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1 催眠術師と探偵のお仕事(2)
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「三久に任せたいお仕事は、これ。『脅迫された人を守りつつ、脅迫状を出した犯人を捕まえる』だよ」
ええっと。私立・陽花学園(ようかがくえん)っていう、全寮制の女子中学校……会社の社長さんとか芸能人さんの子どもが多く通う学校で、生徒のひとり――3年A組にいる月橋夢卯(つきはしゆめう)ちゃん、学園長先生の子どもに脅迫状が送られてきたみたい。
それでその中には、『自分の言う通りにしないと殺す』って書いていたみたい。
「これが1週間前に、犯人から送られてきた手紙だよ。新入生にもちゃんと考えて投票させたいという理由があるらしくて、陽花学園ではこの時期に――今日から3日後に生徒会選挙があって、生徒会長候補になっているその子を落選させたいみたいなんだ」
「うん、そう書いてるね。でも、どうしてそこまでして辞めさせたいんだろ?」
生徒会長はどこの学校にも1人いて、すごく重要ではないよね。
んー……。陽花学園の生徒会長は、なにか特別なのかな?
「三久が今、考えていることが正解だよ。陽花学園の生徒会長になった人には、嬉しいことが沢山あるそうなんだ」
わたしも来年の春に受けることになる、高校受験。その際に推薦を使ってもっと有名な学校に楽に行けるようになるし、芸能界にも入りやすくなるみたい。
難しい学校ほど試験は難しくなるし、芸能人になりたい人は沢山いるもんね。脅迫状を出してまで邪魔をしたくなる人も、出てきちゃうよね。
「脅迫状の送り主は、どんなことをしてでも邪魔しようとしている。だから三久には偽名を使って月橋夢卯さんの親戚『安西三久』として転校し、学園長に改めて詳しい話を聞いたあとクラスメイトとルームメイトになって、その子を守りつつ犯人を捜して欲しいんだよ」
「はいっ、分かりましたっ。しっかり解決してきますっ」
夢卯ちゃんが傷つかないようにしながら犯人を見つける。
お任せください。だよ!
「うん、任せるね。……この依頼が届いてから急いで下準備をしていて、怪しまれずに転校できるようになっているんだ。早速だけど陽花学園に向かって、捜査の準備を整えてね」
「もう一度、はいっ。ですっ」
ここから電車で5時間くらいの、隣の件にある学校。その中の学園長室に向かって、改めて学園長先生に事件のお話しを聞いて、夢卯ちゃんに会う。
これが、これからわたしがすること。
「移動に必要な荷物は、ママが用意してくれていて――あ、できたみたいだよ」
「もう三久ったら。いきなりお仕事をするってパパから聞いて、ビックリしちゃったわ」
リュックを持ったママが来てくれて、あう。ジト目でわたしの眉間を突っついた。
「でも三久は5歳の頃からずっと、人の役に立ちたいって言ってたものね」
「うんっ。パパやおじいちゃんみたいに、困ってる人を助けたかったの」
「じゃあ、仕方ないわね。三久、初仕事頑張ってね。いってらっしゃい」
「はーいっ。がんばりますっ。元気で行ってきて、元気で帰ってきますっ」
なにかあったら、悲しんじゃうもんね。絶対に怪我とかをしないようにする。
わたしはそれを約束して、ママとパパと指切りげんまん。もう一回しっかりと約束をして、親戚さんになるための変装――少し茶色めなウィッグと目の下に小さなほくろをつけたあと、家を飛び出したのでした!
待っててね、夢卯ちゃんっ。困ってるアナタを助けますっ!
ええっと。私立・陽花学園(ようかがくえん)っていう、全寮制の女子中学校……会社の社長さんとか芸能人さんの子どもが多く通う学校で、生徒のひとり――3年A組にいる月橋夢卯(つきはしゆめう)ちゃん、学園長先生の子どもに脅迫状が送られてきたみたい。
それでその中には、『自分の言う通りにしないと殺す』って書いていたみたい。
「これが1週間前に、犯人から送られてきた手紙だよ。新入生にもちゃんと考えて投票させたいという理由があるらしくて、陽花学園ではこの時期に――今日から3日後に生徒会選挙があって、生徒会長候補になっているその子を落選させたいみたいなんだ」
「うん、そう書いてるね。でも、どうしてそこまでして辞めさせたいんだろ?」
生徒会長はどこの学校にも1人いて、すごく重要ではないよね。
んー……。陽花学園の生徒会長は、なにか特別なのかな?
「三久が今、考えていることが正解だよ。陽花学園の生徒会長になった人には、嬉しいことが沢山あるそうなんだ」
わたしも来年の春に受けることになる、高校受験。その際に推薦を使ってもっと有名な学校に楽に行けるようになるし、芸能界にも入りやすくなるみたい。
難しい学校ほど試験は難しくなるし、芸能人になりたい人は沢山いるもんね。脅迫状を出してまで邪魔をしたくなる人も、出てきちゃうよね。
「脅迫状の送り主は、どんなことをしてでも邪魔しようとしている。だから三久には偽名を使って月橋夢卯さんの親戚『安西三久』として転校し、学園長に改めて詳しい話を聞いたあとクラスメイトとルームメイトになって、その子を守りつつ犯人を捜して欲しいんだよ」
「はいっ、分かりましたっ。しっかり解決してきますっ」
夢卯ちゃんが傷つかないようにしながら犯人を見つける。
お任せください。だよ!
「うん、任せるね。……この依頼が届いてから急いで下準備をしていて、怪しまれずに転校できるようになっているんだ。早速だけど陽花学園に向かって、捜査の準備を整えてね」
「もう一度、はいっ。ですっ」
ここから電車で5時間くらいの、隣の件にある学校。その中の学園長室に向かって、改めて学園長先生に事件のお話しを聞いて、夢卯ちゃんに会う。
これが、これからわたしがすること。
「移動に必要な荷物は、ママが用意してくれていて――あ、できたみたいだよ」
「もう三久ったら。いきなりお仕事をするってパパから聞いて、ビックリしちゃったわ」
リュックを持ったママが来てくれて、あう。ジト目でわたしの眉間を突っついた。
「でも三久は5歳の頃からずっと、人の役に立ちたいって言ってたものね」
「うんっ。パパやおじいちゃんみたいに、困ってる人を助けたかったの」
「じゃあ、仕方ないわね。三久、初仕事頑張ってね。いってらっしゃい」
「はーいっ。がんばりますっ。元気で行ってきて、元気で帰ってきますっ」
なにかあったら、悲しんじゃうもんね。絶対に怪我とかをしないようにする。
わたしはそれを約束して、ママとパパと指切りげんまん。もう一回しっかりと約束をして、親戚さんになるための変装――少し茶色めなウィッグと目の下に小さなほくろをつけたあと、家を飛び出したのでした!
待っててね、夢卯ちゃんっ。困ってるアナタを助けますっ!
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