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第310話 霊峰ガンティアへの挑戦
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突然持ち上がった、俺とシルヴィアの婚約破棄問題。
頑固な父上はそう簡単に自分の言葉をひっくり返さない――と、不安だったが、思わぬ援軍によってそれは解消された。
ジェロム地方までの帰り道で、俺はシルヴィアに加えてテスラさん、さらにはダイールさんやレオニーさんを交えて今後のプランについて話し合った。
プランというのは、当然俺とシルヴィアの結婚式である。
ただ、それをするより先に成し遂げなければならないことがひとつ残っている。
それは――
「シルヴィアとの結婚式を迎えるより先に、霊峰ガンティアを踏破する」
であった。
マックの引っ張る馬車の中でそう宣言すると、シルヴィアは「私もついていく」と賛同してくれた。これは前々からふたりで話し合って決めていたことなので、このまま実行するつもりでいる。
テスラさんたちも、俺たちの意向を汲んでくれた。
今までたくさんの困難があったけど……そのすべてに霊峰ガンティアが絡んでいる。ジェロム地方の象徴とも言うべきあの山の頂上へたどり着き、そこからの景色を一望してこそ俺は真の領主になれると思っていたのだ。
ふと視線を外へ向けると、霊峰ガンティアが見えた。
「この距離からでもハッキリ見えるんだなぁ……」
まだまだジェロム地方までの道のりは長いのに、霊峰ガンティアはしっかり自分の存在を主張している。あれだけ高い山のてっぺんから眺める景色というのは一体どんなものなのか……好奇心をくすぐられるな。
とはいえ、相手はめちゃくちゃ標高の高い山だ。
おまけに頂上へ近づくほど天候は荒れだし、吹雪や雪崩の危険性もある。
もちろん、準備は万全に備えていくし、登山でも有用そうな無属性魔法はバシバシ覚えていくつもりでいる。頂上へ登る手前には拠点となるための村も作ったし、着々と踏破への道はできつつあった。
「挑戦はいつ頃をお考えですか?」
何気ないテスラさんからの質問。
具体的な時期だけど……そうだな。
「一か月後……それまでにしっかりと準備して、霊峰ガンティアとの最後の勝負をするつもりだよ」
恐らく、これまで戦ってきたモンスターや悪党よりもずっと手強い相手になるだろう。
それでも、ジェロム地方の真の領主となるためには避けて通れない道だ。
「頑張ろう、ロイス」
「ああ。必ず踏破しよう」
シルヴィアと手を握り合い、意気込みを語る。
いよいよ最終決戦が始まろうとしていた。
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ただ、それをするより先に成し遂げなければならないことがひとつ残っている。
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であった。
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ふと視線を外へ向けると、霊峰ガンティアが見えた。
「この距離からでもハッキリ見えるんだなぁ……」
まだまだジェロム地方までの道のりは長いのに、霊峰ガンティアはしっかり自分の存在を主張している。あれだけ高い山のてっぺんから眺める景色というのは一体どんなものなのか……好奇心をくすぐられるな。
とはいえ、相手はめちゃくちゃ標高の高い山だ。
おまけに頂上へ近づくほど天候は荒れだし、吹雪や雪崩の危険性もある。
もちろん、準備は万全に備えていくし、登山でも有用そうな無属性魔法はバシバシ覚えていくつもりでいる。頂上へ登る手前には拠点となるための村も作ったし、着々と踏破への道はできつつあった。
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具体的な時期だけど……そうだな。
「一か月後……それまでにしっかりと準備して、霊峰ガンティアとの最後の勝負をするつもりだよ」
恐らく、これまで戦ってきたモンスターや悪党よりもずっと手強い相手になるだろう。
それでも、ジェロム地方の真の領主となるためには避けて通れない道だ。
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