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第1話 10日後~その幸せは~ 俯瞰視点(2)
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「ん? なんだ……?」
「あ、あっち……! 東の空が、暗くなってきたぞ……?」
「雨雲、か……? いやでも、さっきまで一面青空だったよな……?」
「そんな気配は、全然なかったわ……。どうなっているの……?」
激変。それの始まりは、『空』でした。
今日も新任を称え前任を罵る人々の頭上に広がっている、雲一つない清々しい快晴。その一部が突如どす黒くなり、ソレはぐんぐんと広がっていったのです。
「お、おい……。一面真っ黒になっちまったぞ……。向こうの空がおかしくなってから、まだ1分も経ってないんだぞ……!?」
「こんな空の動き、ありえねぇよ……! そ、それに……」
「まだ正午過ぎなのに、真っ暗……。まるで夜じゃないのっ! 嵐の日でもこんなに暗くはならないわよ!?」
「「「「どうなってるんだ!?」」」」」
その結果瞬く間に空は黒よりも黒い『漆黒』に支配され、地上は闇に染まります。
それによって、市井で活動していた人々は一斉に慌てふためき始め――
「父上母上!! 大変です!!」
王城内でも、同様のことが起きていました。
王太子グスターヴお気に入りの場所、バルコニー。そこで優雅に紅茶を飲んでいた彼は誰よりも早く異変を察知し、国のトップたちがいる王の間へと駆け込んでいたのです。
「空が! さっきまで青空だった晴れた空が!! 右から左へとっ、瞬く間に黒で塗りつぶされてしまったんです!! ほっ、ほらっ! 窓の外を見てください!! 今はまだ十二時すぎなんですよっ!? なのにどうですか!?」
「………………。夜……。月も星もない、夜のようだわ……」
「でしょう母上!? おかしいでしょう!? ちっ、父上!! なんなのでしょう!? どうなっているのでしょうか!? こんなことはっ、過去にあったのですか!?」
「過去にはなく、わたしにも分らんよ。……だが、慌てるでない。異様な雲が覆い、異常な暗さになっているだけだ。被害は何も出ておらん。慌てるな、落ち着けグスターヴ」
父であり王ヴァレンティンは、大量の脂汗を流しながら声を絞り出します。自分自身に言い聞かせるように、言葉を紡ぎました。
しかしながら――。
必死になって平静を保とうとしていたヴァレンティンでしたが、そんな努力は一瞬で無意味なものとなってしまいます。なぜならば――
「なっ、うあああああああああああ!? ちちうえっ、それ『だけ』ではありませんよぉっ!!」
――窓の外が、更に変化をしたから。
真っ黒な空では稲妻が駆け回り、そんな空からは大粒の雨が滝のように降り始めたのですから。
「あ、あっち……! 東の空が、暗くなってきたぞ……?」
「雨雲、か……? いやでも、さっきまで一面青空だったよな……?」
「そんな気配は、全然なかったわ……。どうなっているの……?」
激変。それの始まりは、『空』でした。
今日も新任を称え前任を罵る人々の頭上に広がっている、雲一つない清々しい快晴。その一部が突如どす黒くなり、ソレはぐんぐんと広がっていったのです。
「お、おい……。一面真っ黒になっちまったぞ……。向こうの空がおかしくなってから、まだ1分も経ってないんだぞ……!?」
「こんな空の動き、ありえねぇよ……! そ、それに……」
「まだ正午過ぎなのに、真っ暗……。まるで夜じゃないのっ! 嵐の日でもこんなに暗くはならないわよ!?」
「「「「どうなってるんだ!?」」」」」
その結果瞬く間に空は黒よりも黒い『漆黒』に支配され、地上は闇に染まります。
それによって、市井で活動していた人々は一斉に慌てふためき始め――
「父上母上!! 大変です!!」
王城内でも、同様のことが起きていました。
王太子グスターヴお気に入りの場所、バルコニー。そこで優雅に紅茶を飲んでいた彼は誰よりも早く異変を察知し、国のトップたちがいる王の間へと駆け込んでいたのです。
「空が! さっきまで青空だった晴れた空が!! 右から左へとっ、瞬く間に黒で塗りつぶされてしまったんです!! ほっ、ほらっ! 窓の外を見てください!! 今はまだ十二時すぎなんですよっ!? なのにどうですか!?」
「………………。夜……。月も星もない、夜のようだわ……」
「でしょう母上!? おかしいでしょう!? ちっ、父上!! なんなのでしょう!? どうなっているのでしょうか!? こんなことはっ、過去にあったのですか!?」
「過去にはなく、わたしにも分らんよ。……だが、慌てるでない。異様な雲が覆い、異常な暗さになっているだけだ。被害は何も出ておらん。慌てるな、落ち着けグスターヴ」
父であり王ヴァレンティンは、大量の脂汗を流しながら声を絞り出します。自分自身に言い聞かせるように、言葉を紡ぎました。
しかしながら――。
必死になって平静を保とうとしていたヴァレンティンでしたが、そんな努力は一瞬で無意味なものとなってしまいます。なぜならば――
「なっ、うあああああああああああ!? ちちうえっ、それ『だけ』ではありませんよぉっ!!」
――窓の外が、更に変化をしたから。
真っ黒な空では稲妻が駆け回り、そんな空からは大粒の雨が滝のように降り始めたのですから。
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