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3 はじめまして(2)
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「犯人、間違えてウチの席に入れてる! ギャーっ! なんか怖いよー!!」
「間違えられたのは何も怖くないからっ。今一番怖いのは月橋ちゃんよっ」
確かに、そだね。若芝先生がお首を振りながら駆け付けてきて、唇を震わせながら手紙を読んだ。
「『あの殺害予告』……。月橋ちゃん、脅迫はこれが初めてじゃないのね?」
「は、はい。今回は二度目で、口外すると殺すとあったので黙っていました」
夢兎ちゃんは一部を隠して、お返事をする。
そして。そんな夢卯ちゃんのお隣で、わたしは心の中で親指を立てた。
――よっし、ラッキー!――。
この間違いは、本当に偶然? 何か企みがあって故意に間違えたのでは? という疑いを持たないといけないけど、どっちでもオッケー。周りに脅迫のお話が知れ渡ったことで、これからの作戦が実行しやすくなった。
「そう、だったのね……。それで月橋ちゃん、どのように脅迫されてるの?」
「夢卯ちゃんが生徒会長さんになったら困るらしくって、当日に投票をされないように振る舞えってありました。わたしと学園長先生は親戚と家族なので、コッソリ知らされてたんですー」
これからのお話は、わたしがしておいた方がグッド。なので代わりに喋らせてもらいますっ。
「そう、なの……。学園長先生は、なんて仰ってた?」
「悪質なイタズラだろうと言っていて、お昼休みの放送で犯人に注意をするそうです。それで脅迫が止めば、その犯人のためにも警察沙汰にはしないそーですよ」
わたしはこんな風に喋って、『下準備』を行っておく。
「やはり、月橋学園長は思い遣りがあるわね。でも……先生は、ここまでした人が素直に従うとは思えないのよね……」
そんな説明を聞いた白鳩先生は、難しいお顔をした。
先生、ありがとーございますっ。そのお返事、助かりますですっ。
「学園長の仰る通り、本当に月橋さんを殺しはしないでしょうけど……。しつこくやりそうな気はするのよね……」
「ですっ。なのでわたしは、犯人捜しをするよーにしました。大事な夢卯ちゃんが、嫌な思いをし続けるのは辛いですからーっ」
相手の不注意により脅迫が明るみになり、不安だった親戚は犯人を調べ始める。どこにもおかしな点はなくって、堂々と動き回れるようになったっ。
「これからわたしは休み時間になるたびに、色々聞き回りますー。みんなを犯人と思って調べるから嫌な気持ちになるかもですけど、夢卯ちゃんのためなのでよろしく頼みです」
「うんっ、喜んで協力するよーっ。大事なクラスメイトのためだもん!」
「夢卯さんには、しょっちゅうお世話になってるからね。出来る限り力を貸すよ!」
合わせて38人いるクラスメートは、全員がすぐに受け入れてくれた。
んっ。みんなの反応で、夢卯ちゃんがどれだけ支持されてるのかがわかるよね。
「みんな、ありがとうございますー。何かあったら頼りにさせてもらいますねー」
「あたしのために、ゴメンね。感謝します」
わたしと夢兎ちゃんは、揃ってお辞儀。クラスメイトのみんなに感謝を行い、これで下準備その1が完了っ。ここからは、下準備その2のスタートとなったのでしたー。
「間違えられたのは何も怖くないからっ。今一番怖いのは月橋ちゃんよっ」
確かに、そだね。若芝先生がお首を振りながら駆け付けてきて、唇を震わせながら手紙を読んだ。
「『あの殺害予告』……。月橋ちゃん、脅迫はこれが初めてじゃないのね?」
「は、はい。今回は二度目で、口外すると殺すとあったので黙っていました」
夢兎ちゃんは一部を隠して、お返事をする。
そして。そんな夢卯ちゃんのお隣で、わたしは心の中で親指を立てた。
――よっし、ラッキー!――。
この間違いは、本当に偶然? 何か企みがあって故意に間違えたのでは? という疑いを持たないといけないけど、どっちでもオッケー。周りに脅迫のお話が知れ渡ったことで、これからの作戦が実行しやすくなった。
「そう、だったのね……。それで月橋ちゃん、どのように脅迫されてるの?」
「夢卯ちゃんが生徒会長さんになったら困るらしくって、当日に投票をされないように振る舞えってありました。わたしと学園長先生は親戚と家族なので、コッソリ知らされてたんですー」
これからのお話は、わたしがしておいた方がグッド。なので代わりに喋らせてもらいますっ。
「そう、なの……。学園長先生は、なんて仰ってた?」
「悪質なイタズラだろうと言っていて、お昼休みの放送で犯人に注意をするそうです。それで脅迫が止めば、その犯人のためにも警察沙汰にはしないそーですよ」
わたしはこんな風に喋って、『下準備』を行っておく。
「やはり、月橋学園長は思い遣りがあるわね。でも……先生は、ここまでした人が素直に従うとは思えないのよね……」
そんな説明を聞いた白鳩先生は、難しいお顔をした。
先生、ありがとーございますっ。そのお返事、助かりますですっ。
「学園長の仰る通り、本当に月橋さんを殺しはしないでしょうけど……。しつこくやりそうな気はするのよね……」
「ですっ。なのでわたしは、犯人捜しをするよーにしました。大事な夢卯ちゃんが、嫌な思いをし続けるのは辛いですからーっ」
相手の不注意により脅迫が明るみになり、不安だった親戚は犯人を調べ始める。どこにもおかしな点はなくって、堂々と動き回れるようになったっ。
「これからわたしは休み時間になるたびに、色々聞き回りますー。みんなを犯人と思って調べるから嫌な気持ちになるかもですけど、夢卯ちゃんのためなのでよろしく頼みです」
「うんっ、喜んで協力するよーっ。大事なクラスメイトのためだもん!」
「夢卯さんには、しょっちゅうお世話になってるからね。出来る限り力を貸すよ!」
合わせて38人いるクラスメートは、全員がすぐに受け入れてくれた。
んっ。みんなの反応で、夢卯ちゃんがどれだけ支持されてるのかがわかるよね。
「みんな、ありがとうございますー。何かあったら頼りにさせてもらいますねー」
「あたしのために、ゴメンね。感謝します」
わたしと夢兎ちゃんは、揃ってお辞儀。クラスメイトのみんなに感謝を行い、これで下準備その1が完了っ。ここからは、下準備その2のスタートとなったのでしたー。
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