日からあんなにいかされまくったのだ。もう身体がそれを覚えてしまっている。
「―――んじゃ、もう逃げないって約束しろよ」
「……え?」
「そうしたら、いかせてやる」
もう、いくことだけでいっぱいで、考えられる状態ではないのだ。本当は、逃げないなんて言いたくない。というか逃げたい。それでも……。ああ、そんなこと言ってる今にも、もう……!
「逃げない、から。ねえ、お願い……!」
「よし、言えたな」
―――ああ、早く……!
謙斗がゆっくりと腰を引いた。次に来るべき快感への期待で、私は思わず息を吸い込んだ。―――それなのに。
「もうひとつ。俺が好きだって言ってみ」
そう言って、またも動きを止めたのだ。しかも、抜ける寸前のところで。
「あああっ、嘘っ、つき……! いやあ、動いてぇ!?」
「じゃあ言えばいい、俺が好きだって」
頭が真っ白になって、謙斗の言っていることが分からなかった。先端だけが引っかかっているせいで、空っぽの奥がひくひくと蠢く。ただもう欲しくて、そこを埋めて欲しくて。
「謙斗……お願いぃ」
「ほら、言えよ『好き』って。そしたら、いくらでもいかせてやるぞ?」
「え……?」
「その代わり、言わないならもうやめる」
そう言って、本当に抜こうとするから……私はもう馬鹿になった。
「やだぁ、抜いちゃいやぁ! 言うから、何でも言うからぁ」
「よし、じゃあ言えよ……ほら」
私は泣きながら叫んだ。
「好き、謙斗が好きよっ! やだ、早くぅ!」
「いい子だ」
その後はよく覚えていない。ただもう何度でも声をあげていきまくり、最後はもはやおなじみの気絶で終わったのだと思う……。たぶん。
何が起きたか急には理解出来ず、呆然とする。すると腰を抱えていた手が、さわさわとお尻を撫でた。ぎりぎりまで昇りつめていた私は、そんなわずかな刺激にも反応し、思わず腰をくねらせてしまった。それでも、私の中にいるモノが動く気配はない。
「あ……、はぁ……」
思わず息が漏れてしまった。すると謙斗は再び腰を使い出した。けれど、その動きはひどく緩慢で……まるで焦らされるようでもの足りない。私の中がひくひくと、物欲しげに痙攣するのがわかった。
「ああん、いやぁ」
「何が嫌なんだ?」
「……っ」
「言えないのか?」
そうして謙斗はまた、動きを止めてしまった。やっぱりそう、わざとだ。
「んん……っ、やだ……ねぇ、お願い……」
「おまえと違って、俺はもうジジィだからな。少しは休ませろよ」
「嘘よ、ああ……っ!」
思わず自分から腰を動かしてしまいそうになる。ところが謙斗の両手が、がっちりと私の腰を押さえていて、それも出来ない。
「いやぁ、お願い動いてぇ!」
謙斗のモノが、奥まで入っているのに。私のナカで、いっぱいになっているのに。
焦らされれば焦らされるほど、それしか考えられなくなってきて……。
「うぅ、動いてよぉ……」
「しょうがねぇな」
ぐっと引き抜いて、またねじ込まれた。
「ああああっ!」
身体中の神経がざわめいて、待ちかねた快感に震える。駆け上がるように絶頂感が迫って、ベッドに着いた両手をきつく握った。
それなのに。
「ああっ、いやぁっ!」
信じられないことに、この男は……また動くのを止めた。
何度でも何度でも、私が達しそうになる度に、同じことをされた。寸止めの繰り返しに、私は手足をガクガク震わせて、もういくことしか考えられなくなった。
「やだ、もういや……! いかせてよぉ」
「……そんなにいきたいのか? 真っ赤になって震えて……」
だって、昨日からあんなにいかされまくったのだ。もう身体がそれを覚えてしまっている。
「―――んじゃ、もう逃げないって約束しろよ」
「……え?」
「そうしたら、いかせてやる」
もう、いくことだけでいっぱいで、考えられる状態ではないのだ。本当は、逃げないなんて言いたくない。というか逃げたい。それでも……。ああ、そんなこと言ってる今にも、もう……!
「逃げない、から。ねえ、お願い……!」
「よし、言えたな」
―――ああ、早く……!
謙斗がゆっくりと腰を引いた。次に来るべき快感への期待で、私は思わず息を吸い込んだ。―――それなのに。
「もうひとつ。俺が好きだって言ってみ」
そう言って、またも動きを止めたのだ。しかも、抜ける寸前のところで。
「あああっ、嘘っ、つき……! いやあ、動いてぇ!?」
「じゃあ言えばいい、俺が好きだって」
頭が真っ白になって、謙斗の言っていることが分からなかった。先端だけが引っかかっているせいで、空っぽの奥がひくひくと蠢く。ただもう欲しくて、そこを埋めて欲しくて。
「謙斗……お願いぃ」
「ほら、言えよ『好き』って。そしたら、いくらでもいかせてやるぞ?」
「え……?」
「その代わり、言わないならもうやめる」
そう言って、本当に抜こうとするから……私はもう馬鹿になった。
「やだぁ、抜いちゃいやぁ! 言うから、何でも言うからぁ」
「よし、じゃあ言えよ……ほら」
私は泣きながら叫んだ。
「好き、謙斗が好きよっ! やだ、早くぅ!」
「いい子だ」
その後はよく覚えていない。ただもう何度でも声をあげていきまくり、最後はもはやおなじみの気絶で終わったのだと思う……。たぶん。
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