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第18話 発覚した事実

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 島民たちが恐れていた相手――妖狐アカツキ。
 だが、実際に会って話してみると普通に会話ができるし、知能も高くて話が通じる。この調子なら島民とのわだかまりも解消できるかもしれない。

 ……と、淡い期待を抱いていたが、事態は急変する。

「ったく、性懲りもなくまた来やがったか」
「ま、また来たって、何が?」
「俺をしつこくつけ狙ってくる輩だよ。俺と同じくよその島から入ってきたようだが……ヤツは礼儀ってものを知らないらしい。好き放題暴れ回ってやがる」
「好き放題に暴れ回るって……」

 それは島民たちの証言と一致していた。
 もしかして、実害を与えているのはそいつで、アカツキの姿を目撃した島民が勘違いをしているだけじゃないのか?

 だとしたら、俺が本当になんとかしなくちゃいけないのはアカツキが警戒するそいつだ。

「アカツキ、そのよそ者ってヤツはどこにいるんだ?」
「すぐ近くだ」
「えっ?」
「どうやら縄張りに入ってきたおまえを敵対視しているようだ――ほら、おいでなすったぞ」

 アカツキがそう告げた直後、バキバキと草木をなぎ倒すような音が森に響き渡る。

「な、なんだ!?」
「さっき言っただろう? お目当てのヤツが来たんだよ」
「お目当てって……」

 嫌な汗が頬を伝う。
 さっきの音から想定するに、敵の体長はかなりデカい。こちらとの距離がさらに縮まってくると横揺れまで発生し、さらに汗が噴き出してきた。

「これは……いよいよヤバいかも」

 持ってきた武器を手にするが、果たしてどこまで太刀打ちできるか。
 ――いや、ここで退くわけにはいかない。
 この島の未来のためにも、なんとかそいつを倒さないと。

「来るぞ」

 アカツキが表情を引き締めながら言う――と、目の前にあった木が突然「ドォン!」という衝撃音とともに倒れた。その向こう側から荒い鼻息とともに現れたのは、

「い、猪?」

 超巨大な猪だった。
 そういえば、こいつも島にはいない生物……島民たちには見慣れないのだろう。

「ブオオオオッ!」

 かなり興奮しているようだ。
 さっきアカツキが言っていたが、ここはあの猪の縄張りらしいから、俺を敵対視しているのだろう。

 ……あれ?
 これかなりヤバい状況じゃないか?
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