殿下、妃殿下。貴方がたに言われた通り、前世の怨みを晴らしに来ましたよ

柚木ゆず

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「我が家に到着、ってね。お姫様、お手をどうぞ」

 あれから、およそ2時間半後。ロッゾ邸――彼の家に到着して、アルマン様のエスコートで馬車から降りた。
 ねっとりと手を触られても、

『そういえばサーヤは、経験ないんだよな? あったりするのか?』

『そっか、やっぱないんだよな。じゃあ当然、男のココも、見た事すらないよな?』

 車内で卑猥な質問をされても、何も感じない。やはり罪悪感も恐怖もなく、あるのはただただ歓喜だけだった。

「今時間なら心配ないと思うが、誰かに見られたら面倒だ。さっさと入ろうぜ」
「ええ、そうですね。お邪魔します」

 彼の先導でロッゾ家のドアを潜り、まずはお母上マチル様と弟のタイグ様に御挨拶をする。

「息子から、いつも話を聞いているわ。この件は、内密にお願いね」
「兄ちゃん、よかったね~。あとで感想、教えてね」

 血は争えない。2人は平然と常識を疑う言葉を発し、私達は階段を使って2階に上がる。
 同じく常識的な思考を失っている、私が言うのもなんだけど。アルマン様がこんな風に育つのも、納得だ。

「あっちにバスルームがあるが、そのままのお前を味わいたい。直行でいいだろ?」
「構いませんよ。この身体は、朝まで貴方のものですから、ご自由にどうぞ」

 そうして私は彼の部屋を目指し、廊下を歩いてゆく。
 早足で進む彼に手を引かれて、半ば引っ張られるようにして進み――。やがて、扉の前に辿り着く。

「こちらが、愛の巣となります。どうぞお入りくださいませ」
「はい。失礼致します」

 私が足を踏み入れ、背後でパタンとドアが閉まる。そうすると私はお姫様抱っこをされてベッドに運ばれ、間髪入れず彼が覆いかぶさってくる。

「サーヤ。サーヤ……っ」
「はい。アルマン様」
「すぐにその顔を、トロットロにしてやるかんな。覚悟しろよ?」

 そうして、鼻息荒いアルマン様の両手が伸びてきて――。まずは、服の上から私の胸を――

「待てっ! 今すぐ止まるんだ!!」

 私の胸を、触ろうとしていたら。けたたましく扉が開き、銀髪の男性が飛び込んできたのだった。

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