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第二章 捜索
寮監督生セオドフ
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あの人は、水魔法の使い手だった。
なら、今僕の記憶にその人の存在がないのは、彼が僕の記憶を操作したからかもしれない。
どうしてそこまでしたんだろう。
僕に知られることが、よほど嫌だったのか。
あれは、治療だった。
キスも愛撫も、催淫剤で狂っていた僕の身体を慰めるためのものだ。
きっと、僕に触りたくなかったのだ。
だから、僕の記憶から消して、関わり合いになるのを避けようとした。
僕は、そう考えたのだが、一方で疑問も抱いていた。
そこまで徹底する必要なんて、本当にあるのか。
違うとしたら、他にどんな理由が考えられるのか。
僕は悶々としたまま水魔法の授業を聞き終えて、教室を出た。
すべては、その人に再会すれば分かるはずだ。
だが、そのためにはやはり待つのではなく、僕が探し出さなければならない。
僕はそこで一旦考えるのを止めた。
そして、午後の授業の前に昼食を摂ろうと、僕は食堂に向かってハーヴェイと歩いていた。
「さっきはありがとな。起こしてくれて助かった」
ちょうど先生がハーヴェイを指す直前に起こしたため、居眠りに気付かれずに答えることができたのだ。
「やっぱり、水魔法の授業は苦手だ」
「火魔法の授業の方が楽しい?」
僕が水を向けてみると、ハーヴェイは首を振る。
「実践は楽しいけど、それ以外は全部苦痛」
げんなりしたように言われて、僕は苦笑するしかない。
僕にとって授業はどれも楽しい。
ただ、もう少し実力があればと思うことはある。
無いものねだりなんだろうけど。
せっかく魔法学校に入ったというのに、座学だけで実際は使えないなんて勿体なさ過ぎる。
人によっては、カレッジで学んでいるうちに刺激されて、いきなり開花することもあるらしい。でも、それは奇跡に近い。刺激があればと思うこともあったが、さすがに夢を見てばかりもいられない。
食堂の入り口辺りまで歩いていくと、一人の生徒が数人に囲まれているのが目に留まった。周りより頭一つ高い身長、輝く銀の髪。監督生以上が身に着ける白いボウタイも見える。
あれは、僕たちの寮の代表である、セオドフだ。
「どうしたんだろ」
僕がそう言うと、ハーヴェイは肩を竦める。
「一年が隣に座りたがって列を作ってるのさ」
噂には聞いたことがあったけれど、これまで見たことはなかった。
監督生、特に二年で寮監督になった者は、将来的に全寮代表や生徒代表といった「カレッジヘッド」に選出される可能性がある。もし生徒代表になれば、卒業後も一目置かれて、国から高い地位を与えられることもあるという。だから、在学している間にカレッジヘッドや候補生と関係を築こうとするものが多くいる。
特に身の回りの世話をするファグになれれば、他の生徒より圧倒的に有利になる。
セオドフは、今までファグマスターになったことはないらしく、一年生は今熾烈な競争を繰り返しているようだ。
僕たちが、セオドフの横を通って食堂に入っていこうとすると、どうやらこちらに気付いたらしく声を掛けてきた。
「ノア、良かった。ちょうどお前と話したいと思っていたんだよ」
そして、一年生の人垣をかき分けて、僕の方へと歩み寄る。
ポンと肩に手を乗せ、僕の耳元に顔を寄せて声を潜めて言う。
「頼む。逃げたいから付き合って」
「一緒にお昼を食べるってことですか?」
「そう。隣に座らせてよ」
片目を瞑って言われては、断り切れない。
「あー、俺はあっちに座るから、またな、ノア」
ハーヴェイは、僕を置いて一人で食堂に入っていく。
そうして、その場には僕とセオドフのみが残った。
「じゃあ、ノアは二年のところで食べればいい」
「え……それは……」
ちらりと横目で窺うと、殺気だった一年がこちらを見ている。
とても危険な状況なんじゃないかと思ったが、今更離れるのは無理だ。
僕は、セオドフと並んで料理を取りに行き、二年の席に座った。
「おー、なんだ今日はノアなんて侍らせちゃって」
「監督生の特権ってやつか?」
周囲の二年生が揶揄ってきて、セオドフは愛想よく答えている。
「そう、俺は特権があるからノアと食べられるんだ。羨ましいか?」
僕と食べることに特権も何もない。
若干居心地の悪さは感じたが、僕はセオドフの向かい側の席に座った。
食事を始めて、まだ数分というところで、セオドフは話を振ってきた。
「この間の夜は、大変だったな」
「……はい」
僕が肯定すると、眉根を下げて一つ息を吐く。
「なかなか寮に帰ってこないから、周囲に聞いて歩いたんだ。旧校舎に行ったと聞いた時には焦ったぞ」
その一言に、僕はハッとしてカトラリーを持つ手を止めた。
僕がいた場所が旧校舎だと、セオドフは知っている。
では、僕を探しに旧校舎まで来たのだろうか。
まさか、僕を慰めたのは、セオドフなのか?
僕は、セオドフの薄青の瞳をじっと見つめ、その続きを待った。
「アレン先生から無事を知らされた時には、ホッとしてその場で倒れそうになったよ」
自分の胸を押さえて撫でているセオドフを、僕は観察し続けた。
どこかに嘘はないか。話は破綻していないか。何かを隠してはいないか。
「マックスたちに一人で立ち向かうなんて、命知らずだ」
マックスのことまで、セオドフは知っている。
どくりと心臓が跳ね、喉が干上がった。
真相を究明するためには、一体どんな質問をするべきだろう。
何が起きたのかは明言せず、且つセオドフがどう関わっていたかを明確にする問い。
僕は考えた末に、セオドフに言った。
「セオドフさんがアレン先生に会ったのは、いつ頃でしたか?」
僕がマックスたちに囲まれていたのは、8時ぐらいだったはずだ。
もし、アレン先生よりも前に僕のところに来ていたのなら、そのくらいの時間帯だろう。
「たしか、11時くらいだった。門限を過ぎていたから、よく覚えている」
11時。それなら、僕はもう医務室で手当てをされて寝入っていた。
「ハーヴェイも探しに行くと言い出してね。止めるのが大変だったよ」
たしかに、寮監督生なら夜の8時台に外をうろつくことはないだろう。
しかもハーヴェイを止めていたというのなら、尚更不可能だ。
これで、セオドフだけじゃなく、ハーヴェイも候補から外れる。
僕は、セオドフの瞳から視線を下げて、胸元や手も確認する。
あの人とは違い、セオドフはやせ形で胸板はそれほど熱くない。
それに、指は長いが、骨ばっていてごつごつしている。
僕に触れたのは、もっと滑らかで──。
僕は一度目を閉じ、あの人のことを思い浮かべた。
「どうした、ノア。食欲がないのか?」
喋りかける声も、あの人からはかけ離れている。
僕は首を振って否定し、またカトラリーを動かした。
こんな調子では、たどり着くまでに何年もかかってしまいそうだ。
僕は、セオドフの話に耳を傾けながら、次の候補について考え始めた。
なら、今僕の記憶にその人の存在がないのは、彼が僕の記憶を操作したからかもしれない。
どうしてそこまでしたんだろう。
僕に知られることが、よほど嫌だったのか。
あれは、治療だった。
キスも愛撫も、催淫剤で狂っていた僕の身体を慰めるためのものだ。
きっと、僕に触りたくなかったのだ。
だから、僕の記憶から消して、関わり合いになるのを避けようとした。
僕は、そう考えたのだが、一方で疑問も抱いていた。
そこまで徹底する必要なんて、本当にあるのか。
違うとしたら、他にどんな理由が考えられるのか。
僕は悶々としたまま水魔法の授業を聞き終えて、教室を出た。
すべては、その人に再会すれば分かるはずだ。
だが、そのためにはやはり待つのではなく、僕が探し出さなければならない。
僕はそこで一旦考えるのを止めた。
そして、午後の授業の前に昼食を摂ろうと、僕は食堂に向かってハーヴェイと歩いていた。
「さっきはありがとな。起こしてくれて助かった」
ちょうど先生がハーヴェイを指す直前に起こしたため、居眠りに気付かれずに答えることができたのだ。
「やっぱり、水魔法の授業は苦手だ」
「火魔法の授業の方が楽しい?」
僕が水を向けてみると、ハーヴェイは首を振る。
「実践は楽しいけど、それ以外は全部苦痛」
げんなりしたように言われて、僕は苦笑するしかない。
僕にとって授業はどれも楽しい。
ただ、もう少し実力があればと思うことはある。
無いものねだりなんだろうけど。
せっかく魔法学校に入ったというのに、座学だけで実際は使えないなんて勿体なさ過ぎる。
人によっては、カレッジで学んでいるうちに刺激されて、いきなり開花することもあるらしい。でも、それは奇跡に近い。刺激があればと思うこともあったが、さすがに夢を見てばかりもいられない。
食堂の入り口辺りまで歩いていくと、一人の生徒が数人に囲まれているのが目に留まった。周りより頭一つ高い身長、輝く銀の髪。監督生以上が身に着ける白いボウタイも見える。
あれは、僕たちの寮の代表である、セオドフだ。
「どうしたんだろ」
僕がそう言うと、ハーヴェイは肩を竦める。
「一年が隣に座りたがって列を作ってるのさ」
噂には聞いたことがあったけれど、これまで見たことはなかった。
監督生、特に二年で寮監督になった者は、将来的に全寮代表や生徒代表といった「カレッジヘッド」に選出される可能性がある。もし生徒代表になれば、卒業後も一目置かれて、国から高い地位を与えられることもあるという。だから、在学している間にカレッジヘッドや候補生と関係を築こうとするものが多くいる。
特に身の回りの世話をするファグになれれば、他の生徒より圧倒的に有利になる。
セオドフは、今までファグマスターになったことはないらしく、一年生は今熾烈な競争を繰り返しているようだ。
僕たちが、セオドフの横を通って食堂に入っていこうとすると、どうやらこちらに気付いたらしく声を掛けてきた。
「ノア、良かった。ちょうどお前と話したいと思っていたんだよ」
そして、一年生の人垣をかき分けて、僕の方へと歩み寄る。
ポンと肩に手を乗せ、僕の耳元に顔を寄せて声を潜めて言う。
「頼む。逃げたいから付き合って」
「一緒にお昼を食べるってことですか?」
「そう。隣に座らせてよ」
片目を瞑って言われては、断り切れない。
「あー、俺はあっちに座るから、またな、ノア」
ハーヴェイは、僕を置いて一人で食堂に入っていく。
そうして、その場には僕とセオドフのみが残った。
「じゃあ、ノアは二年のところで食べればいい」
「え……それは……」
ちらりと横目で窺うと、殺気だった一年がこちらを見ている。
とても危険な状況なんじゃないかと思ったが、今更離れるのは無理だ。
僕は、セオドフと並んで料理を取りに行き、二年の席に座った。
「おー、なんだ今日はノアなんて侍らせちゃって」
「監督生の特権ってやつか?」
周囲の二年生が揶揄ってきて、セオドフは愛想よく答えている。
「そう、俺は特権があるからノアと食べられるんだ。羨ましいか?」
僕と食べることに特権も何もない。
若干居心地の悪さは感じたが、僕はセオドフの向かい側の席に座った。
食事を始めて、まだ数分というところで、セオドフは話を振ってきた。
「この間の夜は、大変だったな」
「……はい」
僕が肯定すると、眉根を下げて一つ息を吐く。
「なかなか寮に帰ってこないから、周囲に聞いて歩いたんだ。旧校舎に行ったと聞いた時には焦ったぞ」
その一言に、僕はハッとしてカトラリーを持つ手を止めた。
僕がいた場所が旧校舎だと、セオドフは知っている。
では、僕を探しに旧校舎まで来たのだろうか。
まさか、僕を慰めたのは、セオドフなのか?
僕は、セオドフの薄青の瞳をじっと見つめ、その続きを待った。
「アレン先生から無事を知らされた時には、ホッとしてその場で倒れそうになったよ」
自分の胸を押さえて撫でているセオドフを、僕は観察し続けた。
どこかに嘘はないか。話は破綻していないか。何かを隠してはいないか。
「マックスたちに一人で立ち向かうなんて、命知らずだ」
マックスのことまで、セオドフは知っている。
どくりと心臓が跳ね、喉が干上がった。
真相を究明するためには、一体どんな質問をするべきだろう。
何が起きたのかは明言せず、且つセオドフがどう関わっていたかを明確にする問い。
僕は考えた末に、セオドフに言った。
「セオドフさんがアレン先生に会ったのは、いつ頃でしたか?」
僕がマックスたちに囲まれていたのは、8時ぐらいだったはずだ。
もし、アレン先生よりも前に僕のところに来ていたのなら、そのくらいの時間帯だろう。
「たしか、11時くらいだった。門限を過ぎていたから、よく覚えている」
11時。それなら、僕はもう医務室で手当てをされて寝入っていた。
「ハーヴェイも探しに行くと言い出してね。止めるのが大変だったよ」
たしかに、寮監督生なら夜の8時台に外をうろつくことはないだろう。
しかもハーヴェイを止めていたというのなら、尚更不可能だ。
これで、セオドフだけじゃなく、ハーヴェイも候補から外れる。
僕は、セオドフの瞳から視線を下げて、胸元や手も確認する。
あの人とは違い、セオドフはやせ形で胸板はそれほど熱くない。
それに、指は長いが、骨ばっていてごつごつしている。
僕に触れたのは、もっと滑らかで──。
僕は一度目を閉じ、あの人のことを思い浮かべた。
「どうした、ノア。食欲がないのか?」
喋りかける声も、あの人からはかけ離れている。
僕は首を振って否定し、またカトラリーを動かした。
こんな調子では、たどり着くまでに何年もかかってしまいそうだ。
僕は、セオドフの話に耳を傾けながら、次の候補について考え始めた。
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