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第七章 新たな住人
第126話 ゴブリン掃討戦終了
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俺たちは、ゴブリンを倒し続けた。
倒しても、倒しても、終わりなく湧いて出てくる
それこそ、千匹は倒したのではないだろうか?
ジリジリと包囲の輪を狭めると、数を減らしたゴブリンたちは遂に逃げ出した。
ヤツラが逃げ込んだのは、山の斜面にある小さな洞窟だ。
ここがゴブリンの巣らしい。
入り口でたき火をたき、煙攻めをするとゴブリンはたまらず飛び出してきた。
「ご苦労さん!」
ミディアムたち新人冒険者たちが嬉々として、生き残りゴブリンを狩った。
ゴブリンの掃討が終わったが、念のためゴブリンの巣――小さな洞窟の中を確認しなくてはならない。
俺は黒丸師匠と洞窟の中をのぞき込むが、暗くてよく見えない。
「ライト!」
ルーナ先生が、光魔法で洞窟の中を明るく照らす。
洞窟の入り口は小さいが、中は広そうだ。
「俺が先行しますよ」
背の低い俺が先行する。
右手に剣を持ち、警戒しながら進む。
入り口から一メートルほどで、天井が高くなり洞窟は奥へ広がっている。
さらに、十メートルほど歩くと、洞窟は大きなホールになっていた。
床のあたりで何かが光った。
近づいて見ると、高さ三十センチくらいの光る石だ。
形はタケノコ状で無色透明。
まるで地面から生えているようだ。
鍾乳石?
いや、石筍というのだったか……。
それとも水晶だろうか?
後ろからついてきているルーナ先生と黒丸師匠を手招きする。
「ルーナ先生! 黒丸師匠! これは何でしょうか?」
「ははあ……これは魔石であるな。前に見たことがあるのである」
「魔石ですか? 水晶ではないのですか?」
黒丸師匠は、この地面から生えている石が魔石だと言う。
どちらかというと水晶っぽいが……。
俺の疑問にルーナ先生が答えてくれた。
「水晶はもっと角張っていて、ゴツゴツしている。この石は丸みを帯びているだろう? これは、地中から溢れる魔力が結晶化した魔石」
「地中の魔力ですか……」
そう言えば……、『魔力は地中から溢れ出てくる』という説を聞いたことがある。
その説によれば――。
地中には『魔力の塊』や『魔力の通り道』がある。
その『魔力の塊』や『魔力の通り道』が地表に近いと、そこから魔力が溢れ出る。
魔物は、地中から溢れ出た魔力が生み出した生物である。
――との事だ。
この説に従えば、地面からタケノコのように生えた、この魔石の存在も説明がつく。
「色が透明だから、無属性の魔石でしょうか?」
「恐らく無属性。掘り出して持って帰れば、グースに使える」
「一抱えあるサイズですからね。ゴブリン何匹分だろう? 使いでがありますね」
「私は食べ物の方が良かった。キノコとか」
「ゴブリンの巣に生えているキノコですか? 生えていても食べませんよ!」
俺とルーナ先生の話を白狼族のサラが遮ぎった。
「オイ! もっと灯りを! 奥だ! 奥の方だ!」
「奥?」
奥の方はボンヤリ暗くてよく見えないが、夜目の利くサラは見えているようだ。
何があるのだろう?
ルーナ先生が、光魔法で複数の光源を奥へ飛ばす。
「えっ!?」
「なっ!?」
「なんであるか!?」
俺たちの目の前には、無数に光る魔石の柱があった。
洞窟は巨大なホールになっていて、奥の方までキノコ畑のように魔石の柱が生えているのだ。
光の反射を受けて、キラキラと光る無数の魔石の柱。
幻想的な光景だ。
「これは……大規模な魔石群であるな!」
「私もこれほどの規模は見たことがない。ゴブリンがあれだけ、湧いて出たのも納得。余程強い魔力の塊が、この洞窟の下にあるのだろう」
冒険の経験が豊富なルーナ先生と黒丸師匠が、見たことがないほど大規模な魔石群。
洞窟に入ってきたゴブリン討伐隊のメンバーたちは、声を出すのも忘れ、目の前の光景に見入っている。
あたりを見回しているうちに、俺は別のことに気が付いた。
洞窟の床が、所々うっすらと青く光っているのだ。
「床も光っていませんか? 何か……、うっすらと青く……」
「床?」
「床であるか?」
ルーナ先生と黒丸師匠がかがんで、床を凝視する。
手で触り、そばに落ちている石を拾い上げ二人で確認をしている。
やがて、ルーナ先生が血相を変えて叫んだ。
「アンジェロ! すぐにエール樽を連れて来い!」
「エール樽?」
「あのドワーフ! ホレックを転移で連れて来て!」
あまり感情を表に出さないルーナ先生が、珍しく慌てている。
俺は転移魔法でゲートをホレック工房につなぎ、急いでホレックのおっちゃんを連れてきた。
「なんだ? なんだ? アンジェロの兄ちゃんが慌てて来たと思ったら……。ほう! これは見事な魔石群だな!」
ホレックのおっちゃんは、ゲートから出ると一面に光り輝く魔石群を見て感嘆の声をあげた。
でも、ホレックのおっちゃんを呼んだ用件は、それじゃない。
「ホレックのおっちゃん! その魔石の柱じゃなくて、床を見て欲しい。所々青く光っているでしょ? これは何?」
「あん? 青く光って――」
そこまで言うと、ホレックのおっちゃんは、ガバッと床に四つん這いになった。
床をなめそうな勢いで、所々青く光っている箇所を凝視している。
「これは……いや、間違いねえ……」
ホレックのおっちゃんは、ぶつくさと独り言をつぶやきながら、所々青く光る石のかけらを拾い上げたり、洞窟の奥の方へ走り出したり、そしてまた四つん這いになったりと、夢中で洞窟を調べだした。
ホレックのおっちゃんの尋常ではない様子に、ミディアムたち新人冒険者たちも『一体何事が?』と困惑しきりだ。
「なあ、黒丸のダンナ! あのドワーフは、一体全体どうしちまったんだ?」
ミディアムが黒丸師匠に、状況説明を求める。
俺も状況を知りたい。
所々青い石、所々青いこの床が、何だというのか?
だが、黒丸師匠は、答えを言わない。
「待つのである、ミディアム。待つのである……」
「いや、待つけどよ。何が起こっているか教えてくれたって良いだろう?」
「確定していないことを話すのは良くないのである。ただ……もし、それがしやルーナの予想が正しければ――」
「正しかったら、なんでえ?」
「トンデモナイ事になるのである」
「チッ! 思わせぶりだなあ、オイ!」
俺たちがジリジリして待っていると、ホレックのおっちゃんが洞窟の奥から戻ってきた。
目を大きく見開いて、大興奮だ。
俺の両肩を物凄い力でつかむと、ゆさゆさ揺さぶりながら話し出した。
「スゲエ! スゲエぞ! オイ!」
「おっちゃん! どうしたの!? 何が凄いの!?」
「バカ野郎! わかんねえのか! これだ! これ!」
おっちゃんは、所々青く光る石を高く掲げて見せた。
ゴブリン討伐隊全員の視線が、ホレックのおっちゃんが手に持った石に集まる。
「その石がなんなの?」
「これはミスリル鉱石だ!」
「ミス……。えっ!? ミスリル!? ミスリル鉱石!? 本当に!?」
ホレックのおっちゃんのミスリル発言に、ゴブリン討伐隊全員がざわつく。
「えっ!?」
「ウソだろう!?」
「あれがミスリル?」
「鉱石……つまり原石って事か? 初めて見たぜ!」
「なあ……、ミスリルって恐ろしく高価だよな?」
あちこちから、驚き、興奮した声が聞こえてくる。
俺は、ミスリルのインゴットしか見たことがない。
地中にあるミスリル鉱石は、初めて見た。
鍛冶師やミスリル鉱山で働いていなければ、ミスリル鉱石に触れる機会はないのだ。
たぶん、他の連中も俺と同じだ。
ミスリルの武器や防具は見たことがあっても、ミスリル鉱石なんて見たことがないのだろう。
「なあ、ホレックのおっちゃん! 間違いなくミスリルなのか?」
俺の問いにホレックのおっちゃんは、力強く答えた。
「ああ、間違いねえ! ここはミスリルの大規模鉱床だ!」
「「「「「大規模鉱床!?」」」」」
「洞窟の奥までざっと見てきたが、一面魔石の柱とミスリル鉱石だらけだった。地中に埋まっている分もあるだろうから……全体の分量は想像もつかねえな!」
「とんでもないお宝を見つけてしまったのである」
「ああ、まったくだ! これでミスリルを使い放題だぜ!」
「うわー! やったー!」
俺は飛び跳ね、ルーナ先生に抱きついた。
「ふふ……良かったな。アンジェロ」
「これでアンジェロ領は安泰ですよ! ミスリル鉱石の出荷だけで、食っていけます!」
「そうだな。グースや魔道具の開発も捗る。妹のニーナも喜ぶ」
黒丸師匠がゴブリン討伐隊のメンバーに、分け前について説明をし始めた。
「こういったケースは、非常に珍しいのであるが、冒険者が新たに鉱山を発見した場合の取り決めがあるのである」
「お、お、お……、俺たちも、もらえるんだよな?」
「もちろんである。分け方は、領主が『六』、ギルドが『四』である。そして、発見した冒険者にギルドの取り分『四』から、手数料を引いて按分するのである。まあ、とにかく、滅多にない……。ギルドでは伝説級の話であるな」
黒丸師匠の説明を聞いて、みんな大興奮だ。
「すげえ! すげえよ!」
「大発見!」
「やった! 大金持ちだ!」
「俺たち伝説だってよ!」
「そりゃ、そうだよ! だって、聞いたことあるか!? ミスリル鉱山の発見だぜ!?」
伝説級か!
確かにミスリル鉱山を発見したなんて話は聞いたことがない。
ギルドの取り分が『四』で、『四』を参加したメンバーで頭割りするにしても、相当な額になるだろう。
「毎月、毎月、かなりまとまった額が支払われるのである。この鉱山が枯渇するまで続くのである。ホレックが大規模と言っていたので、ひょっとしたら一生続くかもしれないのである。良かったであるな!」
「すげえ! 飲み放題だ!」
「焼き肉食い放題じゃねえか!」
「バカ! 焼き肉どころか、家を買っても大丈夫だよ!」
「俺……冒険者やめて、田舎に帰って結婚しようかな……」
誰かがフラグっぽい事を言ったのを聞いて、俺は苦笑したが、みんながハッピーで何よりだ。
こうしてゴブリン退治は、最高の結果を得て終了した。
キャランフィールドに戻ったら、間違いなく大宴会になるだろう。
クイックの在庫を出そう。
みんな! 飲み過ぎるなよ!
倒しても、倒しても、終わりなく湧いて出てくる
それこそ、千匹は倒したのではないだろうか?
ジリジリと包囲の輪を狭めると、数を減らしたゴブリンたちは遂に逃げ出した。
ヤツラが逃げ込んだのは、山の斜面にある小さな洞窟だ。
ここがゴブリンの巣らしい。
入り口でたき火をたき、煙攻めをするとゴブリンはたまらず飛び出してきた。
「ご苦労さん!」
ミディアムたち新人冒険者たちが嬉々として、生き残りゴブリンを狩った。
ゴブリンの掃討が終わったが、念のためゴブリンの巣――小さな洞窟の中を確認しなくてはならない。
俺は黒丸師匠と洞窟の中をのぞき込むが、暗くてよく見えない。
「ライト!」
ルーナ先生が、光魔法で洞窟の中を明るく照らす。
洞窟の入り口は小さいが、中は広そうだ。
「俺が先行しますよ」
背の低い俺が先行する。
右手に剣を持ち、警戒しながら進む。
入り口から一メートルほどで、天井が高くなり洞窟は奥へ広がっている。
さらに、十メートルほど歩くと、洞窟は大きなホールになっていた。
床のあたりで何かが光った。
近づいて見ると、高さ三十センチくらいの光る石だ。
形はタケノコ状で無色透明。
まるで地面から生えているようだ。
鍾乳石?
いや、石筍というのだったか……。
それとも水晶だろうか?
後ろからついてきているルーナ先生と黒丸師匠を手招きする。
「ルーナ先生! 黒丸師匠! これは何でしょうか?」
「ははあ……これは魔石であるな。前に見たことがあるのである」
「魔石ですか? 水晶ではないのですか?」
黒丸師匠は、この地面から生えている石が魔石だと言う。
どちらかというと水晶っぽいが……。
俺の疑問にルーナ先生が答えてくれた。
「水晶はもっと角張っていて、ゴツゴツしている。この石は丸みを帯びているだろう? これは、地中から溢れる魔力が結晶化した魔石」
「地中の魔力ですか……」
そう言えば……、『魔力は地中から溢れ出てくる』という説を聞いたことがある。
その説によれば――。
地中には『魔力の塊』や『魔力の通り道』がある。
その『魔力の塊』や『魔力の通り道』が地表に近いと、そこから魔力が溢れ出る。
魔物は、地中から溢れ出た魔力が生み出した生物である。
――との事だ。
この説に従えば、地面からタケノコのように生えた、この魔石の存在も説明がつく。
「色が透明だから、無属性の魔石でしょうか?」
「恐らく無属性。掘り出して持って帰れば、グースに使える」
「一抱えあるサイズですからね。ゴブリン何匹分だろう? 使いでがありますね」
「私は食べ物の方が良かった。キノコとか」
「ゴブリンの巣に生えているキノコですか? 生えていても食べませんよ!」
俺とルーナ先生の話を白狼族のサラが遮ぎった。
「オイ! もっと灯りを! 奥だ! 奥の方だ!」
「奥?」
奥の方はボンヤリ暗くてよく見えないが、夜目の利くサラは見えているようだ。
何があるのだろう?
ルーナ先生が、光魔法で複数の光源を奥へ飛ばす。
「えっ!?」
「なっ!?」
「なんであるか!?」
俺たちの目の前には、無数に光る魔石の柱があった。
洞窟は巨大なホールになっていて、奥の方までキノコ畑のように魔石の柱が生えているのだ。
光の反射を受けて、キラキラと光る無数の魔石の柱。
幻想的な光景だ。
「これは……大規模な魔石群であるな!」
「私もこれほどの規模は見たことがない。ゴブリンがあれだけ、湧いて出たのも納得。余程強い魔力の塊が、この洞窟の下にあるのだろう」
冒険の経験が豊富なルーナ先生と黒丸師匠が、見たことがないほど大規模な魔石群。
洞窟に入ってきたゴブリン討伐隊のメンバーたちは、声を出すのも忘れ、目の前の光景に見入っている。
あたりを見回しているうちに、俺は別のことに気が付いた。
洞窟の床が、所々うっすらと青く光っているのだ。
「床も光っていませんか? 何か……、うっすらと青く……」
「床?」
「床であるか?」
ルーナ先生と黒丸師匠がかがんで、床を凝視する。
手で触り、そばに落ちている石を拾い上げ二人で確認をしている。
やがて、ルーナ先生が血相を変えて叫んだ。
「アンジェロ! すぐにエール樽を連れて来い!」
「エール樽?」
「あのドワーフ! ホレックを転移で連れて来て!」
あまり感情を表に出さないルーナ先生が、珍しく慌てている。
俺は転移魔法でゲートをホレック工房につなぎ、急いでホレックのおっちゃんを連れてきた。
「なんだ? なんだ? アンジェロの兄ちゃんが慌てて来たと思ったら……。ほう! これは見事な魔石群だな!」
ホレックのおっちゃんは、ゲートから出ると一面に光り輝く魔石群を見て感嘆の声をあげた。
でも、ホレックのおっちゃんを呼んだ用件は、それじゃない。
「ホレックのおっちゃん! その魔石の柱じゃなくて、床を見て欲しい。所々青く光っているでしょ? これは何?」
「あん? 青く光って――」
そこまで言うと、ホレックのおっちゃんは、ガバッと床に四つん這いになった。
床をなめそうな勢いで、所々青く光っている箇所を凝視している。
「これは……いや、間違いねえ……」
ホレックのおっちゃんは、ぶつくさと独り言をつぶやきながら、所々青く光る石のかけらを拾い上げたり、洞窟の奥の方へ走り出したり、そしてまた四つん這いになったりと、夢中で洞窟を調べだした。
ホレックのおっちゃんの尋常ではない様子に、ミディアムたち新人冒険者たちも『一体何事が?』と困惑しきりだ。
「なあ、黒丸のダンナ! あのドワーフは、一体全体どうしちまったんだ?」
ミディアムが黒丸師匠に、状況説明を求める。
俺も状況を知りたい。
所々青い石、所々青いこの床が、何だというのか?
だが、黒丸師匠は、答えを言わない。
「待つのである、ミディアム。待つのである……」
「いや、待つけどよ。何が起こっているか教えてくれたって良いだろう?」
「確定していないことを話すのは良くないのである。ただ……もし、それがしやルーナの予想が正しければ――」
「正しかったら、なんでえ?」
「トンデモナイ事になるのである」
「チッ! 思わせぶりだなあ、オイ!」
俺たちがジリジリして待っていると、ホレックのおっちゃんが洞窟の奥から戻ってきた。
目を大きく見開いて、大興奮だ。
俺の両肩を物凄い力でつかむと、ゆさゆさ揺さぶりながら話し出した。
「スゲエ! スゲエぞ! オイ!」
「おっちゃん! どうしたの!? 何が凄いの!?」
「バカ野郎! わかんねえのか! これだ! これ!」
おっちゃんは、所々青く光る石を高く掲げて見せた。
ゴブリン討伐隊全員の視線が、ホレックのおっちゃんが手に持った石に集まる。
「その石がなんなの?」
「これはミスリル鉱石だ!」
「ミス……。えっ!? ミスリル!? ミスリル鉱石!? 本当に!?」
ホレックのおっちゃんのミスリル発言に、ゴブリン討伐隊全員がざわつく。
「えっ!?」
「ウソだろう!?」
「あれがミスリル?」
「鉱石……つまり原石って事か? 初めて見たぜ!」
「なあ……、ミスリルって恐ろしく高価だよな?」
あちこちから、驚き、興奮した声が聞こえてくる。
俺は、ミスリルのインゴットしか見たことがない。
地中にあるミスリル鉱石は、初めて見た。
鍛冶師やミスリル鉱山で働いていなければ、ミスリル鉱石に触れる機会はないのだ。
たぶん、他の連中も俺と同じだ。
ミスリルの武器や防具は見たことがあっても、ミスリル鉱石なんて見たことがないのだろう。
「なあ、ホレックのおっちゃん! 間違いなくミスリルなのか?」
俺の問いにホレックのおっちゃんは、力強く答えた。
「ああ、間違いねえ! ここはミスリルの大規模鉱床だ!」
「「「「「大規模鉱床!?」」」」」
「洞窟の奥までざっと見てきたが、一面魔石の柱とミスリル鉱石だらけだった。地中に埋まっている分もあるだろうから……全体の分量は想像もつかねえな!」
「とんでもないお宝を見つけてしまったのである」
「ああ、まったくだ! これでミスリルを使い放題だぜ!」
「うわー! やったー!」
俺は飛び跳ね、ルーナ先生に抱きついた。
「ふふ……良かったな。アンジェロ」
「これでアンジェロ領は安泰ですよ! ミスリル鉱石の出荷だけで、食っていけます!」
「そうだな。グースや魔道具の開発も捗る。妹のニーナも喜ぶ」
黒丸師匠がゴブリン討伐隊のメンバーに、分け前について説明をし始めた。
「こういったケースは、非常に珍しいのであるが、冒険者が新たに鉱山を発見した場合の取り決めがあるのである」
「お、お、お……、俺たちも、もらえるんだよな?」
「もちろんである。分け方は、領主が『六』、ギルドが『四』である。そして、発見した冒険者にギルドの取り分『四』から、手数料を引いて按分するのである。まあ、とにかく、滅多にない……。ギルドでは伝説級の話であるな」
黒丸師匠の説明を聞いて、みんな大興奮だ。
「すげえ! すげえよ!」
「大発見!」
「やった! 大金持ちだ!」
「俺たち伝説だってよ!」
「そりゃ、そうだよ! だって、聞いたことあるか!? ミスリル鉱山の発見だぜ!?」
伝説級か!
確かにミスリル鉱山を発見したなんて話は聞いたことがない。
ギルドの取り分が『四』で、『四』を参加したメンバーで頭割りするにしても、相当な額になるだろう。
「毎月、毎月、かなりまとまった額が支払われるのである。この鉱山が枯渇するまで続くのである。ホレックが大規模と言っていたので、ひょっとしたら一生続くかもしれないのである。良かったであるな!」
「すげえ! 飲み放題だ!」
「焼き肉食い放題じゃねえか!」
「バカ! 焼き肉どころか、家を買っても大丈夫だよ!」
「俺……冒険者やめて、田舎に帰って結婚しようかな……」
誰かがフラグっぽい事を言ったのを聞いて、俺は苦笑したが、みんながハッピーで何よりだ。
こうしてゴブリン退治は、最高の結果を得て終了した。
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みんな! 飲み過ぎるなよ!
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