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4巻
4-2
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会話をしながら一階へ向かうと、複数人でも食卓を囲めるようにと大きめに作ったテーブルにたくさんの料理が並んでいた。
「おぉ、豪勢じゃないか」
「島で育てた野菜に飼育している鶏の卵、さらにお魚やお肉も全部この島のものですからね」と、パトリシア。
まさにラウシュ島フルコースってところか。
食材の豪華さも目につくが、何よりパトリシアとイムの料理の腕が着実に上達しているという点にも感動を覚える。
農場の管理を終えて戻ってきたバリー、カーク、リンダ、ルチアも加わり、大陸側へ渡っているドネルを除けば全メンバーが揃った。
全員が席につき、ようやくディナーが始まる。
「うん! これはうまい!」
「本当ですか! その魚のムニエルはクレールさんにやり方を教わりながら私が作ったんですよ!」
誇らしげに語るパトリシア。
そんな難しい料理にまで挑戦できるほど腕を上げていたとは驚きだ。
「先生、こっちも食べて!」
そう言ってイムが差しだしたのは肉料理。
ふむ。
パトリシアが魚料理でイムが肉料理……なんとなくイメージに合うな。
後はやはりクレールの指導力も高く評価しなければ。
「教え方もよかったみたいだ。感謝するよ、クレール」
「パトリシアちゃんもイムちゃんも熱心でしたからね。教え甲斐がありましたよ」
ここでも一生懸命だったか。
あのひたむきさは俺も見習わないとな。
ふたりの料理を堪能していると、隣から何やら賑やかな声が聞こえてくる。
「ロレッタ、ウェンデル。肉ばかりだけじゃなく野菜も食え」
「あなたたち……もしかしてひとり暮らしをしている時もそんな偏った食生活を?」
ブリッツが言うと、ジャクリーヌもロレッタとウェンデルの二人を呆れ顔で見る。
「肉を食わなくちゃパワーが出ないだろ?」
「そうだよ。ふたり揃って親みたいなこと言わないでよ」
「だ、誰が夫婦ですって!?」
ウェンデルの言葉に過剰反応するジャクリーヌ。
「そうは言ってないんだけどなぁ……」
「ふふふ、このやりとりも変わらないわね」
最後にエリーゼが口にした言葉が、まさに俺の今の気持ちだ。
みんな成長して大人っぽい見た目になったし、個々のレベルは着実に上がっている。それでも、中身はまだまだ学生時代の名残があるように映った。
特にロレッタが合流してから名残がより強くなっていると感じるな。
そもそもこの島に来るまで忙しさもあり、卒業後ほとんど顔を合わせていなかったようだからな。この島はちょうどいい同窓会の機会にもなっているようだ。
楽しい夜の食卓はその後も賑わい続けたのだった。
†
次の日。
王都からの応援が来るまでの間、俺たちで可能な限りの除去作業を続けようということになった。
俺は念のため拠点に残り、農場や港の様子をチェックしつつ今後の対応について考えることに。そのため、作業にはイムとパトリシア、さらに黄金世代と冒険者たちにお願いをしておいた。
彼らを見送った後、早速仕事へ取りかかるため拠点を出た。
まずはなんと言っても――農場だろう。
島へ来た当初、パトリシアやイムと一緒になって作った畑。
それは場所を移し、ふたりの住まいの裏庭に用意された。
ここで栽培される野菜については、当初は商品にするのではなく、俺たちで消費して自給自足にしようと考えていた。
だが想定以上に野菜の育ちが早く、おまけに質もいいときている。
ドネルからの提案もあり、商会を通して王都での販売を計画していた。
昨夜、その話をバリーたちにしたところ、彼らは張りきって今日も早朝から農作業に勤しんでいる。
「カーク! リンダ! ルチア! 王国騎士団の名にかけて、必ずや評判のいい野菜を育てて売るぞ!」
「なんだかだんだんと騎士らしくない方向へ進んでいるような気が……」
「まあまあ。これも立派な任務だよ、カーク。それに農作業っていい筋力トレーニングになると思わない?」
「私もリンダさんと同意見ですね。最初は魔法使いとしての道を外れているような気がしましたが、苦手だった地属性魔法の扱いが上達してきているので、まったく無駄というわけではないと思いますよ」
「た、確かに……体力はついてきたかなぁ」
リーダーであるバリーを中心にして、四人は楽しそうに作業をしていた。
ここは彼らに任せておいて問題ないだろう。
しかし……トレーニングか。
その単語を耳にして真っ先に浮かんできたのはパトシリアとイムだ。
昨日は料理の腕の上達に感激したが、最近では剣術や魔法の鍛錬における成長ぶりも素晴らしい。
俺以外にもブリッツやジャクリーヌといった優秀な師匠――いや、あのふたりの場合は年齢や立場的に先輩って方がしっくりとくるか。
ともかく、ふたりの存在も非常に大きいと俺は考える。
「オーリン先生! ドネルはまだ戻ってきませんか!」
ふたりの可愛い弟子の近況を思い出していると、バリーの叫び声で現実へと引き戻される。
「まだ来ていないようだ。というより、向こうでいろいろと出店に向けた準備をしているだろうから、そうすぐには戻ってこられないんじゃないかな」
「むぅ……それならば仕方ありませんね」
「バリーはせっかちすぎだよ」
リンダの言葉に、俺も賛同する。
「リンダの言う通りだ。それに、向こうで売るのは野菜だけとは限らないし、そっちの準備もしていかないと」
リンダに指摘され、「たはは」と照れ笑いを浮かべるバリー。
そして、カークの言葉はこの島にあるもうひとつの産業を思い出させてくれた。
それは畜産。
現在は鶏を飼育しているが、まだ数羽程度のため農場に比べて規模は小さい。
こっちは生き物を扱うということもあって、農場の野菜よりも応用が利かず、慎重に進めていかなければならない。
ただ、飼育体制が安定すれば畜産にも力を入れていきたい。
今後は牛や羊なども育てていきたいし、森の一部を伐採して歩きやすい道を整備しようと考えているため、馬も用意したい。
そう思うと、こちらもまだまだレベルアップが見込めるな。
後は動物の生態に詳しい人物も招集したいところだが……まあ、その辺は土砂崩れの問題が解決してからでよさそうだな。
産業面といえば、海の存在は欠かせないだろう。
今、職人たちが力を注いでくれているのは港のさらなる整備――ここは大陸側とのやりとりもあるため急ピッチで進められていた。
こちらは職人たちのリーダーであるターナーが中心になってくれている。
時折、王都にある造船所のマリン所長を招き、何やらいろいろと話し合っていた。
船を利用した物資運搬のさらなる効率化を目指しているらしい。
あと、やはりこれほどの海原を見ていたら漁業にも力を入れたいというのが俺とターナーの共通認識だ。
実際、エストラーダ王都にある港には漁師がたくさんおり、水揚げされた早朝なんかは大変な賑わいを見せている。あれほどの規模でなくてもいいが、この島で漁業が成り立たないか試してみる価値はあると思った。
ひと通り回り、執務室へ戻ってくると、まるでタイミングを計っていたかのごとくグローバーから水晶を通して連絡が入る。
『オーリン先生、今お時間よろしいでしょうか』
「大丈夫だが、何かあったのか?」
『いえ、例の土砂除去のための人員が今日の午後にそちらへ到着しますので、その報告を』
「そうか。無理を言ってしまってすまないな」
『いえいえ。今度、俺もそちらへ様子を見にうかがいますね』
「ぜひ来てくれ。ブリッツたちも喜ぶよ」
『ありがとうございます。では、これで失礼します』
若いながらもすでにエストラーダ王国騎士団の中では上の地位についているグローバー。
忙しいだろうに、俺たちを気にかけてよく連絡をくれる……律儀な性格だな。
その後は午後の時間を使って村の産業に関する今後の方針をまとめていたのだが……想像していたよりも視野は広く持てそうだという結論にたどり着く。
それらを完璧にこなせるようになれば、大陸側とこの島の距離は一気に縮まるだろう。
実現のためには何よりもまずはこの島の謎を解くことだな。
何もかもか謎だらけのラウシュ島……実は、パジル村の人々が居住していること以外で明確に分かったことはひとつもなかった――ただ、少しずつではあるものの、全容の輪郭くらいはうっすらと発覚しつつある。
後はまだ調査の及んでいない地域へ進むだけだが、それを実現させるには万全の準備と人員が必要になってくる。
「さて……どこまで分かることやら今後の調査が、この島とエストラーダの未来に大きく関わる。
まだまだ課題だらけではあるが、それだけは断言できた。
†
その日の午後。
クレールが用意してくれた昼食を食べ終えると、外で軽く運動をしていたら海の向こうに船が見えた。
「あれか」
グローバーが手配してくれた土砂対策の専門家たちを乗せた船だろう。
クレールと共に港へと移動し、ターナーたちにも連絡を取って彼らを迎え入れた。
先頭を切って島に上陸したのは、大柄でスキンヘッドの男性だった。
「初めまして。地形学の専門家として、王国の環境管理を任されているラドニー・ヤートムです」
「ラウシュ島調査団のリーダーを務めます、オーリン・エドワースと言います」
「おぉ、あなたが噂に名高いギアディスの賢者様でしたか」
「昔の話ですよ。ラドニーさんは元エストラーダ騎士団の方だそうで」
「ははは。それこそ昔話ですな。今はもう引退して第二の道を進んでいる真っ最中ですよ」
俺とラドニーさんは握手を交わしながら軽く自己紹介をする。
それから彼の部下が船から土砂の除去作業に必要な積み荷をおろしている間、この島についての注意事項などを伝えておいた。
大陸側の人間にまだ慣れていないパジル村の人たちとかもいるしな。
「ラドニーさんはエストラーダの出身ですか?」
「えぇ。生まれも育ちもエストラーダです。なので、今日は幼い頃からずっと気になっていたこの島に足を踏み入れることができて年甲斐もなく気分が高まっていますよ」
以前、クレールも似たようなことを言っていたな。
「現場はここから遠いんですか?」
「歩いて一時間ほどでしょうか」
「ふぅむ……出発の準備にかかる時間も考慮すれば、本格的な土砂の撤去作業は明日からになりそうですな」
すでに昼過ぎだし、日が暮れて視界が悪くなってからの作業は危険だ。
彼らにはリスクを極力減らして万全の状態で作業に取り組んでもらいたいため、その予定を受け入れた。
ターナーたち職人とも協力して荷物をおろし、それらを馬車の荷台に載せて出発。
長い時間をかけて移動し、ついに例の土砂崩れ現場へと到着。
「これは……かなりの規模ですな」
現場をひと通り見てまわったラドニーさんがそう告げる。プロが見ても相当ひどい有り様ってわけか。こちらも作業には時間がかかりそうだな。
すると、ここでロレッタがラドニーさんへ質問する。
「この近くにダンジョンがあるのですが、そこを探索することは可能だと思いますか?」
「ダンジョンか。見たところ冒険者のようだが……悪いことは言わない。やめておいた方がいいだろう」
ラドニーさんはキッパリと言いきった。
「ダンジョン内部がこの辺りまで通じている可能性もある。最悪の場合、内部で崩落でも起きたら大惨事に繋がりかねないからな。リスクを負う危険性については冒険者である以上知っているだろう?」
「もちろんです……では、やはり断念せざるを得ないですね」
平静を装っているのだろうが、表情からは無念さが滲み出ている。
ロレッタは、俺たちだけでは攻略が難しそうなこの島のダンジョンを調べてもらおうと呼んできたわけだが、まさかこのような事態になるなんて。ロレッタには悪いことをしてしまったな。
「すまないな、ロレッタ。せっかく来てもらったのに」
「気にしないでくださいよ、先生。みんなにも会えましたし、今後二度と足を踏み入れられないというわけじゃないんですから」
ロレッタはそうフォローを入れてくれた。
ラドニーさんも、土砂の除去作業が終わり次第、職人たち数人と共にダンジョンへと入って内部を調査するという。
その際、ロレッタと数人の冒険者が同行することになった。
「ラドニーさんや君たちがいるなら、調査では頼もしい限りだな、ロレッタ」
「これくらい御安い御用ですよ。それより、これからどうします?」
冒険者たちは探索する場所であるダンジョンを土砂崩れによって奪われる形となり、手が空いている。
そこでロレッタを中心に据え、ラドニーさんたちの手伝いに回ってもらうことにした。
ただ、彼らは冒険者としてこの島に来ているため、不満も出るだろう。
それを想定し、俺は彼らを集め、代表者として説明をする。
「みんな、集まってもらって申し訳ないが……しばらくダンジョンへは入れそうにない」
怒号が飛び交うことも覚悟していたが、そこはロレッタを慕う冒険者たち。
突然の事態にもまったく動じていなかった。
「作業は俺たちも手伝いますぜ!」
「さっさと終わらせて、ダンジョンに行こう!」
「そうと決まったら早速作業開始だぁ!」
「ああ、頼むよ」
「「「「「おぉ!」」」」」
冒険者たちはみんな協力的だった。
これもすべてはロレッタの日頃の行いがよかったからだろうな。
意欲満々の冒険者たちに対し、先行していたウェンデルが「作業をするならこいつを使ってくれないかな」とアイテムを渡して言った。
「ウェンデル、それはどんなアイテムなんだ?」
見た目は土砂などをかきだすためのスコップなのだが……あのウェンデルお手製ということは必ずどこかに仕掛けがあるのだろう。
実際にひとりの冒険者がスコップを持って地面に差し込んでみると、その違いに目を丸くしていた。
「め、めちゃくちゃ土が軽い!? どうなっているんだ!?」
「作る時にちょっとね」
さすがは王国でも屈指の魔道具技師。
今回もいい仕事をしてくれたようだ。
しかし、そのスコップは素材不足もあって三つしか作れなかったという。
なので、冒険者たちの中でもパワーに自信のない、いわゆるスピードタイプの者にスコップを使ってもらい、大半のパワー自慢にはそのまま挑戦してもらうことにした。
彼らは文句のひとつも言わず、自分のやるべきことをキッチリ丁寧にこなしていく。
せっかく冒険者としての専門職で力を発揮してもらおうとしたのだが……申し訳なさを感じつつ、俺は他のメンバーにも今後の行動について伝え、ラドニーさんたちの指示に従いながら作業を進めていく。
それからしばらく作業を進めていると、ラドニーさんが大量に積まれた土砂の中から何かを発見する。
「おや? これは……」
それを手に取り、不思議そうに眺めていたので俺もチェックしてみることに。
どうやら例の魔法文字が書かれた本ではないようだ。
「オーリン先生、こいつはなんだと思います?」
「うーん……木材のようですね」
明らかに人の手によって加工された木材が、土砂の中に紛れていた。この日は職人であり、建築分野の専門家でもあるターナーも援護に来てくれていたので早速これを彼の元へと持っていき、分析してもらうことに。
「これは……形状やサイズから察するに、おそらく家屋に使われていたものではないでしょうか」
「やはりそうか」
「でも、これってこの辺りではあまり普及していない工法ですよ。大陸内でもごく一部の国でしか使用されていません」
さすがは若き天才職人。
木材ひとつでそこまで分かるのか……俺たちだけでは気付けなかった事実だな。
ただ、これで土砂崩れが発生する前、この近辺に建築物が存在していたのは確定した。おまけにターナーの話ではかなり限定的な工法であるらしい。
ここから、なんとかこの島にいたとされる者たちの正体に近づけないだろうか。
あの難破船も、以前発見した記念硬貨も、この島に潜んでいると思われる「謎の存在」の正体を確定させるには至らなかった。
分かったのはレゾン王国元副騎士団長のオズボーン・リデアという人物の名前のみ。
彼がどのようにこの島と絡んでいたのか、その決定的な理由についてはまだ何も分かってはいない。
もしかしたら、今回発見された本やその家屋とやらも、オズボーン・リデアに関するものではないだろうか。
「オーリン先生、どうかしましたか? 顔色が悪いです」
「い、いや、なんでもないよ、パトリシア」
「……本当ですか?」
俺の体調不良を疑っているな、パトリシア。
そういえば、ギアディスで教師をしていた頃、熱があるけど無理して仕事をしていたら彼女に怒られた時があったな。
「俺なら本当に心配ないよ。ちょっとこの下にあったとされる家屋について考えていただけだからね」
「そ、そうだったんですね。よかった……どこか怪我でもされているのではないかと心配になりましたよ」
「おいおい、俺はそんなにヤワじゃないぞ? パトリシアも知っているだろう?」
「そ、それはそうなんですけど……」
言い返されてムッと頬を膨らませるパトリシア。
これ以上いじめるのはよろしくないな。
「土砂の除去作業を続けよう。もしかしたら……この島の謎を解く大きなヒントが眠っているかもしれない」
俺の呼びかけに、パトリシアは静かに頷き、他のみんなも作業へと戻っていく。
果たして、この土砂の下には何が埋まっているのか。
その正体を突きとめるため、俺たちも全力で作業へと当たった。
「おぉ、豪勢じゃないか」
「島で育てた野菜に飼育している鶏の卵、さらにお魚やお肉も全部この島のものですからね」と、パトリシア。
まさにラウシュ島フルコースってところか。
食材の豪華さも目につくが、何よりパトリシアとイムの料理の腕が着実に上達しているという点にも感動を覚える。
農場の管理を終えて戻ってきたバリー、カーク、リンダ、ルチアも加わり、大陸側へ渡っているドネルを除けば全メンバーが揃った。
全員が席につき、ようやくディナーが始まる。
「うん! これはうまい!」
「本当ですか! その魚のムニエルはクレールさんにやり方を教わりながら私が作ったんですよ!」
誇らしげに語るパトリシア。
そんな難しい料理にまで挑戦できるほど腕を上げていたとは驚きだ。
「先生、こっちも食べて!」
そう言ってイムが差しだしたのは肉料理。
ふむ。
パトリシアが魚料理でイムが肉料理……なんとなくイメージに合うな。
後はやはりクレールの指導力も高く評価しなければ。
「教え方もよかったみたいだ。感謝するよ、クレール」
「パトリシアちゃんもイムちゃんも熱心でしたからね。教え甲斐がありましたよ」
ここでも一生懸命だったか。
あのひたむきさは俺も見習わないとな。
ふたりの料理を堪能していると、隣から何やら賑やかな声が聞こえてくる。
「ロレッタ、ウェンデル。肉ばかりだけじゃなく野菜も食え」
「あなたたち……もしかしてひとり暮らしをしている時もそんな偏った食生活を?」
ブリッツが言うと、ジャクリーヌもロレッタとウェンデルの二人を呆れ顔で見る。
「肉を食わなくちゃパワーが出ないだろ?」
「そうだよ。ふたり揃って親みたいなこと言わないでよ」
「だ、誰が夫婦ですって!?」
ウェンデルの言葉に過剰反応するジャクリーヌ。
「そうは言ってないんだけどなぁ……」
「ふふふ、このやりとりも変わらないわね」
最後にエリーゼが口にした言葉が、まさに俺の今の気持ちだ。
みんな成長して大人っぽい見た目になったし、個々のレベルは着実に上がっている。それでも、中身はまだまだ学生時代の名残があるように映った。
特にロレッタが合流してから名残がより強くなっていると感じるな。
そもそもこの島に来るまで忙しさもあり、卒業後ほとんど顔を合わせていなかったようだからな。この島はちょうどいい同窓会の機会にもなっているようだ。
楽しい夜の食卓はその後も賑わい続けたのだった。
†
次の日。
王都からの応援が来るまでの間、俺たちで可能な限りの除去作業を続けようということになった。
俺は念のため拠点に残り、農場や港の様子をチェックしつつ今後の対応について考えることに。そのため、作業にはイムとパトリシア、さらに黄金世代と冒険者たちにお願いをしておいた。
彼らを見送った後、早速仕事へ取りかかるため拠点を出た。
まずはなんと言っても――農場だろう。
島へ来た当初、パトリシアやイムと一緒になって作った畑。
それは場所を移し、ふたりの住まいの裏庭に用意された。
ここで栽培される野菜については、当初は商品にするのではなく、俺たちで消費して自給自足にしようと考えていた。
だが想定以上に野菜の育ちが早く、おまけに質もいいときている。
ドネルからの提案もあり、商会を通して王都での販売を計画していた。
昨夜、その話をバリーたちにしたところ、彼らは張りきって今日も早朝から農作業に勤しんでいる。
「カーク! リンダ! ルチア! 王国騎士団の名にかけて、必ずや評判のいい野菜を育てて売るぞ!」
「なんだかだんだんと騎士らしくない方向へ進んでいるような気が……」
「まあまあ。これも立派な任務だよ、カーク。それに農作業っていい筋力トレーニングになると思わない?」
「私もリンダさんと同意見ですね。最初は魔法使いとしての道を外れているような気がしましたが、苦手だった地属性魔法の扱いが上達してきているので、まったく無駄というわけではないと思いますよ」
「た、確かに……体力はついてきたかなぁ」
リーダーであるバリーを中心にして、四人は楽しそうに作業をしていた。
ここは彼らに任せておいて問題ないだろう。
しかし……トレーニングか。
その単語を耳にして真っ先に浮かんできたのはパトシリアとイムだ。
昨日は料理の腕の上達に感激したが、最近では剣術や魔法の鍛錬における成長ぶりも素晴らしい。
俺以外にもブリッツやジャクリーヌといった優秀な師匠――いや、あのふたりの場合は年齢や立場的に先輩って方がしっくりとくるか。
ともかく、ふたりの存在も非常に大きいと俺は考える。
「オーリン先生! ドネルはまだ戻ってきませんか!」
ふたりの可愛い弟子の近況を思い出していると、バリーの叫び声で現実へと引き戻される。
「まだ来ていないようだ。というより、向こうでいろいろと出店に向けた準備をしているだろうから、そうすぐには戻ってこられないんじゃないかな」
「むぅ……それならば仕方ありませんね」
「バリーはせっかちすぎだよ」
リンダの言葉に、俺も賛同する。
「リンダの言う通りだ。それに、向こうで売るのは野菜だけとは限らないし、そっちの準備もしていかないと」
リンダに指摘され、「たはは」と照れ笑いを浮かべるバリー。
そして、カークの言葉はこの島にあるもうひとつの産業を思い出させてくれた。
それは畜産。
現在は鶏を飼育しているが、まだ数羽程度のため農場に比べて規模は小さい。
こっちは生き物を扱うということもあって、農場の野菜よりも応用が利かず、慎重に進めていかなければならない。
ただ、飼育体制が安定すれば畜産にも力を入れていきたい。
今後は牛や羊なども育てていきたいし、森の一部を伐採して歩きやすい道を整備しようと考えているため、馬も用意したい。
そう思うと、こちらもまだまだレベルアップが見込めるな。
後は動物の生態に詳しい人物も招集したいところだが……まあ、その辺は土砂崩れの問題が解決してからでよさそうだな。
産業面といえば、海の存在は欠かせないだろう。
今、職人たちが力を注いでくれているのは港のさらなる整備――ここは大陸側とのやりとりもあるため急ピッチで進められていた。
こちらは職人たちのリーダーであるターナーが中心になってくれている。
時折、王都にある造船所のマリン所長を招き、何やらいろいろと話し合っていた。
船を利用した物資運搬のさらなる効率化を目指しているらしい。
あと、やはりこれほどの海原を見ていたら漁業にも力を入れたいというのが俺とターナーの共通認識だ。
実際、エストラーダ王都にある港には漁師がたくさんおり、水揚げされた早朝なんかは大変な賑わいを見せている。あれほどの規模でなくてもいいが、この島で漁業が成り立たないか試してみる価値はあると思った。
ひと通り回り、執務室へ戻ってくると、まるでタイミングを計っていたかのごとくグローバーから水晶を通して連絡が入る。
『オーリン先生、今お時間よろしいでしょうか』
「大丈夫だが、何かあったのか?」
『いえ、例の土砂除去のための人員が今日の午後にそちらへ到着しますので、その報告を』
「そうか。無理を言ってしまってすまないな」
『いえいえ。今度、俺もそちらへ様子を見にうかがいますね』
「ぜひ来てくれ。ブリッツたちも喜ぶよ」
『ありがとうございます。では、これで失礼します』
若いながらもすでにエストラーダ王国騎士団の中では上の地位についているグローバー。
忙しいだろうに、俺たちを気にかけてよく連絡をくれる……律儀な性格だな。
その後は午後の時間を使って村の産業に関する今後の方針をまとめていたのだが……想像していたよりも視野は広く持てそうだという結論にたどり着く。
それらを完璧にこなせるようになれば、大陸側とこの島の距離は一気に縮まるだろう。
実現のためには何よりもまずはこの島の謎を解くことだな。
何もかもか謎だらけのラウシュ島……実は、パジル村の人々が居住していること以外で明確に分かったことはひとつもなかった――ただ、少しずつではあるものの、全容の輪郭くらいはうっすらと発覚しつつある。
後はまだ調査の及んでいない地域へ進むだけだが、それを実現させるには万全の準備と人員が必要になってくる。
「さて……どこまで分かることやら今後の調査が、この島とエストラーダの未来に大きく関わる。
まだまだ課題だらけではあるが、それだけは断言できた。
†
その日の午後。
クレールが用意してくれた昼食を食べ終えると、外で軽く運動をしていたら海の向こうに船が見えた。
「あれか」
グローバーが手配してくれた土砂対策の専門家たちを乗せた船だろう。
クレールと共に港へと移動し、ターナーたちにも連絡を取って彼らを迎え入れた。
先頭を切って島に上陸したのは、大柄でスキンヘッドの男性だった。
「初めまして。地形学の専門家として、王国の環境管理を任されているラドニー・ヤートムです」
「ラウシュ島調査団のリーダーを務めます、オーリン・エドワースと言います」
「おぉ、あなたが噂に名高いギアディスの賢者様でしたか」
「昔の話ですよ。ラドニーさんは元エストラーダ騎士団の方だそうで」
「ははは。それこそ昔話ですな。今はもう引退して第二の道を進んでいる真っ最中ですよ」
俺とラドニーさんは握手を交わしながら軽く自己紹介をする。
それから彼の部下が船から土砂の除去作業に必要な積み荷をおろしている間、この島についての注意事項などを伝えておいた。
大陸側の人間にまだ慣れていないパジル村の人たちとかもいるしな。
「ラドニーさんはエストラーダの出身ですか?」
「えぇ。生まれも育ちもエストラーダです。なので、今日は幼い頃からずっと気になっていたこの島に足を踏み入れることができて年甲斐もなく気分が高まっていますよ」
以前、クレールも似たようなことを言っていたな。
「現場はここから遠いんですか?」
「歩いて一時間ほどでしょうか」
「ふぅむ……出発の準備にかかる時間も考慮すれば、本格的な土砂の撤去作業は明日からになりそうですな」
すでに昼過ぎだし、日が暮れて視界が悪くなってからの作業は危険だ。
彼らにはリスクを極力減らして万全の状態で作業に取り組んでもらいたいため、その予定を受け入れた。
ターナーたち職人とも協力して荷物をおろし、それらを馬車の荷台に載せて出発。
長い時間をかけて移動し、ついに例の土砂崩れ現場へと到着。
「これは……かなりの規模ですな」
現場をひと通り見てまわったラドニーさんがそう告げる。プロが見ても相当ひどい有り様ってわけか。こちらも作業には時間がかかりそうだな。
すると、ここでロレッタがラドニーさんへ質問する。
「この近くにダンジョンがあるのですが、そこを探索することは可能だと思いますか?」
「ダンジョンか。見たところ冒険者のようだが……悪いことは言わない。やめておいた方がいいだろう」
ラドニーさんはキッパリと言いきった。
「ダンジョン内部がこの辺りまで通じている可能性もある。最悪の場合、内部で崩落でも起きたら大惨事に繋がりかねないからな。リスクを負う危険性については冒険者である以上知っているだろう?」
「もちろんです……では、やはり断念せざるを得ないですね」
平静を装っているのだろうが、表情からは無念さが滲み出ている。
ロレッタは、俺たちだけでは攻略が難しそうなこの島のダンジョンを調べてもらおうと呼んできたわけだが、まさかこのような事態になるなんて。ロレッタには悪いことをしてしまったな。
「すまないな、ロレッタ。せっかく来てもらったのに」
「気にしないでくださいよ、先生。みんなにも会えましたし、今後二度と足を踏み入れられないというわけじゃないんですから」
ロレッタはそうフォローを入れてくれた。
ラドニーさんも、土砂の除去作業が終わり次第、職人たち数人と共にダンジョンへと入って内部を調査するという。
その際、ロレッタと数人の冒険者が同行することになった。
「ラドニーさんや君たちがいるなら、調査では頼もしい限りだな、ロレッタ」
「これくらい御安い御用ですよ。それより、これからどうします?」
冒険者たちは探索する場所であるダンジョンを土砂崩れによって奪われる形となり、手が空いている。
そこでロレッタを中心に据え、ラドニーさんたちの手伝いに回ってもらうことにした。
ただ、彼らは冒険者としてこの島に来ているため、不満も出るだろう。
それを想定し、俺は彼らを集め、代表者として説明をする。
「みんな、集まってもらって申し訳ないが……しばらくダンジョンへは入れそうにない」
怒号が飛び交うことも覚悟していたが、そこはロレッタを慕う冒険者たち。
突然の事態にもまったく動じていなかった。
「作業は俺たちも手伝いますぜ!」
「さっさと終わらせて、ダンジョンに行こう!」
「そうと決まったら早速作業開始だぁ!」
「ああ、頼むよ」
「「「「「おぉ!」」」」」
冒険者たちはみんな協力的だった。
これもすべてはロレッタの日頃の行いがよかったからだろうな。
意欲満々の冒険者たちに対し、先行していたウェンデルが「作業をするならこいつを使ってくれないかな」とアイテムを渡して言った。
「ウェンデル、それはどんなアイテムなんだ?」
見た目は土砂などをかきだすためのスコップなのだが……あのウェンデルお手製ということは必ずどこかに仕掛けがあるのだろう。
実際にひとりの冒険者がスコップを持って地面に差し込んでみると、その違いに目を丸くしていた。
「め、めちゃくちゃ土が軽い!? どうなっているんだ!?」
「作る時にちょっとね」
さすがは王国でも屈指の魔道具技師。
今回もいい仕事をしてくれたようだ。
しかし、そのスコップは素材不足もあって三つしか作れなかったという。
なので、冒険者たちの中でもパワーに自信のない、いわゆるスピードタイプの者にスコップを使ってもらい、大半のパワー自慢にはそのまま挑戦してもらうことにした。
彼らは文句のひとつも言わず、自分のやるべきことをキッチリ丁寧にこなしていく。
せっかく冒険者としての専門職で力を発揮してもらおうとしたのだが……申し訳なさを感じつつ、俺は他のメンバーにも今後の行動について伝え、ラドニーさんたちの指示に従いながら作業を進めていく。
それからしばらく作業を進めていると、ラドニーさんが大量に積まれた土砂の中から何かを発見する。
「おや? これは……」
それを手に取り、不思議そうに眺めていたので俺もチェックしてみることに。
どうやら例の魔法文字が書かれた本ではないようだ。
「オーリン先生、こいつはなんだと思います?」
「うーん……木材のようですね」
明らかに人の手によって加工された木材が、土砂の中に紛れていた。この日は職人であり、建築分野の専門家でもあるターナーも援護に来てくれていたので早速これを彼の元へと持っていき、分析してもらうことに。
「これは……形状やサイズから察するに、おそらく家屋に使われていたものではないでしょうか」
「やはりそうか」
「でも、これってこの辺りではあまり普及していない工法ですよ。大陸内でもごく一部の国でしか使用されていません」
さすがは若き天才職人。
木材ひとつでそこまで分かるのか……俺たちだけでは気付けなかった事実だな。
ただ、これで土砂崩れが発生する前、この近辺に建築物が存在していたのは確定した。おまけにターナーの話ではかなり限定的な工法であるらしい。
ここから、なんとかこの島にいたとされる者たちの正体に近づけないだろうか。
あの難破船も、以前発見した記念硬貨も、この島に潜んでいると思われる「謎の存在」の正体を確定させるには至らなかった。
分かったのはレゾン王国元副騎士団長のオズボーン・リデアという人物の名前のみ。
彼がどのようにこの島と絡んでいたのか、その決定的な理由についてはまだ何も分かってはいない。
もしかしたら、今回発見された本やその家屋とやらも、オズボーン・リデアに関するものではないだろうか。
「オーリン先生、どうかしましたか? 顔色が悪いです」
「い、いや、なんでもないよ、パトリシア」
「……本当ですか?」
俺の体調不良を疑っているな、パトリシア。
そういえば、ギアディスで教師をしていた頃、熱があるけど無理して仕事をしていたら彼女に怒られた時があったな。
「俺なら本当に心配ないよ。ちょっとこの下にあったとされる家屋について考えていただけだからね」
「そ、そうだったんですね。よかった……どこか怪我でもされているのではないかと心配になりましたよ」
「おいおい、俺はそんなにヤワじゃないぞ? パトリシアも知っているだろう?」
「そ、それはそうなんですけど……」
言い返されてムッと頬を膨らませるパトリシア。
これ以上いじめるのはよろしくないな。
「土砂の除去作業を続けよう。もしかしたら……この島の謎を解く大きなヒントが眠っているかもしれない」
俺の呼びかけに、パトリシアは静かに頷き、他のみんなも作業へと戻っていく。
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