天才中学生高過ぎる知力で理不尽をぶっ飛ばす!

yoshikazu

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第174話 試練のダンジョン(ボス戦)8

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『ガルーダさん行きますよ!!』
エルが立ち尽くすガルーダに声をかける。

『お、おう!すぐ行く!!』
ガルーダは自分が強くなったと思っていた。しかし自分の理解の外の強さを思い知ったのだ。
〈英雄ハヤト〉達から見たら自分がどれだけちっぽけな存在かをさっきの戦いで身に染みたのだった。
(今日この日から少し落ち着こう・・・俺は調子に乗るほど強くは無い・・・)

ガルーダは自分が強いと言うプライドを捨てた瞬間に肩の荷が降りた様な気がしたのだった。


『さて、この扉の向こうには3年前と同じく強そうな奴が居るみたいね!』
エルが扉に向かって独り言の様に呟く。

『なあ、エル殿。さっき精霊を呼べば簡単に片付くんじゃないのか?』
ガルーダがなんとなく聞いてみる。

『うん。そうなんだけど神級精霊は1日1回しか呼べない契約なのよ。
神様を地上へ呼ぶみたいなものだからね。』

『た、確かに・・あんなのが何回も地上に降りて来たら大変な事になりそうだな・・・』

エルはそう言いながら微塵も不安を感じさせずに扉を開け放つ!!

『それじゃあ行きましょう!!!』


『そうか、そうか!ゼルスはもう現れないんだな!クックックッ・・それなら勝機はあるぞ!前回の失敗を教訓にした部屋だからな!!思い知るがいい!!!』


エル達は扉を潜り部屋に入る。するとエルとミリアの顔が険しくなる。

『・・・やってくれたわね・・この部屋・・・』

『そうですね・・・精霊の力がかなり弱くなっていますね・・・』

正面を見ると前回より二回り程大きなゴーレムがゆっくりと立ち上がる。

エルが肩をすくめて呆れ顔になる。
『本当に・・余程悔しかった見たいね。こんな対策してくるなんてね。
でも、ここまで師匠の言った通りになると笑えてくるわね。』

ミリアも口元を綻ばせる。
『本当にハヤトさんはどこまで見えているんでしょうね。
まるで神でさえハヤトさんの手のひらの上みたいですね。』

『なあ!エル殿!大丈夫なのか?!精霊の力が弱くなっているんだろ?!
戦えるのか?!俺の出番か?!』
ガルーダが心配と期待を込めてエルを見る。

エルはガルーダに向かってニヤリと笑う。
『ふふ。私達が慌てている様に見える?こうなると予想していたのよ?
もちろん対策はしてあるわ!!ねっ!ミリア!!』

するとミリアは意味ありげにニッコリ笑って頷く。

そしてガルーダはゴーレムを警戒して剣を構える。
しかしガルーダは違和感を感じる。先程からゴーレムが微動だにしないのだ。
何故かガルーダの頬に冷たい汗が流れる。

『こ、この感覚・・・まさか・・・エル殿・・・さっき1日1回って言ったよな・・・』
ガルーダがゆっくり振り向くとそこにはミリアに跪くタキシード姿の男がいた・・・。

そうである。
ハヤトはゼルスに神級精霊は自分のフィールドを持ち、どんなフィールドでも自分のフィールドに置き換えれる事を教えてもらったのだ。
その上でミリアを〈大天使〉へと鍛え上げてゼルスの知り合いを紹介してもらったのだ。
その名は〈時の精霊クロノス〉神級精霊の1人である。


『〈大天使ミリア〉様、お呼び頂き感激至極でございます。
取り急ぎあのお粗末な人形を消し去りましょう。』

〈時の精霊クロノス〉が指を鳴らすとゴーレムは微動だにしないまま崩れ去り塵も残さず消えてしまった。
クロノスはゴーレムの時間を作られる前まで急速に戻してしまったのだ。

『〈時の精霊クロノス〉さんありがとうございます。助かりました。』

ミリアがクロノスの肩に手を置く。

『お褒めの言葉感激至極でございます。
この程度の事たわいもございません。
また遠慮なくお呼びください。それでは失礼致します。』

クロノスはミリアの背後に消えて行った。

ガルーダが固まったままゴーレムが居たはずの場所を眺めていた。
『はは・・・俺の出る幕無しか・・・』


『〈大天使〉が2人だとぉぉぉぉぉぉ!!!
し、しかも!ク、クロノス・・・お前もか・・・どれだけ俺の邪魔をすれば気が済むんだぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!
い、1日で2回も神級が降臨?!前代未聞だぞ!?
どうしてだ?!なんでだ?!アイツらは何故神である俺を越えていく?!・・・・・はっ!この気配は・・・』

ダンジョンの神が背中に威圧感を感じてゆっくり振り向くとそこにはタキシード姿の男が立っていた。〈時の精霊クロノス〉である。

クロノスは目を細めて怒りを込めてダンジョンの神を見据える。

『一度ならずも二度までも〈大天使〉様達の手を煩わすとは・・・一体どう言う了見だ?
納得のいくように説明してもらおうか?』

クロノスは徐にダンジョンの神の髪を鷲掴みにする。

『あうっ!!痛っててててててて!!!!お、落ち着こう!!落ち着いて話をしようじゃないか?!痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!!
こ、これは、〈英雄ハヤト〉に対するし、試練なんだ!!神が人間に試練を与えるだろ?!それだ!!』

クロノスはダンジョンの神の髪を鷲掴みにしたままで笑い出す!

『アーッハッハッハッハァ!!!お、お前如きが〈英雄ハヤト〉殿に試練?!
片腹痛いわ!!!〈英雄ハヤト〉殿は〈大天使〉様達の師匠だぞ?!
・・・まあ、私も人間如きがと調子に乗ってちょっかいを出してコテンパンにされたからな・・・。お前の事は言えないか・・・。』
クロノスは思い出して頭を掻く。

『えっ?!ま、待てよ?!お前がコテンパン?!嘘だろ?!嘘だと言ってくれ!!お前の時間操作は最強なんだろ?!』

『あぁ、そうだと思っていた・・・。だがな・・・上には上がいるんだよ・・・〈英雄ハヤト〉殿の【時空属性魔法】は・・・この私を・・・遥かに凌駕していたよ・・・私も精進しないとな・・・・そうそう話を戻そうか。
お前が試練を与えている人間はお前に試練を与えるだろうな。』
クロノスはそう言い残して消えて行った。

ダンジョンの神は自分が取り返しのつかない事をしているかもと感じ始めるのであった。
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