11 / 27
第5話 愉悦 異変 コルベット視点(2)
しおりを挟む
『魅了……? 魅了って、なんですの……?』
『小説などに出てくる……。あの、魅了なのか……?』
「はい! かけた相手に激しい好意を抱かせ、従順な人形のようにしてしまう。まさにあの魅了を、ジゼル嬢に施してしたのです!!」
信じられないことを言い出した、父上は……。まだ、止まらない……。
唖然となっている参加者達を見渡し、次々と自白を始めた……。
――今から、およそ1年半前。西にある国『アファロラーテ』を訪れた際に偶然その存在を知得し、大金をはたいて使用できるようになっていたこと――。
――言うことを聞かせたい相手がいたら、しばしば使用していたこと――。
それらを、事細かに伝えてしまった……。
「な……。なっ……。……………………ちっ、父上! 父上!! 何を言っているんだ!? どうしてしまったんだ!? ワケの分からないことを言わないでくれ!!」
自白の衝撃によって、すっかり固まってしまっていた。ある程度正気を取り戻すや俺は首を左右に振り、父上へと詰め寄る。
そして――
「父上っ、貴方の言動はおかしい! 少し休んだ方が良い! みっ、皆様! 我が父は少々錯乱しておりましてっ、今の発言は一切根拠のない――」
「わたしは錯乱してはおらんよ。……お前達、しばしコルベットを押さえておいてくれ」
――うあああ!! 俺は臣下によって手足を抑えられ、口も塞がれてしまった!!
「ふがっ! ふがぁっ!! ふがふがぁっ!!」
「わたしは息子を溺愛しており、そうであるが故に『魅了』の使い方を教えておりました。そしてそんな息子は、あの日……。高い評判を耳にしていたものの、『伯爵家の女は相応しくない』と視界から外していた人間…………ジゼル嬢を間近で見て一目惚れをし、自分のもとするため使用してしまったのです」
「ふがあ!? ふがあ!! ふがっ! ふがぁあああああ!!」
「そうしてジゼル嬢は息子を愛するようになり、コントロールをされているが故に話はとんとん拍子で進む。あのように異様とも言えるスピードで進展したのは、こういった事情があったからなのでございます」
やめろ! やめろ!! やめろっ!!
なぜ急にそんなことを言い出すんだ!? そんな真似をすればどうなるか分かっているのか!?
やめろぉぉぉぉ!!
そう叫ぶが、どう足掻いても声にならない。
父上は次から次へと内情を暴露してゆき、なっ!? それが済んだら拘束されている俺へと歩み寄り、服の下から真っ赤な宝石が埋め込まれたペンダントを取り出した……!!
((そ、それはっ! 魅了に必要なアイテム!! まっ、まさか! まさかっ!!))
『小説などに出てくる……。あの、魅了なのか……?』
「はい! かけた相手に激しい好意を抱かせ、従順な人形のようにしてしまう。まさにあの魅了を、ジゼル嬢に施してしたのです!!」
信じられないことを言い出した、父上は……。まだ、止まらない……。
唖然となっている参加者達を見渡し、次々と自白を始めた……。
――今から、およそ1年半前。西にある国『アファロラーテ』を訪れた際に偶然その存在を知得し、大金をはたいて使用できるようになっていたこと――。
――言うことを聞かせたい相手がいたら、しばしば使用していたこと――。
それらを、事細かに伝えてしまった……。
「な……。なっ……。……………………ちっ、父上! 父上!! 何を言っているんだ!? どうしてしまったんだ!? ワケの分からないことを言わないでくれ!!」
自白の衝撃によって、すっかり固まってしまっていた。ある程度正気を取り戻すや俺は首を左右に振り、父上へと詰め寄る。
そして――
「父上っ、貴方の言動はおかしい! 少し休んだ方が良い! みっ、皆様! 我が父は少々錯乱しておりましてっ、今の発言は一切根拠のない――」
「わたしは錯乱してはおらんよ。……お前達、しばしコルベットを押さえておいてくれ」
――うあああ!! 俺は臣下によって手足を抑えられ、口も塞がれてしまった!!
「ふがっ! ふがぁっ!! ふがふがぁっ!!」
「わたしは息子を溺愛しており、そうであるが故に『魅了』の使い方を教えておりました。そしてそんな息子は、あの日……。高い評判を耳にしていたものの、『伯爵家の女は相応しくない』と視界から外していた人間…………ジゼル嬢を間近で見て一目惚れをし、自分のもとするため使用してしまったのです」
「ふがあ!? ふがあ!! ふがっ! ふがぁあああああ!!」
「そうしてジゼル嬢は息子を愛するようになり、コントロールをされているが故に話はとんとん拍子で進む。あのように異様とも言えるスピードで進展したのは、こういった事情があったからなのでございます」
やめろ! やめろ!! やめろっ!!
なぜ急にそんなことを言い出すんだ!? そんな真似をすればどうなるか分かっているのか!?
やめろぉぉぉぉ!!
そう叫ぶが、どう足掻いても声にならない。
父上は次から次へと内情を暴露してゆき、なっ!? それが済んだら拘束されている俺へと歩み寄り、服の下から真っ赤な宝石が埋め込まれたペンダントを取り出した……!!
((そ、それはっ! 魅了に必要なアイテム!! まっ、まさか! まさかっ!!))
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
327
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる