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ep.11 好きの代わりに
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次に気が付いたのは、私に近付く体温だ。
私の肩に手を置き、軽く揺すった後、間近から顔を覗き込んでいる。
他の通行人が、私に気付いて起こそうとしているのか。
哀しみに打ちひしがれながら目を開けたところで、薄い色合いの瞳と視線がかち合った。
眼鏡の奥のその瞳の色に、心が震える。
なんてきれいな目だろうか。
この、日本人にしては明るい色合いの瞳を、いつかじっくりと真正面から見てみたいと思ってきた。鋭く険しい目つきではなく、優しい眼差しを向けられたいと。
「いちの、せ?」
「はい」
名前を呼ぶと目を瞬かせ、口端を上げて笑う。
なぜここに一ノ瀬がいるのか。さっき通り過ぎて行ったのではなかったのか。
私は身体に戻ってきた寒さで、ベンチで寝入ってしまったことに気付く。
転寝している私を見て、一ノ瀬は戻って来てくれた。
その事実を知った途端に、頬が熱くなる。
「とりあえず、コーヒーでもどうですか?」
一ノ瀬はそう言って、私に手を伸ばす。
これは現実だろうか。
私はぼんやりと見返し、コクリと頷いた。
「ああ、そうだな」
抑えきれない感情が迸り、その手の温もりを放したくなくなった。
何とかして、一ノ瀬を引き留め、二人で過ごしたい。
私は破れかぶれになって、一ノ瀬に告げた。
「まずは、ホテルに行こう。──コーヒーなら明日の朝でいい」
「は……?」
既に酔いは覚めていた。
だが、私は酔ったふりで一ノ瀬を誘う。
これで断られたら、すごすごとタクシーで帰ろうと思っていた。
すると、一ノ瀬は思いも寄らないことを言う。
「タクシー代はありますよね」
「もちろんだ」
では、私とホテルに行くことを承諾したということか。
一ノ瀬は私をベンチに座らせてから、タクシーが通りかかるのを待っている。
その後ろ姿を見ながら、抱き着きたくて仕方がなかった。
「美浜部長、タクシーが来ましたよ」
そして、私を後部シートに先に乗せて、一ノ瀬もまた隣に座る。
気持ちが急いて、私は頭に浮かんだホテル名を告げた。
「サーントル東京まで」
あそこなら、いつだって泊まれる。
男同士で何をするか、私は何も知らない。
もし私が抱く側になったら、どうしたらいいのか。
むしろ、抱かれる側になって、すべてを一ノ瀬に任せてみるのがいいか。
だが、そんなのは取り越し苦労だろう。
一ノ瀬がそんなことまで許すとは思えない。
──ただ、キスをするだけでもいい。
私はタクシーの中で夢想しながら、ホテルに到着するのを待った。
あの時から、もうすぐ2か月が経とうとしている。
騙し討ちをしてしまったと罪悪感に苛まれた時もあった。
私は一ノ瀬の隙に付け入ったのだと。
それでも、どうしても一ノ瀬と二人で過ごして、距離を縮めたかった。
私自身を誤解されたままでいたくなかった。
そして、一ノ瀬のことをもっと知りたいと思っていた。
そのチャンスがついにやってきたのだと浮かれていたのだ。
あの時出会えた奇跡と、こうして恋人になれた幸運を噛み締めて、私はふと窓の外に目をやった。
すると、ガラス窓を隔てた向こうに、一ノ瀬の姿が見える。
もう待ち合わせ時間になっていたのかと、慌てて立ち上がろうとしたが、一ノ瀬は私に気付いて手を上げた。
そして、カフェの入り口を通って、私の傍へと歩いてくる。
バランスのいい、すらりとした体躯や、明るくさわやかな笑顔に、店内にいた者が熱い視線を送る。
だが、一ノ瀬はまったく気付いていない。
もしかしたら、自分の顔が良いことを理解していないのかもしれない。
そういうところに鈍感で無頓着なのだと、私は改めて実感した。
誰の目も気にせずに、自分を貫く。
そういうところは、3年前から変わらない。
「遅くなってすみません。待たせてしまったみたいですね」
一ノ瀬は、私の前の席に座って微笑んだ。
あまりにも眩しい笑顔に、胸がドクンと跳ねる。
私だけに向けられている穏やかな笑み。
たったそれだけで身体が疼き始めた。
「映画は、何時からでしたっけ」
「2時だ」
私は、一ノ瀬から目を逸らして、それだけ答えた。
心臓が痛いほどに早鐘を打ち、もう冷静ではいられない。
「じゃあ、コーヒーを飲む時間はありそうですね」
一ノ瀬は、近付いてきた店員にブレンドを頼み、天気の話を始めた。
「しばらくいい天気が続きそうですよね」
雲一つない青空に目を細めて言われて私は頷き、心の中で寂しい思いを抱く。
一ノ瀬はまだ、私に心を開いていないのかもしれない。
だから、こういう営業向きの天気の話題を振って、場を持たせようとしてくるのだろう。
その後も他愛無い話を続け、私はそれに頷いていた。
だが、本当は話の内容はもうどうでも良かった。
間近で一ノ瀬の顔が見られることで胸がいっぱいで、込み入った話をされても頭に入ってこなかっただろう。
「そろそろ行きますか?」
「そうだな」
カフェを出て、映画館に向かう道すがら、一ノ瀬はこれから見る映画について聞いてきた。
「ミュージカル映画でしたよね」
「そうだ。5年前にアカデミー賞を総なめにした映画で──」
一ノ瀬は私の言葉に聞き入り、相槌を打っては細かく問い返してくる。
営業をしているせいなのか、さりげなく話を引き出そうとする。
質問のタイミングも内容も的確で、何より聞き上手だ。
コミュニケーション下手な私とは、大違いだ。
映画館でチケットを発券し、我々は席に着いた。
いつもであればプレミアシートを予約するのだが、今日は二人の為、普通のシートだ。
そのせいもあって、一ノ瀬との距離が近い。
肩が触れ合うほどの距離に座るのは、これが初めてかもしれない。
映画が始まる前、予告が流れている間にちらりと見ると、一ノ瀬は私の視線に気付いて口端を上げる。私の好きな、人好きのする笑みだ。
こんなに爽やかに笑える彼が、ベッドの上で豹変することを私は知っている。
意地の悪いことを言い、私を快楽に溺れさせようとしてくる。
──『美浜さん、もっと乱れていいんですよ?』
──『ほら、ここ突かれるの、好きですよね』
そんな台詞まで思い出されて、身体が熱くなった。
一ノ瀬は私の変化に気付いたのか、視線で問いかけてくる。
私は慌てて否定して、スクリーンに目を遣った。
それでも胸の高鳴りは抑えきれず、ぎゅっとこぶしを握り込む。
すると、一ノ瀬はその手に手を重ねてきた。
驚いて隣を見たが、そこで映画が始まって、私は言葉を呑み込んだ。
映画は、前にも観た通りのはずなのに、これまでとはまるで違った感想を抱いた。
それもこれも、すべては一ノ瀬のせいだ。
私はそれから約2時間、一ノ瀬の温もりを感じながら映画を鑑賞した。
映画館を出る頃には、頭の中がぼうっと霞むくらいに欲望で溢れていた。
もし、一ノ瀬に心を読む力があったなら、私の劣情に驚いたことだろう。
通りを歩いていると、一ノ瀬は映画について語り出した。
「あらすじからは想像できないくらいに、いい映画でしたね」
「たしかに。あらすじは酷いものになるだろうな」
端的に言えば、夫を殺して投獄された後、刑務所仲間とスターになる話だ。
私が笑うと、一ノ瀬もつられたように笑う。
「歌もダンスも、とても良かったです。ミュージカル映画ってあまり見ないんですが、こんなにいいのなら他も見てみたいです」
「それなら、今度また他の映画を見に行こう」
「ええ、是非」
ここで別れるつもりなのだろうか。
駅の方向に歩いていくうちに、私は危惧し始めていた。
私の肩に手を置き、軽く揺すった後、間近から顔を覗き込んでいる。
他の通行人が、私に気付いて起こそうとしているのか。
哀しみに打ちひしがれながら目を開けたところで、薄い色合いの瞳と視線がかち合った。
眼鏡の奥のその瞳の色に、心が震える。
なんてきれいな目だろうか。
この、日本人にしては明るい色合いの瞳を、いつかじっくりと真正面から見てみたいと思ってきた。鋭く険しい目つきではなく、優しい眼差しを向けられたいと。
「いちの、せ?」
「はい」
名前を呼ぶと目を瞬かせ、口端を上げて笑う。
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私は身体に戻ってきた寒さで、ベンチで寝入ってしまったことに気付く。
転寝している私を見て、一ノ瀬は戻って来てくれた。
その事実を知った途端に、頬が熱くなる。
「とりあえず、コーヒーでもどうですか?」
一ノ瀬はそう言って、私に手を伸ばす。
これは現実だろうか。
私はぼんやりと見返し、コクリと頷いた。
「ああ、そうだな」
抑えきれない感情が迸り、その手の温もりを放したくなくなった。
何とかして、一ノ瀬を引き留め、二人で過ごしたい。
私は破れかぶれになって、一ノ瀬に告げた。
「まずは、ホテルに行こう。──コーヒーなら明日の朝でいい」
「は……?」
既に酔いは覚めていた。
だが、私は酔ったふりで一ノ瀬を誘う。
これで断られたら、すごすごとタクシーで帰ろうと思っていた。
すると、一ノ瀬は思いも寄らないことを言う。
「タクシー代はありますよね」
「もちろんだ」
では、私とホテルに行くことを承諾したということか。
一ノ瀬は私をベンチに座らせてから、タクシーが通りかかるのを待っている。
その後ろ姿を見ながら、抱き着きたくて仕方がなかった。
「美浜部長、タクシーが来ましたよ」
そして、私を後部シートに先に乗せて、一ノ瀬もまた隣に座る。
気持ちが急いて、私は頭に浮かんだホテル名を告げた。
「サーントル東京まで」
あそこなら、いつだって泊まれる。
男同士で何をするか、私は何も知らない。
もし私が抱く側になったら、どうしたらいいのか。
むしろ、抱かれる側になって、すべてを一ノ瀬に任せてみるのがいいか。
だが、そんなのは取り越し苦労だろう。
一ノ瀬がそんなことまで許すとは思えない。
──ただ、キスをするだけでもいい。
私はタクシーの中で夢想しながら、ホテルに到着するのを待った。
あの時から、もうすぐ2か月が経とうとしている。
騙し討ちをしてしまったと罪悪感に苛まれた時もあった。
私は一ノ瀬の隙に付け入ったのだと。
それでも、どうしても一ノ瀬と二人で過ごして、距離を縮めたかった。
私自身を誤解されたままでいたくなかった。
そして、一ノ瀬のことをもっと知りたいと思っていた。
そのチャンスがついにやってきたのだと浮かれていたのだ。
あの時出会えた奇跡と、こうして恋人になれた幸運を噛み締めて、私はふと窓の外に目をやった。
すると、ガラス窓を隔てた向こうに、一ノ瀬の姿が見える。
もう待ち合わせ時間になっていたのかと、慌てて立ち上がろうとしたが、一ノ瀬は私に気付いて手を上げた。
そして、カフェの入り口を通って、私の傍へと歩いてくる。
バランスのいい、すらりとした体躯や、明るくさわやかな笑顔に、店内にいた者が熱い視線を送る。
だが、一ノ瀬はまったく気付いていない。
もしかしたら、自分の顔が良いことを理解していないのかもしれない。
そういうところに鈍感で無頓着なのだと、私は改めて実感した。
誰の目も気にせずに、自分を貫く。
そういうところは、3年前から変わらない。
「遅くなってすみません。待たせてしまったみたいですね」
一ノ瀬は、私の前の席に座って微笑んだ。
あまりにも眩しい笑顔に、胸がドクンと跳ねる。
私だけに向けられている穏やかな笑み。
たったそれだけで身体が疼き始めた。
「映画は、何時からでしたっけ」
「2時だ」
私は、一ノ瀬から目を逸らして、それだけ答えた。
心臓が痛いほどに早鐘を打ち、もう冷静ではいられない。
「じゃあ、コーヒーを飲む時間はありそうですね」
一ノ瀬は、近付いてきた店員にブレンドを頼み、天気の話を始めた。
「しばらくいい天気が続きそうですよね」
雲一つない青空に目を細めて言われて私は頷き、心の中で寂しい思いを抱く。
一ノ瀬はまだ、私に心を開いていないのかもしれない。
だから、こういう営業向きの天気の話題を振って、場を持たせようとしてくるのだろう。
その後も他愛無い話を続け、私はそれに頷いていた。
だが、本当は話の内容はもうどうでも良かった。
間近で一ノ瀬の顔が見られることで胸がいっぱいで、込み入った話をされても頭に入ってこなかっただろう。
「そろそろ行きますか?」
「そうだな」
カフェを出て、映画館に向かう道すがら、一ノ瀬はこれから見る映画について聞いてきた。
「ミュージカル映画でしたよね」
「そうだ。5年前にアカデミー賞を総なめにした映画で──」
一ノ瀬は私の言葉に聞き入り、相槌を打っては細かく問い返してくる。
営業をしているせいなのか、さりげなく話を引き出そうとする。
質問のタイミングも内容も的確で、何より聞き上手だ。
コミュニケーション下手な私とは、大違いだ。
映画館でチケットを発券し、我々は席に着いた。
いつもであればプレミアシートを予約するのだが、今日は二人の為、普通のシートだ。
そのせいもあって、一ノ瀬との距離が近い。
肩が触れ合うほどの距離に座るのは、これが初めてかもしれない。
映画が始まる前、予告が流れている間にちらりと見ると、一ノ瀬は私の視線に気付いて口端を上げる。私の好きな、人好きのする笑みだ。
こんなに爽やかに笑える彼が、ベッドの上で豹変することを私は知っている。
意地の悪いことを言い、私を快楽に溺れさせようとしてくる。
──『美浜さん、もっと乱れていいんですよ?』
──『ほら、ここ突かれるの、好きですよね』
そんな台詞まで思い出されて、身体が熱くなった。
一ノ瀬は私の変化に気付いたのか、視線で問いかけてくる。
私は慌てて否定して、スクリーンに目を遣った。
それでも胸の高鳴りは抑えきれず、ぎゅっとこぶしを握り込む。
すると、一ノ瀬はその手に手を重ねてきた。
驚いて隣を見たが、そこで映画が始まって、私は言葉を呑み込んだ。
映画は、前にも観た通りのはずなのに、これまでとはまるで違った感想を抱いた。
それもこれも、すべては一ノ瀬のせいだ。
私はそれから約2時間、一ノ瀬の温もりを感じながら映画を鑑賞した。
映画館を出る頃には、頭の中がぼうっと霞むくらいに欲望で溢れていた。
もし、一ノ瀬に心を読む力があったなら、私の劣情に驚いたことだろう。
通りを歩いていると、一ノ瀬は映画について語り出した。
「あらすじからは想像できないくらいに、いい映画でしたね」
「たしかに。あらすじは酷いものになるだろうな」
端的に言えば、夫を殺して投獄された後、刑務所仲間とスターになる話だ。
私が笑うと、一ノ瀬もつられたように笑う。
「歌もダンスも、とても良かったです。ミュージカル映画ってあまり見ないんですが、こんなにいいのなら他も見てみたいです」
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