天才中学生高過ぎる知力で理不尽をぶっ飛ばす！

第134話 試練の間 2

セルナが〈ケルベロス〉に向かって行く！
『【槍神技　三日月】！！』
無数の闘気の刃が〈ケルベロス〉を襲う！！
〈ケルベロス〉は避けきれずに身体中に傷を負う！

『ぐおぉぉぉぉぉん！！！』

たまらず飛び退き息を吸い込み３匹同時の〈ファイヤーブレス〉をセルナに放つ！！

『負ける気がしないわ！！
【槍神技　旋】！！！』

無数の闘気の刃が渦を巻き渾身の〈ファイヤーブレス〉を掻き消しながら〈ケルベロス〉に襲い掛かる！！

『ぎゃいん！！！！！』

〈ケルベロス〉の右の顔と右脚が吹き飛び
立って居られずに崩れ落ちる！！

ずずぅぅぅん！！

セルナは槍を構えたまま肩で息をしていた。
【闘気解放】したとしても〈槍王〉が〈槍神〉の技を２回使っているのだ。
身体が悲鳴を上げる一歩手前だった。

（油断は禁物！！〈ケルベロス〉がこの程度で諦める筈はない！！
ここは、追撃の一手あるのみ！！
ジン様！力をお貸しください！！）

セルナは最後の力を振り絞る！！

構えた槍の先に極限まで圧縮された闘気が集まって行く！
身体が悲鳴を上げているがセルナはそれを耐えるのではなく受け止める！
（あぁ、ジン様・・・私は貴方に全てを捧げます・・・この一撃・・・ジン様と一緒に放つ一撃・・・この身体の激痛さえも心地良い・・・さあ！ジン様、行きます！！）

『【槍神技奥義　神槍豪撃】！！！』

セルナが光悦な表情で放った闘気の塊は巨大な槍の先端を模して〈ケルベロス〉の体さえも飲み込み部屋の壁さえも豆腐の様に貫き新たな道を切り開く！

そしてセルナは全てを捧げてその場に倒れる。

するとセルナとダン達の頭の中にレベルアップの音が鳴り響く！！

エルがセルナに駆け寄るとなんとも言えない笑顔で激痛に耐えていた。

（セルナ・・・ジンさんを思う気持ちが異常なの・・・〈ケルベロス〉はあの時点で戦意は無かったのに・・・）
エルはなんとも言えない表情で汗を垂らしていた。

『セルナ、これを飲んで！』
エルが取り出したポーションをグビグビと飲み干すと何事も無かったように立ち上がる。

『嘘？！全く動けなかったのに・・・相変わらず凄い効き目ね！そんなポーション何処にも売ってないわよ！！

『えっ？！普通にファイデル王国で売ってるよ！少し高いけどね！』

『えぇっ？！売ってるの？！私行くわ！！ファイデル王国に行って買い占めるわ！！』
セルナが拳を握る。

そんな2人の会話すら耳に入らない程にダン達とミラド達は唖然呆然としていた。

あの〈ケルベロス〉を圧倒して更には跡形もなく消し去った者が目の前にいる。

『セ、セルナ様・・・〈英雄の弟子〉となればこれ程の力が手に入るのか・・・』
ダンは自分の無力さに思う所がありエルを見ながら考えるのであった。

『す、凄すぎるだろ・・・何者なんだ・・』
『〈ケルベロス〉が手も足も出なかった・・・助かったけど・・怖いわ・・』
ミラド達もセルナを見る目が変わっていた。

すると部屋全体に男の声がこだまする！

『よくぞ〈ケルベロス〉を退けた！次の部屋へ進むがよい！！』

見ると入って来た扉は無くなり先に進むしか無くなった。

『〈ヴァルキリー〉！ミラド達を護ってね！』

『はっ！かしこまりました！』
すると〈ヴァルキリー〉はエルに耳打ちする。
（あの娘は・・・・でございます。）

エルは目を見開いて女の子を見る。
（えっ！？そうなの？！ふぅぅん・・・そうなんだ・・・ちょっと様子をみるの・・・）

エル達が試練の間を出ると、そこには人工的に作られた石畳の道が続いていた。

するとダン達が声を上げる！
『おお！！分かる！！この先に数十体の人間ではない何が居る・・・？！』

『確かに分かる！これが【索敵】か！』
『凄い！！俺にこんなスキルが！！』

『新たなスキル獲得おめでとう！！』
エルがダン達に親指を立てる！

『エル様！！ありがとうございます！！』
ダン達が頭を下げる。

『さてさて、この先に数十体の何かが居るのは分かったのね・・・それも・・・強いの・・・』

エルはダン達を見る。
『あなた達はさっきの〈ケルベロス〉戦でかなりレベルアップしたの！
だから3人1組で行動して！
その剣はあなた達はにあげるの！その剣で戦えば戦う程強くなれるの！
ここを生きて出られたら・・あなた達は最強の護衛になるの！！』

ダン達は跪く！
『エル師匠！！了解いたしました！
全身全霊を持って戦います！！』

『あとミラド君達は中に入ったらその場から動かない事！！〈ヴァルキリー〉達が護ってくれるの！』

ミラドはコクコクと首を縦に振る。
（さっき見たいなの戦いに参加するのは絶対無理だ・・・）

しかし女の子はミラドの考えとは裏腹に下唇を噛み俯くのであった。

『さあ！皆んな！修行だと思って行くよー！』
エルが元気よく拳を挙げる！！