お姉様、今度は貴方の恋人をもらいますわ。何でも奪っていく妹はそう言っていますが、その方は私の恋人ではありませんよ?

柚木ゆず

文字の大きさ
22 / 38

第11話 知る妹 ニネット視点(2)

しおりを挟む
「ネズレントの姓を捨てて……。ニエダスク家の養女となって……。フレデリク様と婚約して、一緒に暮らすようになって……。必要な準備が整い次第、結婚をする……」

 昨日の夕方――わたくしが欠席をしていた、学院の卒業式。そちらが済んだ後2人でやって来て……。そんな説明をして、2人で去ったみたい……。
 しかも…………。

「フレデリク様は、わたくし達の行動を知っていて……」

 わたくし達3人に、何かある。お楽しみに。
 そう仰られた、みたい……。

「いっ、いつの間に!? いつお姉様とフレデリク様はっ、そんなにも親密な関係になりましたの!?」

 あの2人は生徒会長と副会長で、距離は近かった! でも、だからこそっ。わたくしは常にチェックをしていて、あの人たちの間に恋愛感情は一切なかった。
 婚約者はおろか、恋人にだってなる気配はなかったのにっ。どうなっているんですの……!?

「……もしかして……。わたくしが学院を欠席している間に、急接近した……!?」

 いいえっ、それはあり得ない! 時々登院した際はそんな噂を聞かなかったっ。時々前生徒会長副会長として、昼などに会っているだけだったはず! 以前よりも一緒にいる時間は遥かに減っていて、そんな仲になるなんて思えない……っ。

「なぜなぜなぜなぜ!? あり得ないことが有り得ていますの――あっ、もう一枚便箋が入っていたんですのね! こっちに詳細が記されているかもしれな――…………」

 見落としてしまっていた、2枚目の便箋。ソレの前半に、ちゃんと記されていた。
 あの2人は、生徒会の任期中に関係を深めていて……。とっくに両想いになっていたけれど、わたくし達に悟られないように隠していた……。


 お姉様が愛していたのは、エドモン様じゃない……!


 あの時からすでに、フレデリク様が想い人だったんですわ……!!

「そんな…………。ずっと……。エドモン様が恋人だと思ってた……」

 だって、何度もコッソリ会っていたんですものっ。それにっ! 別れろと命令をして、別れたと言ったんですもの! あの夜、別れさせたんですもの!
 そう思うのが当たり前ですわ!!

「会場に戻られたエドモン様だって、酷くイライラしていたっ! 別れを切り出された以外考えらなくって……。どうなってますの――…………」

 それは……。目を通していなかった、後半部分に記されてあった……。
 お姉様が何度もコッソリ会っていたのは、エドモン様が人気(ひとけ)のない場所でしつこく関係を迫り、毎回断っていたからで……。あの夜は別れ話を行ったのではなく、『絶対に頷くことはない』と伝えに行っていただけで……。
 お姉様は……っ。あの女は……っっ。

 わたくしの勘違いを、利用していた……‼

しおりを挟む
感想 330

あなたにおすすめの小説

妹のために犠牲になることを姉だから仕方ないで片付けないでください。

木山楽斗
恋愛
妹のリオーラは、幼い頃は病弱であった。両親はそんな妹を心配して、いつも甘やかしていた。 それはリオーラが健康体になってからも、続いていた。お医者様の言葉も聞かず、リオーラは病弱であると思い込んでいるのだ。 リオーラは、姉である私のことを侮っていた。 彼女は両親にわがままを言い、犠牲になるのはいつも私だった。妹はいつしか、私を苦しめることに重きを置くようになっていたのだ。 ある時私は、妹のわがままによって舞踏会に無理な日程で参加することになった。 そこで私は、クロード殿下と出会う。彼との出会いは、私の現状を変えていくことになるのだった。

好きな人と友人が付き合い始め、しかも嫌われたのですが

月(ユエ)/久瀬まりか
恋愛
ナターシャは以前から恋の相談をしていた友人が、自分の想い人ディーンと秘かに付き合うようになっていてショックを受ける。しかし諦めて二人の恋を応援しようと決める。だがディーンから「二度と僕達に話しかけないでくれ」とまで言われ、嫌われていたことにまたまたショック。どうしてこんなに嫌われてしまったのか?卒業パーティーのパートナーも決まっていないし、どうしたらいいの?

悪いのは全て妹なのに、婚約者は私を捨てるようです

天宮有
恋愛
伯爵令嬢シンディの妹デーリカは、様々な人に迷惑をかけていた。 デーリカはシンディが迷惑をかけていると言い出して、婚約者のオリドスはデーリカの発言を信じてしまう。 オリドスはシンディとの婚約を破棄して、デーリカと婚約したいようだ。 婚約破棄を言い渡されたシンディは、家を捨てようとしていた。

妹が私の婚約者を奪った癖に、返したいと言ってきたので断った

ルイス
恋愛
伯爵令嬢のファラ・イグリオは19歳の誕生日に侯爵との婚約が決定した。 昔からひたむきに続けていた貴族令嬢としての努力が報われた感じだ。 しかし突然、妹のシェリーによって奪われてしまう。 両親もシェリーを優先する始末で、ファラの婚約は解消されてしまった。 「お前はお姉さんなのだから、我慢できるだろう? お前なら他にも良い相手がきっと見つかるさ」 父親からの無常な一言にファラは愕然としてしまう。彼女は幼少の頃から自分の願いが聞き届けられた ことなど1つもなかった。努力はきっと報われる……そう信じて頑張って来たが、今回の件で心が折れそうになっていた。 だが、ファラの努力を知っていた幼馴染の公爵令息に助けられることになる。妹のシェリーは侯爵との婚約が思っていたのと違うということで、返したいと言って来るが……はあ? もう遅いわよ。

王太子様には優秀な妹の方がお似合いですから、いつまでも私にこだわる必要なんてありませんよ?

木山楽斗
恋愛
公爵令嬢であるラルリアは、優秀な妹に比べて平凡な人間であった。 これといって秀でた点がない彼女は、いつも妹と比較されて、時には罵倒されていたのである。 しかしそんなラルリアはある時、王太子の婚約者に選ばれた。 それに誰よりも驚いたのは、彼女自身である。仮に公爵家と王家の婚約がなされるとしても、その対象となるのは妹だと思っていたからだ。 事実として、社交界ではその婚約は非難されていた。 妹の方を王家に嫁がせる方が有益であると、有力者達は考えていたのだ。 故にラルリアも、婚約者である王太子アドルヴに婚約を変更するように進言した。しかし彼は、頑なにラルリアとの婚約を望んでいた。どうやらこの婚約自体、彼が提案したものであるようなのだ。

永遠の誓いをあなたに ~何でも欲しがる妹がすべてを失ってからわたしが溺愛されるまで~

畔本グラヤノン
恋愛
両親に愛される妹エイミィと愛されない姉ジェシカ。ジェシカはひょんなことで公爵令息のオーウェンと知り合い、周囲から婚約を噂されるようになる。ある日ジェシカはオーウェンに王族の出席する式典に招待されるが、ジェシカの代わりに式典に出ることを目論んだエイミィは邪魔なジェシカを消そうと考えるのだった。

甘やかされた欲しがり妹は~私の婚約者を奪おうとした妹が思わぬ展開に!

柚屋志宇
恋愛
「お姉様の婚約者ちょうだい!」欲しがり妹ルビーは、ついにサフィールの婚約者を欲しがった。 サフィールはコランダム子爵家の跡継ぎだったが、妹ルビーを溺愛する両親は、婚約者も跡継ぎの座もサフィールから奪いルビーに与えると言い出した。 サフィールは絶望したが、婚約者アルマンディンの助けでこの問題は国王に奏上され、サフィールとルビーの立場は大きく変わる。 ※小説家になろう、カクヨムにも掲載しています。 ★2025/11/22:HOTランキング1位ありがとうございます。

【完結】私の婚約者の、自称健康な幼なじみ。

❄️冬は つとめて
恋愛
「ルミナス、すまない。カノンが…… 」 「大丈夫ですの? カノン様は。」 「本当にすまない。ルミナス。」 ルミナスの婚約者のオスカー伯爵令息は、何時ものようにすまなそうな顔をして彼女に謝った。 「お兄様、ゴホッゴホッ! ルミナス様、ゴホッ! さあ、遊園地に行きましょ、ゴボッ!! 」 カノンは血を吐いた。

処理中です...