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第265話 王立学園へ
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翌日。
俺とシルヴィア、それから急遽同行が決まった(本人の強い希望により)テスラさんの三人は、早朝からアルヴァロ王都へ向けて出発する。
今回の目的は王立学園の視察。
俺が領主を務めるジェロム地方に新しく学校を設立しようと思い立ち、その参考に実際の学園がどのようなものであるか、話を聞こうと思っていた。
幸い、シルヴィアの知人という女性教師が学園で教師をしているということもあり、まずはその人に会うつもりだ。
「さて、今回も頼むぞ、マック」
「メェ~」
相棒のマックに荷台を引っ張ってもらいながら、俺たちは王都へ向けてジェロム地方を発った。
――数時間後。
たどり着いた王都は相変わらず賑やかだった。
最近はジェロム地方も人が増えたけど、さすがに王都と比べてしまうとまだまだ少ないよなぁ。
まだまだ発展途上って感じだし、これからしっかり盛り上げていかないと。
そのためには、学校の存在も大切になってくるだろう。
マックも一緒になって進む先は、王都の喧騒から少し離れた位置にある場所。
そこからは学園の敷地内となる。
まずは学園正門わきにある守衛さんに話をしなければ。
「あの、すいません」
「うん? 来客の方ですかな?」
「はい。アンジェラ・マクニコル先生に用がありまして」
「ああ、うかがっておりますよ。ジェロム地方の領主様で?」
「そうです。ロイス・アインレットです」
俺は個人を証明するため、指先に魔力を集中。そのまま、守衛さんの持ってきた特殊な紙に指を押し当てると、模様が浮かび上がった。
これは魔紋と呼ばれるもので、魔力の流れを表している。この魔力の流れというのは個人によって違うらしく、相手を特定する際に用いられるのだ。言ってみれば指紋の魔力バージョンってわけだ。
これにより、俺が本物のロイス・アインレットであると証明され、学園内へ足を踏み入れることが許可された。
俺やシルヴィアは一応貴族だから、学園側にも俺たちの魔紋のサンプルがある。テスラさんはメイドということでパスできた。
こうして、初めて学園という施設に入ったわけだが、
「「おぉ……」」
俺とシルヴィアは感嘆の声をあげる。
広い。
大きい。
美しい。
シンプルな感想が頭の中をグルグルと駆け巡っている。まるで城の中庭のごとく手入れの行き届いた庭園に、白を基調とした大きな校舎。まさに理想的な学び舎と言えた。
さすがに、ジェロム地方ではここまで大規模な校舎は用意できないだろうけど、構造とか、その他の面で参考とすべき点は多そうだ。
しばらく学園全体の空気に浸っていると、
「こんにちは。今日はよろしくお願いしますね」
こちらへ声をかけてきた女性が。
すると、
「アンジェラ先生!」
シルヴィアが嬉しそうに女性へと駆け寄る。
なるほど。
彼女が学園で教師をしているというアンジェラさんか。
俺とシルヴィア、それから急遽同行が決まった(本人の強い希望により)テスラさんの三人は、早朝からアルヴァロ王都へ向けて出発する。
今回の目的は王立学園の視察。
俺が領主を務めるジェロム地方に新しく学校を設立しようと思い立ち、その参考に実際の学園がどのようなものであるか、話を聞こうと思っていた。
幸い、シルヴィアの知人という女性教師が学園で教師をしているということもあり、まずはその人に会うつもりだ。
「さて、今回も頼むぞ、マック」
「メェ~」
相棒のマックに荷台を引っ張ってもらいながら、俺たちは王都へ向けてジェロム地方を発った。
――数時間後。
たどり着いた王都は相変わらず賑やかだった。
最近はジェロム地方も人が増えたけど、さすがに王都と比べてしまうとまだまだ少ないよなぁ。
まだまだ発展途上って感じだし、これからしっかり盛り上げていかないと。
そのためには、学校の存在も大切になってくるだろう。
マックも一緒になって進む先は、王都の喧騒から少し離れた位置にある場所。
そこからは学園の敷地内となる。
まずは学園正門わきにある守衛さんに話をしなければ。
「あの、すいません」
「うん? 来客の方ですかな?」
「はい。アンジェラ・マクニコル先生に用がありまして」
「ああ、うかがっておりますよ。ジェロム地方の領主様で?」
「そうです。ロイス・アインレットです」
俺は個人を証明するため、指先に魔力を集中。そのまま、守衛さんの持ってきた特殊な紙に指を押し当てると、模様が浮かび上がった。
これは魔紋と呼ばれるもので、魔力の流れを表している。この魔力の流れというのは個人によって違うらしく、相手を特定する際に用いられるのだ。言ってみれば指紋の魔力バージョンってわけだ。
これにより、俺が本物のロイス・アインレットであると証明され、学園内へ足を踏み入れることが許可された。
俺やシルヴィアは一応貴族だから、学園側にも俺たちの魔紋のサンプルがある。テスラさんはメイドということでパスできた。
こうして、初めて学園という施設に入ったわけだが、
「「おぉ……」」
俺とシルヴィアは感嘆の声をあげる。
広い。
大きい。
美しい。
シンプルな感想が頭の中をグルグルと駆け巡っている。まるで城の中庭のごとく手入れの行き届いた庭園に、白を基調とした大きな校舎。まさに理想的な学び舎と言えた。
さすがに、ジェロム地方ではここまで大規模な校舎は用意できないだろうけど、構造とか、その他の面で参考とすべき点は多そうだ。
しばらく学園全体の空気に浸っていると、
「こんにちは。今日はよろしくお願いしますね」
こちらへ声をかけてきた女性が。
すると、
「アンジェラ先生!」
シルヴィアが嬉しそうに女性へと駆け寄る。
なるほど。
彼女が学園で教師をしているというアンジェラさんか。
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