天才中学生高過ぎる知力で理不尽をぶっ飛ばす!

yoshikazu

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第103話 エンダル国王

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『パル殿は一体何者なんだ?!
国王に説明しなければならないんだ。』

ギルドマスターの部屋でオススメランチを頬張っているパルに詰め寄る。

『少し黙ってて!!食事中よ!』
レノンを睨みつける。

『あ・・・そ、そうだな・・・悪かった・・・』
パルの威圧に怯む・・。

(こんな事でギルドが滅んだら目も当てられん・・・)

レノンは諦めて紅茶を啜る。 
(改めて見るとまだ子供っぽい雰囲気が残るこんな子がスタンビートを止めてしまうとは・・・どうなっているんだ?!)


『ふう!美味しかった!ご馳走様。』
ジュースを飲み干しコップを置く。

『えっと、なんだったっけ?』
ソファに身体を預けてレノンを見る。

『あぁ、国王が今回の〈魔法王シャル〉の復活の経緯と首謀者の解明、スタンビートを止めた者の正体を知りたいそうだ。
パル殿は一体何者なんだ?』

パルは口元を緩ませる。
『私はファイデル王国の〈英雄ハヤト〉の弟子が1人〈魔法神のパル〉よ!
今は師匠の理想を広める為に旅に出ているの。』

レノンは目を見開く。
『あぁ!あの噂の〈英雄の弟子達〉か!!
エンダル王国でも話題になってたぞ!
なるほど・・・そうだったのか。
パル殿!国王に会ってくれないか?!
国王が興味津々で毎日の様に話題に上がる程なんだ!どうだろうか?』

パル少し考えた振りをする。
『まあ、いいけど面倒だったらすぐ帰るわよ!?』
(師匠の名を広める為には会わないといけないわよね。)


エンダル王の前で跪く。

そしてレノンが口を開く。
『エンダル王、今回の一件は3年前に追放したグレイドの仕業でした。
グレイドはエンダル王国に復讐する為に
魔道具を使い冒険者を襲って魔力を集めていました。それを使い〈魔法王シャル〉の封印を破ったのです。』

エンダル王は首を振りながら溜め息をつく。
『なんと愚かな・・・グレイドか・・・。
魔道具の実験で人を使い大怪我をさせた奴じゃ。
何も反省しておらなんだか・・・で、奴はどうした?』

『はい、行方不明です。恐らくスタンビートに巻き込まれたと思われます。』

『そうか・・・馬鹿な奴じゃ・・』
エンダル王が溜め息をつき、レノンの後ろに跪くパルに目をやる。

『レノンよ後ろにおる者は何者じゃ?』

『はっ!この者こそ今回のスタンビートを単身で打ち破りエンダル王国を救った者です。』

周りの重臣達がざわつき失笑が漏れる。

エンダル国王が怪訝な顔をする。
『なに?!この娘が?約2万のスタンビートを単身で?!
レノンよ!何の冗談だ?!何の為にその子娘を連れて来たのだ?!』

レノンは焦り口を開こうとした瞬間!

パルは立ち上がりエンダル王を睨みつけ魔力が溢れる。

『レノンさん!私は帰るわよ!!気分が悪いわ!!』
パルは踵を返して歩き出す。

すると衛兵3人がパルに槍を向ける。

レノンが慌てる!
『エンダル王!!おやめください!!
国が滅びますぞ!!
あの方は〈英雄の弟子達〉の1人〈魔法神のパル〉殿です!!
見た目だけで判断してはいけません!!』

エンダル王は目を丸くして自分の失態に気づく。
グレイドの件で気が昂っていたのだ。
〈英雄の弟子達〉は見た目が子供だと聞いていた。そして溢れ出る魔力を肌で感じる。
エンダル王は玉座から立ち上がる。

『いかん!衛兵!!武器をおろすのじゃ!』

そしてエンダル王自らパルの元まで歩み寄る。

『パル殿、すまなかった。わしの目が曇っておった。わしの今後の教訓にしよう。
この通りじゃ、許してくれ。』
エンダル王が頭を下げる。
周りの重臣達も息を飲む。

パルは肩の力を抜く。
『素直に頭を下げれる王様は嫌いじゃないわ!
今回は許してあげる。
次に私の仲間が寄った時には気を付けてね!』

エンダル王の表情が緩む。
重臣達も安堵の溜め息をつく。

『おお!そうか!ありがとう!
さあ、こっちへ!英雄達の武勇伝を聞かせてくれ!
そうじゃ!今日は宴を開こうではないか!!
パル殿!好きな物を言ってくれ!用意させよう!!』

子供の様にテンションが上がっている王様をみて皆が微笑むのであった。


『パル殿!これが五女のミリアじゃ!
ミリアも魔法使いなのじゃよ!』
王様の後ろに隠れているミリアをパルの前に出す。

『こ、こんにちは。ミリアです。12歳です。』

抑えているがパルが出ている魔力に怯えているようだ。

パルはニッコリ笑って頭を撫でる。
『こんにちは!私はパルよ!同じ魔法使いね!何か魔法は使える?』

『は、はい。【ファイヤーボール】なら出来ます!』

ミリアの表情が明るくなる。自信があるのだろう。

『それじゃあ見せて!』

『はい!』

ミリアが魔力を集中すると掌の上にピンポン球ぐらいの火の玉が浮かぶ。
額から汗を滲ませ集中している。

パルが真剣な顔をする。
『それが限界?まだよ!身体の中の魔力の流れを感じて!!
魔力が分散してるわ!掌までの流れを感じて!』

『は、はい!』
ミリアはびっくりしたようだが言われた通りに目を閉じてイメージする。
すると掌にソフトボール程の火の玉が浮かんでいた。

ミリアは唖然としていた。
『う、嘘!?私がこんなに大きな【ファイヤーボール】を?!』

『これは基本よ!忘れないでね!』
ミリアの頭を撫でる。

『パルさん!ありがとうございます!私、パルさんみたいな魔法使いになりたい!!』
ミリアが目を輝かせている。

〈英雄の弟子達〉は弟子が出来たら渡す様に武器を用意していた。

パルはそのワンドを取り出す。

『これを使って!きっとミリアの力になるわ!これで毎日精進する事!!
次来た時にテストするわよ?!』

ミリアはワンドを抱きしめる。
『はい!師匠!!私!頑張ります!!』


そして後にエンダル王国に〈魔法神〉が誕生する事となるのだった。
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