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第7話 アンジェリクが去ってから~9日後~ 俯瞰視点(1)
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「なんですの!? なにがありましたの!? 死神!?」
「死神なんているはずがないだろう!! ゴキブリだっ!! 巨大なゴキブリが現れたのだっ!!」
2人に続いて慌てて食堂に入り扉を閉めて鍵をかけ、縋るように十字架を囲んだあと。セザールは自分達がさっきまで居た方向を指差しました。
「巨大なゴキブリ!? そんなものこそいるはずありませんわ!!」
「いたから慌てているのだろうが!! 2メートル――いや3メートルあるゴキブリが現れたのだ!! なあっ、クリステル!」
「………………あなた、なにを言っているの……?」
「? ど、どうしたのだ……?」
「巨大なゴキブリなんて、いないわよ。いたのはピエロっ! 血の付いたナイフを持ったピエロが追いかけてきたんじゃないの!!」
クリステルは激しく首を振り、自分達がさっきまで居た方向を指差しました。
「……なんだって!? お前はっ、巨大ゴキブリを見て逃げ出したのではないのか!?」
「そっちこそ!! ナイフを持ったピエロを見て逃げ出したんじゃなかったの!?」
「見ていない! そんなもの知らん! この目で見たのは巨大なゴキブリだっ!!」
「私だってそんなものは知らないわ! 私が見たのは血の付いたナイフを持ったピエロよっ!!」
「………………。どう、なってますの……!?」
2人は同じ場所に居たはずなのに、ひとりは『ゴキブリ』もうひとりは『ピエロ』を見たと言っている。どちらも違うものが見えていた。
明らかにどちらかは間違っている。でもどう見ても、どちらも実際に目の当たりにした表情をしている。
ますます、ブランディーヌの心音が早くなり始めました。
「死神、だけじゃなくて……。他にも、おかしなものが……化け物か何かがいるんですの……!?」
「この目で見たのだ!! 巨大ゴキブリが必ずいる!! だ、だがっ! 大丈夫! 大丈夫、なはずだ!!」
「居るのは、ピエロよ!! ピエロが殺そうとしてきてるの!! でっ、でも大丈夫! おこにいれば大丈夫に決まってるわ!!」
「ご、ゴキブリとピエロは、分からないけど……。そ、それは、そうですわ! ここにいたらっ、大丈夫っ、ですわ!!」
4代前の当主が購入したと言われている、歴史ある十字架があるから入って来れない。追い払ってくれる。
3人は自分に言い聞かせるようにその言葉を繰り返し――ていましたが、その僅か5秒後のことでした。3人の口から『大丈夫』は消え去り、大絶叫が出ることとなるのでした。
「ぎゃあああ!! 死神が入ってきたぁあああああああああああああ!?」
「ぎゃあああ!! 巨大ゴキブリが入ってきたぁああああああああああぁ!?」
「ぎゃあああ!! ピエロが入ってきたぁああああああああああああああああああ!?」
「死神なんているはずがないだろう!! ゴキブリだっ!! 巨大なゴキブリが現れたのだっ!!」
2人に続いて慌てて食堂に入り扉を閉めて鍵をかけ、縋るように十字架を囲んだあと。セザールは自分達がさっきまで居た方向を指差しました。
「巨大なゴキブリ!? そんなものこそいるはずありませんわ!!」
「いたから慌てているのだろうが!! 2メートル――いや3メートルあるゴキブリが現れたのだ!! なあっ、クリステル!」
「………………あなた、なにを言っているの……?」
「? ど、どうしたのだ……?」
「巨大なゴキブリなんて、いないわよ。いたのはピエロっ! 血の付いたナイフを持ったピエロが追いかけてきたんじゃないの!!」
クリステルは激しく首を振り、自分達がさっきまで居た方向を指差しました。
「……なんだって!? お前はっ、巨大ゴキブリを見て逃げ出したのではないのか!?」
「そっちこそ!! ナイフを持ったピエロを見て逃げ出したんじゃなかったの!?」
「見ていない! そんなもの知らん! この目で見たのは巨大なゴキブリだっ!!」
「私だってそんなものは知らないわ! 私が見たのは血の付いたナイフを持ったピエロよっ!!」
「………………。どう、なってますの……!?」
2人は同じ場所に居たはずなのに、ひとりは『ゴキブリ』もうひとりは『ピエロ』を見たと言っている。どちらも違うものが見えていた。
明らかにどちらかは間違っている。でもどう見ても、どちらも実際に目の当たりにした表情をしている。
ますます、ブランディーヌの心音が早くなり始めました。
「死神、だけじゃなくて……。他にも、おかしなものが……化け物か何かがいるんですの……!?」
「この目で見たのだ!! 巨大ゴキブリが必ずいる!! だ、だがっ! 大丈夫! 大丈夫、なはずだ!!」
「居るのは、ピエロよ!! ピエロが殺そうとしてきてるの!! でっ、でも大丈夫! おこにいれば大丈夫に決まってるわ!!」
「ご、ゴキブリとピエロは、分からないけど……。そ、それは、そうですわ! ここにいたらっ、大丈夫っ、ですわ!!」
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3人は自分に言い聞かせるようにその言葉を繰り返し――ていましたが、その僅か5秒後のことでした。3人の口から『大丈夫』は消え去り、大絶叫が出ることとなるのでした。
「ぎゃあああ!! 死神が入ってきたぁあああああああああああああ!?」
「ぎゃあああ!! 巨大ゴキブリが入ってきたぁああああああああああぁ!?」
「ぎゃあああ!! ピエロが入ってきたぁああああああああああああああああああ!?」
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