【完結】それより俺は、もっとあなたとキスがしたい

佑々木(うさぎ)

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ep.09 言ったら最後

(4)***

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 美浜が愛しくて、感情が溢れ出した。
 甘く、蕩けるようなキスを繰り返し、抱き締め合う。
 美浜は、一度キスを解くと、俺の首に腕をかけてくる。
 黒目がちの瞳で俺を見据え、切なげに眉根を寄せる。

「一ノ瀬……好きだ……」

 美浜の声が胸に浸透し、ぎゅっと締め付けられたように痛んだ。
 俺は一体、今まで何を見てきたんだろうか。

「俺もです、美浜さん」

 もう一度、顔を寄せて唇を重ね、何度も何度もキスを繰り返した。
 はあはあと息を乱しながらベッドに行き、服を脱ぐのももどかしく感じた。
 美浜は、俺をうっとりと見上げて、胸元に手を置いた。
 俺が脱がすタイミングで、美浜も俺のネクタイを解き、頬や首筋にキスをしてくる。

「美浜さん、ちょっと待って」
「どうして? これ、気持ちいいだろう?」

 唇を押し付けられる度に、ぞくぞくと背中に快感が走る。

「そんなことされたら、抑えが効かなくなりますよ」
「君は、余裕があり過ぎるんだ。──もっと、君の心の奥底が見たい」
「……っ」

 耳元で囁かれて、激しく刺激されてしまった。
 美浜を壊してしまいたいくらいに、欲望が荒れ狂う。

「ああ、もうっ」

 俺は、美浜の服を乱雑に脱がし、うつ伏せにした。
 ポケットからローションのパウチを取り出し、歯で切って開ける。
 これまでの経験からいつだって持ち歩いてきた。
 こんなものを忍ばせるようになったのは、すべて美浜のせいだ。
 俺は、パウチから出して美浜の後ろに塗り込んだ。
 そして、ひくつく孔を指で弄ってから、中に一本入れた。

「ふ……っあ」

 毎週抱いていても、締め付けがきつい。
 それでも、指で馴らせば受け入れられるようになることを、俺はもう知っている。
 どこが気持ち良くて、どこを触ると逃げようとするのかも。
 俺は、美浜の中を指で弄り、二本目を呑み込ませた。

「あぅ……っく……は」

 手のひらを上にして、ぐちゅぐちゅと音がするほどに掻き混ぜる。
 身体がビクビクと跳ね、尻が強請るように揺れる。

「美浜さん、すっかりエロくなりましたね」
「……っだから、そういうことを言うな」

 こうして叱りつけてくるところも、俺は好きだ。
 可愛いとすら思う。
 美浜に言えば、もっと怒られそうだけど。
 三本目が入るくらいに緩めてから、俺は後ろにあてがった。

「入れますよ」

 声を掛けると美浜は頷く。
 俺は、そっと後頭部を撫でてから、尻にモノを押し付ける。
 ひくつくそこを亀頭で押し開き、ぐっと中まで入れていく。

「あ……は……っんく」

 枕に顔を埋め、美浜は身体をよじる。
 寝そべる美浜の尻に、奥までモノを挿入していく。

「う……っく……は……っ」

 入れる時は、やっぱり苦しそうだ。
 それでも、俺に抱かれたいという美浜が、愛しくてたまらない。

「美浜さん……愛してます」
「……っん……は……っ今、言うな」

 中がきゅっと締まり、俺を求めるようにうねる。
 俺は、ゆっくりと腰を引き、抽送を始めた。

「あ……っああ……そこっ……うあ……っ」

 ぐりっとカリで突き、回すように腰を使う。

「それ、いやだ……」
「こうしたほうが、気持ち良くないですか?」

 擦り付け、行き来すると、身体に力がこもる。
 中程まで挿入したモノを、更に奥まで進めてえぐる。
 ぴったりと背中に身体を沿わせ、そこで動きを止める。
 中が俺を求めてひくつき、絡みついてくる。

「すっかり、俺を覚えましたね」

 耳元で囁いて、こめかみにキスを落とした。

「君が、教えたんだ」
「ええ、俺がじっくりと教え込んだ身体です」

 肩口にもキスをして、背中の窪みをなぞる。

「あ……は……っふ……」

 美浜は身動ぎ、シーツを握り締める。
 俺はその手に手を重ね、動きを再開した。
 奥を突き、出し入れし、逃げようとする身体を押しとどめる。

「まだ、感じるのは怖いですか」
「怖くは……ない……」

 その割に、前立腺を押し上げると身体が逃げる。
 箍が外れるのを、身体が拒んでいるように見える。

「美浜さん、もっと激しくしていいですか?」

 重ねていた手がピクリと動き、俺の指先をきゅっと握った。
 そして、小さく頷く。
 俺は身を起こして、美浜の膝を立てさせ、尻を突き出させる。
 より深く、鋭く突き入れ、抜けるほどに身体を引く。
 何度か繰り返していると、中が俺を引き留めるように絡みついてくるようになる。
 そこで、美浜の両腕を後ろ手にして掴み、激しく出し入れした。

「ひあ……っあ……は……っんく……ああっ……ああ……っ」

 肉を打つ音が響くくらいに腰を使うと、美浜の頭がガクガクと揺れる。
 やがて俺の額に汗が浮き出したが、構わずに続けた。

「あう……っあ……ああ……っ」

 髪を振り乱し、声を上擦らせて美浜は啼き、背中をしならせる。
 それでも、俺が触らないとイけないらしく、喘ぎながら身悶えている。

「いちの、せ……っさわり、たい……」
「もう、中だけでイけますよ」
「……無理だっ……ああ……っあ」

 パンパンと腰を打ち付け、どんなに訴えても手を放さなかった。

「だめ、だ……っも……う……」
「息を詰めて、もっと俺を感じて」
「あ……っあ……っああ」

 肘を掴んで、もっと抽送を速く強くすると、美浜の声が一際高くなる。

「ああ……っイ……くっ……う……っあっあ」

 胸を反らせ、顎を上げて啼き、美浜は尻を振りながら射精した。
 がくりと頭を下げ、力を失う。
 俺はそっとベッドに寝かせ、挿入したまま身を倒した。

 顔にかかる髪を撫でつけ、荒い呼吸を続ける横顔を見る。
 頬を赤く染め、唇を開いて呼吸を続ける美浜は、いつも以上に色っぽい。
 俺はその様子を、身体を重ねたまま、間近でじっくり見つめた。
 そして、ゆっくりと美浜の中から引き抜いて、今度は仰向けに返した。

 足を開かせ、再びあてがうと、イったばかりでひくつく中を深々と穿つ。
 膝裏を掬って尻を浮かさせ、美浜の足首を肩に掛けた。
 体重をかけて奥まで突き刺すと、驚いたように目を見開いて、俺の胸を押し返した。

「駄目、だ………っ私は、イったばかり……でっ」

 首を振って、俺から逃れようとずり上がる美浜を抑え付け、俺は律動した。

「う……っあ……ああ……っはげし、い……っやめ」

 小刻みに揺すぶり、抽送を繰り返す。

「ああ……っは……っあ……ああ……っきもち、……いい……奥が、きもち……いっ」
「すごいですね。中がうねって、俺も気持ちがいい……ですよ」

 汗が落ちそうになって手で拭い、美浜の身体を二つ折りにするようにして、尚も突く。

「あう……っああ……っは……っんん……っああ……また……っ」

 美浜はそう言って身を震わせ、どくりと射精した。
 精液が胸まで飛び、どろりと腹まで汚す。

「く……っ」

 俺は何とか耐えて、両足首を掴んで引き上げ、ぐちゅぐちゅとローションが卑猥な音を立てるまで中を掻き混ぜる。

「いや……っだ……も……イけな……っ」
「大丈夫。まだイける。次は、俺も一緒に」

 奥深くまで入れて、ゆっくりと腰を引き、また深々と抉る動作を繰り返す。そこから、脚を下ろして大きく開かせ、俺は美浜と胸を合わせた。キスを仕掛けると、美浜はすぐに応じて、俺の背中に腕を回した。

「好き……だ……いち、のせ……君を、あいし……てる」
「俺もです、美浜さん。あなたが、好きで……たまらない」

 ようやく、お互いに想いを言えるようになった。
 俺は、キスをしながら何度も好きだと繰り返した。

「……っも……う……イく……っああ……あ」
「う……っく……は……っ」

 身を震わせて啼く美浜に重なって、俺も同時に達した。
 心も体も気持ち良くて、もう何も考えられない。
 幸せを感じながら、俺は息を吐いた。

「もう、放さない。あなたを、俺のものにします」
「ああ。私も、君を放しはしない」

 美浜に笑いかけると、美浜もくすぐったそうに目元を綻ばせる。
 俺は、想いを込めたキスをして、美浜の腕の中で力を抜いた。


 寝ても覚めても抱き合って、そのうち腕を上げるのも億劫になる。

「美浜さん……あの……」

 チェックアウト時間が近付いても、美浜は俺に抱き着いて離れようとしない。

「もう一泊しよう」

 こんなホテルに連泊なんて、さすがに美浜に悪い。

「俺も払います」

 これまでだって、いつも美浜が負担していた。

「一ノ瀬、そんなことは、どうでもいい」

 いや、どうでも良くなんてないだろう。
 俺がそう言おうとした唇を唇で塞いでから、美浜はくすりと笑う。

「次からは、私の部屋に来ればいい」

 思いも寄らない提案をされて、俺は目を瞬いた。

「いいんですか?」
「ああ、もちろんだ」

 そして、俺の胸に身をすり寄せて、素足を絡めて囁いた。

「恋人に、なったのだからな」

 俺は、その言葉に頷いて、こっちからも身を寄せた。

「そんなことを言ったら最後ですよ。──入り浸りますからね」
「望むところだ」

 そして、俺たちは初めてホテルで2泊して週末を過ごした。


-ep.09 「言ったら最後」END-
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