わたしはお払い箱なのですね? でしたら好きにさせていただきます

柚木ゆず

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第16話 アントナン達は ~奇跡が起きる時~ 俯瞰視点(1)

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「『俺達だけになったら詳細を話す』、と言っていたわよね……? 王城内の私室ココに他人は誰もいないし誰も来ないわ。そろそろ教えて頂戴」
「アントナンよ、急にどうしたのだ……? 何かしらの閃きがあるというのか……?」
「そうなんですよね!?」
「そうなんだよね、お兄様! 起死回生の策があるんですよね!?」
「あるわけないだろうが!! だから急いで探すんだよ!!」

 5日以内に撤回させる手段を見つけ、周囲の目を盗んで実行して完遂させる。そのために時間を稼いだんだ!!
 アントナンは苛立ち混じりで叫び、弟達の縋るような視線を睨みつけました。

「突然あんなことを言われて何かが思い付くはずないだろ!! 思いつかないから探さないといけないんだよ!! タイムリミットまでにな!!」
「そ、そう言うけど……。お兄様、無理ですよ……」
「聖女シュザンヌの意思は、確固としています……。あの様子では――」
「じゃあ貴様らは唯々諾々と従うのか!? せっかくこの手にある幸せの全てが失われてしまうのだぞ!? それどころか苦労苦痛に満ちた第二の人生が始まってしまうんだぞっっ!? いいのかそれで!?」

 退くと現在有しているあらゆる『力』を失ってしまいますし、経緯が経緯だけに退位後にコッソリ助けてくれる人もいません。
 自分達が『ゴミ同然』のように見下している平民と同じ――場合によってはそれ以下の状況で生きていかなければならないため、アントナンは更に怒りの声を張り上げ――

「いやだ!」
「いやです!」
「嫌よ!」
「いいわけないだろう!!」

 ――国王サダル、王妃ヴァーレア、第2王子ニック、第3王子ライナーは、間髪入れずかぶりを振りました。

「だろう!? だったら考えるしかない!! 考えるぞ!! 見つけるぞ!! 方法などないと痛感していてもだっ、探して見つけるしかないんだよ!! 何が何でも見つけ出すしかないんだよっつっ!!」
「あ、ああ!」「え、ええっ!」「は、はい!」「う、うん!」
「きっと! 不眠不休で考えたら見つけられるはず――必ずや見つかる!! 5人で力を合わせてっ、不可能を可能にするぞ!! あの忌々しいっ、融通の利かないバカ聖女を無害化させるぞ!!」
「ああ!!」「ええ!!」「はい!!」「うん!!」

 まるで、自分達は被害者のよう。アントナン達はシュザンヌを罵りながらテーブルにつき、必死の形相で作戦会議を始めます。
 ただ――

『だろう!? だったら考えるしかない!! 考えるぞ!! 見つけるぞ!! 方法などないと痛感していてもだっ、探して見つけるしかないんだよ!! 何が何でも見つけ出すしかないんだよっつっ!!』

 ――今し方アントナン自身が言っていたように、この状況下で回避する方法が見つかるはずがありませんでした。
 そのため、不眠不休の作戦会議は長く長く、続くこととなり――
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