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第67話 弟子達絡まれる

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弟子達は一階広間で立食形式のビュッフェを楽しんでいた。

『んぐっ・・むぐ、帝国の癖に中々良い味出
してるのね。』
エルがいつもながら口元を汚してデザートを堪能している。

すると背後から声がする。
『おいおい、誰だガキを入れたのは?!
直ぐにつまみ出せ!!』

エルが口元を汚したまま振り向くと自分に向かって2人の男が手を伸ばしているところだった。

エルが持っていたスプーンで手を振り払うと男達の手首が在らぬ方向に曲がる。

『何をするの!女の子を後ろから襲うなんて変態なの!!』

男達は一瞬、自分の手首が曲がってはいけない方向に曲がっているのを見つめる・・・。

『うぎぁぁぁ!!手首が!手首が!』
『いだだだだだっ!!俺の手首どうなってるんだ!!!』

騒ぎを聞きつけ弟子達が集まる。
『どうしたのエル?』
パルが近付くと、エルが口元を汚したままで男達を指差して
『あいつらに後ろから襲われたの!あいつら変態なの!!』

するとパルとエマの目つきが変わる。

『良い度胸してるじゃない!私の仲間に手出すなんて!!』

『あんたら女の敵って事だよね?!』

パルとエマが立ちはだかり魔力を溢れ出しながら拳を握る。
『馬鹿な奴らだな・・・相手の実力もわからんとは・・・愚かな人間だ・・・。
デンバーは弟子達の後ろから、ため息をつきながら肉を頬張る。

男性陣は今後の彼らの生活を不憫に思い黙祷を捧げる。

『ガ、ガキが調子に乗るんじゃない!!
俺は帝国12大貴族ファリス伯爵だぞ!!
警備兵!!あいつらを捕まえて牢屋にぶち込め!!』

警備兵が愚かにもパルとエマに襲い掛かる。
しかし男達はそれ以上前には進めなかった。
アースジャベリンで両足を貫かれ氷漬けになっていた。

『足がぁぁぁぁ!!!痛てぇぇぇ!!!』
『何でこんな事にぃぃぃ!!!』

『無理に動かすと足首無くなるよ?
だけどお仕置きはまだよ・・・。』

パルが言ったと同時にパルとエマがブレる!

男達が呻きながら崩れ落ちる。
声を上げたいが全身骨折で痛過ぎて声が出ない。

エマが冷たい目をしてファリス伯爵に指を差す。

『残りはあんただけよ?大貴族とか言ってたわね?
この状況をそんな肩書きで乗り切れるかしら?どうするの?』

ファリス伯爵は心底怯えていた。しかし自分は大貴族。今までも自分に逆らわなかった。
こんな人目がある所で恥を晒すわけにはいかないのだ。

『き、貴様ら!!大貴族の恐ろしさを教えてやる!!
俺に指一本触れてみろ!!ゲランド帝国を敵に回す事になるぞ?!
やれるもんならやってみr・・・』

『『ふん!!』』

ズババババババババババババン!!!!

言い終わる前に、目の前に2人が現れたと思ったら小枝で叩かれ続けた。

『あっぐっあばぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!』

ファリス伯爵は全身粉砕骨折し、指一本動かせずに倒れ込む。

『さあ!やったわよ!!どうするの?!皇帝でも連れてくるの?!
やれるものならやってみなさいよ!!
肩書きだけの理不尽で無能なんて怖くもなんとも無いのよ!!!』

小枝を突きつけパルが言い放つ。

(な、何なんだこいつらは・・・貴族を恐れない?国を恐れない?一体何を恐れるんだ・・・)

ファリス伯爵は何も言い返せず静かに気絶した。

(おい、あいつら何者だよ。貴族も関係なしにぶっ飛ばしたぞ?!)

(それよりあいつらの動きが全く見えなかったぞ!?しかも小枝?!凄くないか?!)

弟子達は周りからの噂話しを聞き流しながら食事を続けるのであった。


【神様の部屋】
『貴族と言う名の看板が効かなければこんなもんだな。』

『本来、国の為に貢献した者に与えられるのが爵位なのに、勘違いした馬鹿が多いのよね!』

『これからハヤト達を懐に誘ってしまったゲランド帝国がどうなるか楽しみだな!』
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