天才中学生高過ぎる知力で理不尽をぶっ飛ばす!

yoshikazu

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第132話 名も無きダンジョン前

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『凄い!!こんな簡単に【索敵】が出来るようになるなんて!!』
セルナが子供の様にはしゃいでいる。

エルがドヤ顔で話し出す!
『だから言ったの!私が教えれば早いって!
でも、師匠の方が凄いの!!
それに、その槍には〈槍神の加護〉がついてるの!ジンさんが槍に力を込めたの!いわゆる〈ジンの加護〉なの!!
【育成・大】の恩恵と〈槍神〉に必要なステータスの上昇が10倍、そして・・・後は秘密なの!!』

セルナは無意識に槍を抱きしめる。
『ジン様の加護・・・ジン様に護られているのね・・・』

(あらら?セルナ・・・ジンさんに・・ほの字なの!?)

『あ、あの、エル様!』
護衛のリーダーのダンが口を開く。

『ん?何?』
エルが首を傾げる。

『私は護衛リーダーのダンと申します。
是非、私達にも【索敵】をご教授願いたい。』

エルは即答する。
『うん!護衛任務には必要なスキルなの!護衛の人達も私とパーティーを組んでいるから出来る様になるよ!』

護衛のリーダーのダンの目が輝く。
『エル様!よろしくお願いします!!!』
護衛3人が頭を下げる。


『見えて来たわね。・・・でも・・すんなりとは入らせてもらえない様ね・・』
セルナの眉毛がハの字になる。

ダンジョンの入り口付近に30人の厳つい男達がこちらを睨んでいた。

『ちっ!ゾイドの奴!失敗しやがって!情け無い奴らだ!!
お前ら油断するなよ!そこそこ強いぞ!!』

『へい!!!』

馬車を少し離れた所に止めてダンジョンへと歩いてゆく。
そして当然の様に男達に阻まれる。

『おい!お前ら!!先にいた奴らはどうした?!』

セルナが微笑む。
『あぁ!あの人達なら道半ばで旅立ったわよ!心配だったらお墓でも建ててあげたら?』

男が声を荒げる!
『な、何だとぉぉ!!俺の弟が死んだ?!そんな馬鹿な?!
貴様らぁ!!ホラ吹いてんじゃねーぞ!?』

『嘘だと思うなら見て来たら?いきなり人を攫おうとするならそれ相応の覚悟しなきゃね!?自業自得よ!あんたらはその覚悟があるのかしら?』

男は真っ赤な顔で激怒する!!
『貴様らぁぁぁ!!許さねぇぇーー!!!お前ら攫ってめちゃくちゃにしてやれぇぇぇ!!!』

リーダーの男を残して男達が襲いかかる!

するとエルが徐に前に出て手を挙げる!
『今度は私の番なの!
おいで!!〈バンシー〉!!』

すると目の前に黒いリボンを付けた女の子が現れ男達が黒いモヤに包まれる。
男達の頭の中には美しい歌声が鳴り響く。
そして光悦な表情をしながら白目剥いて崩れ落ちていく・・・。

どさぁぁぁぁぁ・・・・・

(さ、さすが・・・〈英雄の弟子達〉・・
軍隊が相手でもなす術無しね・・・)
セルナの背中に冷たい物が流れる。

男が後退りながら怯えた目をする。
『お、お前一体何をした?!どうなっている?!一体何者だ?!』

『ふふ!今日2回目!!
私は〈英雄ハヤト〉の弟子が1人〈精霊王のエル〉なの!!またまたよろしくね!!』
満面の笑みで親指を立てる。

『え、英雄の弟子達・・・各地で盗賊や裏家業を全滅させている奴らか・・・こ、こんな所で出会すとは・・・』

『所で誰の差し金なの?』
エルが首を傾げる。

『お、俺達は何も知らされていないんだ!!ほ、本当だ!!だから助けt・・・』

男の周りに黒いモヤが立ち登り静かに崩れ落ちる。

・・・どさっ・・・

エルは倒れた男に目を細める。
『弱い人達を泣かして来た奴らの助けを求める声なんて聞こえないの。』

〈バンシー〉は一礼してエルの後ろに消えて行く。

すると、セルナ達が呼吸を忘れていたかの様に息を荒げる。

『ぶはぁぁぁぁ!!!はぁ、はぁ、はぁ、苦しかったぁぁぁ!!!
さすが〈英雄の弟子達〉・・・物凄い魔力だったわ・・・それに御伽噺でしか聞いた事が無かった〈死の精霊バンシー〉・・・まだ寒気がしてるわ・・・』

ダン達はまだ立ち尽くしたまま動けないでいた・・・そして3人で顔を見合わせる・・。
(そ、そ、想像以上だ・・・ちょっとでも子供だと思った俺は馬鹿だ・・・口に出さなくてよかった・・・)
2人もカクカクと首を縦に振る。

『みんな!!名も無いダンジョンからの救出作戦開始なの!!』

エルが笑顔で両拳を挙げる!!


『お、おい!!奴らはどうなった?!』

『あ、あの、ギルザ様・・・止めた方が良いと思います・・・。
あのトルザ一家が・・・一瞬で全滅しました・・・』

『何だと?!そんな馬鹿な事があるか!!
何にしてもギルザ様に恥をかかした仕返しはきっちりやるぞ!!
女共に舐められたままでは我慢ならん!!』

お付きの男の顔色が変わり死を覚悟した瞬間であった・・・。
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