天才中学生高過ぎる知力で理不尽をぶっ飛ばす!

yoshikazu

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第81話 レイド・メーランド公爵

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『ファイデル王、ただいま戻りました。』
弟子達を屋敷に残して王宮に来ている。

『うむ、ご苦労だった。楽にせよ。
して首尾はどうだった?』

『はっ!予定通りゲランド帝国の貴族共は掌握し、ゲランド皇帝は犯罪者の強制労働収容所へ送ってあります。
そこで永遠に働き続けるでしょう。
あとは妻のソフィアが国を建て直す事でしょう。』

ファイデル王は満足そうに頷く。
『そうか、これでゲランド帝国も生まれ変わるか!
お主も相当暴れて来たのだな・・・。』
改めて畏怖と尊敬の念を抱くのだった。

とりあえず王様には報告しておくか・・・。

『王様、一つ面白い報告があります。』

ファイデル王の目が輝く。
『ほう!ハヤトが、面白いと言うならよっぽどの事だな?なんじゃ?』

俺は顔がニヤけるのを抑えて
『はい。弟子のエリが、伝説の秘薬エリクサーを完成させました。』

『エ、エリクサーじゃとぉぉぉ?!誠か?!
確かに面白い!このわしも実物は見た事が無い・・・。
まさか、ここにあるのか?』
ファイデル王が期待の眼差しで見る。

俺は首を横にふる。
『残念ながら俺が留守の時に重傷の若者を助ける為に使ってしまったようです。
ですが3日に1本は作れるようなので出来たらお見せしましょう。』

王様は残念そうな顔をするが笑みを溢す。
『そうか、若者の命が助かったか!
それならばエリクサーはまたの機会に楽しみにしておこうかのう。』

『はい。必ずお持ちします。
それとお聞きしたいのですがレイド・メーランド公爵様とはどの様な方でしようか?』

屋敷に来た連中が気になっていたので聞いてみた。

ファイデル王は怪訝な顔をして察する。
『何かあったのじゃな?
ふむ。レイドは品行方正な貴族でな、国の為に尽力して公爵の地位に着いた男じゃ。わしが信頼する者の1人じゃ・・・』

ファイデル王は何か思い当たる事があるようで言葉を切る。

『ハヤトよ、レイドの娘が先日倒れたと聞いたのじゃ。
病名が〈魔力症〉らしい・・・。
恐らく若者の一件を聞いて焦ったのであろう。 
レイドは悪い男では無い。何かあったのなら話しを聞いてやってくれ。わしからも頼む。』

俺は内心ホッとする。また面倒な奴らがくると思っていたからだ。
『そう言う事でしたか。部下達も焦っていたのでしょう。
分かりました。屋敷に来た時は話を聞きましょう。』


その頃、屋敷の前に豪華な馬車が止まった。

『ここか。よし。お前達は余計な口を挟むなよ?!
ここでは貴族の肩書きなんぞ関係無い。同じ立場の人間に頼み事をするつもりで接しろ!
分かったな?』

『は、はい。分かりました。』

レイド達が門の前に立つとアルノーが出迎える。
『これはレイド・メーランド公爵様。
この度はどの様な御用向きでございますか?』

レイドは顔を綻ばせる。
『おお!アルノーか!久しいな。
今日はハヤト殿に会いに来たのだ。
私の使いの者が粗相をした様でな、、。』
オンバー達を一瞥する。

『そうでございましたか。
生憎とハヤト様は王宮に行って留守でございます。
もうすぐ戻られると思いますので中でお待ちください。』

アルノーが屋敷の入り口まで案内すると立ち止まりレイド達を止める。

『レイド様。1つご注意を。
今日はハヤト様のお弟子達が全員屋敷に居ます。
私達はもう慣れたのですが、中は魔力濃度が非常に高いのです。この中に居るだけでレベルが上がる程です。
普段お客様が居ると分かっていれば押さえてくれるのですが今は遊んでいる様です。
気分が悪くなったら遠慮なく言ってください。無理は禁物です。』

レイドが嫌な汗を垂らしながら納得する。
『そ、そうか。だから先程から嫌な汗が止まらんのか!
ところでアルノー。ここに入ると本当にレベルが上がるのか?お前レベルはいくつになったのだ?』

アルノーは苦笑いをしながら
『あまり大きな声では言えないのですが、ここに働く者達は全員レベル300を越えています。ちなみに私はレベル423です。
先日、屋敷に来たお二人も既にレベル300に到達して驚いておりました。』

レイド達は驚愕し生唾を飲む。
『な、なんと・・・。常識外れな・・・。
まさに天外魔境とはこの事だな。
分かったなお前達、くれぐれも失礼のない様にな。』

『は、はい。』
オンバー達も自分達が取った態度を反省するのだった。

アルノーが屋敷の扉を開けると身体に何かが纏わりつく感覚に襲われる。
全身の毛穴が開いて汗が噴き出る。
レイド達は肩で息をして入り口で膝を付いてしまった。
アルノーは扉を閉めた。

『今日は一段と濃いですね。
この濃さは初めての方には無理ですね。
庭にテーブルと椅子がありますのでそこでお待ちください。
直ぐにお茶をお持ちします。』

『はぁ、はぁ、ア、アルノーはあの中で平気なのか?!
とても人間が住めるとは思えんが?!』

アルノーは笑顔で一言。
『慣れでございます。』


『おい、レイドの娘の様子はどうだ?!』
『はい。1週間前から寝込んだままです。』

『そうか!成功だな!
クククッ!馬鹿な奴だ俺の誘いを断った報いだ!
俺様に恥をかかせやがって!いい気味だ!』
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