天才中学生高過ぎる知力で理不尽をぶっ飛ばす!

yoshikazu

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第57話 帝国からの招待

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『ハヤト!お前はいつもこんな美味いもの食べているのか?!』
結局、昨日は泊まったデンバーとチェイス。
朝ごはんを食べて感動している。

『お前ら今日は帰るのか?』
嫌味たっぷりで聞いてみる。

デンバーは胸に手を置く。
『ゴフッ!うっ!ハヤト殿から受けた傷が・・・・し、しばらく養生しなくては・・・』 チラッ・・・。

ふっ、そう来たか・・・。まあ、想定内だな。まあ、好きにさせておくか。

『そうか、それならしばらく居たらいい。
その代わり必要な時は手を貸せよ?』

『ふん!任せておけ!これ美味い!これ美味い!』
相変わらず情緒不安定だ。

『ハヤト様、よろしいでしょうか?』
アルノーが声をかける。

『あぁ、いいよ。何かあった?』
『王宮から使いの者が来ております。』

まあ、早かったな。あちらさんは、もう悪巧みを考えたと言うことか・・・。

『分かった部屋に通してくれ。』

部屋に入ると緊張気味の使者と護衛のカルメンがいた。

『おっ!騎士団長直々の護衛とは気合いがはいってるな!』
笑いながら冷やかしてみる。
カメルンは頭を掻きながら
『久しぶりに師匠の顔を見に来たんだよ!
ギエン達も元気か?』
『ああ、元気過ぎて屋敷が壊れないか心配だよ!!』
2人して笑い合う。

すると使者がおどおどと話しだす。

『ハ、ハヤト殿、お噂は常々お聞きしております!お会い出来て光栄です!!』

やたらとペコペコする使者に笑えてくる。
用件は分かっているが先に言うのも失礼だと思い聞いてみる。
『まあ、そんなに硬くならないでくれ。とりあえず用件を聞こうか?』

『は、はい。先日、ゲランド帝国から武闘大会の打診が来ました。
それについて相談がしたいと、
ファイデル王が申されております。』 

ふふっ、そう来たか。なるほどね・・
これは面白くなって来たぞ。

『分かった。早速支度をするから待っていて
くれ。』

俺はセシルを呼び事情を話して連れて行く事にする。

『セシル、やはり帝国側が動いて来た。ファイデル王に内情を話して欲しいんだ。』

セシルは背筋を伸ばし直立不動で答える。
『は、はい!分かりました!!何処へでも行きます!!』

昨日の一件からずっとこんな感じだ。
まぁいいかと放ってある。

『さあ、待たせたね。行こうか!』
使者に声をかけて王宮へと向かう。


『久しいなハヤトよ。よく参った。』
『はっ!ファイデル王も息災て何よりです。』

『まぁ良い楽にせよ。今日はゲランド帝国の提案について相談したいのだ。』

『ファイデル王、ゲランド帝国の目的については既に分かっております。』
驚くファイデル王に帝国から襲撃を受けた事を詳細に報告した。

ファイデル王は驚きと怒りが混ざった複雑な表情である。
『なんと愚かな・・・。人々の自由を奪い己の為に酷使するとは・・・。
さらには我が国にまで手をだすとは許せん!!』
ファイデル王は拳を握り憤る。
そしてハヤトの後ろに控える女が目に止まる。
『ハヤトよ、後ろの者は何者じゃ?』
セシルが肩がビクッと揺れる。
『はっ!名はセシルといいます。先日屋敷を襲った者の1人です。
しかし、この者は戦意も無く襲撃を止めようと尽力したので奴隷紋を解いて助けました。』

(勢いで来ちゃったけど私どうなるの?!
重い罰が待ってるの?!)
セシルは生きた心地がしなかった。
王の反応を覚悟して待っていた。

『そうであったか。ハヤトが許したのであればお咎めは無しじゃ。
セシルとやら、ゲランド帝国について教えてくれぬか?』

セシルはキョトンとしていた。
厳しい言葉が浴びせらる。厳しい尋問が始まる。そう覚悟していたのに・・・お咎め無し・・・。ハヤト様が許したから・・・。
何かが胸の中で騒いだ。

『は、はい。私が知っている事は全てお話しします。』
セシルはゲランド帝国の考え方や現状を知る限り王に話した。

王はため息をつき怒りを通り越して呆れてしまう。
『奴隷で固めた国など砂上の城に等しいと思わぬのか?!
同じ立場の人間として同情すらするぞ!
しかし、我が国の民に手を出した報いは受けてもらうがな!』

ファイデル王は既に策はあるのだろう?と言わんばかりの目でハヤトを見る。

俺は王と目で会話をしてニヤリと笑う。

『お察しの通り奴らの終着点は既に用意出来ております。
俺達に手を出した事を一生かけて後悔させてやりますよ・・・。フフッ!』

『さすがハヤトじゃ!わしも協力は惜しまぬぞぉ!フォッフォッフォッ!!』

この時、ファイデル王とハヤトが悪い顔で笑う姿を見た周りの全ての者がゲランド帝国の滅亡を確信したのだった・・・。
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