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Running horse light turns
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「えっ、嘘でしょ。まったく違う」と呟いたが、クラスメイトからの蔑まれた視線に耐えきれずに廊下を駆け出し図書室奥に逃げ込んだ。何が起きているのかは分からない。
多分靴箱の所での視線もさっきの黒板の嘘だらけの話を見知った人達だろう。
もし、これを悠理ちゃんと敦啓君が知ったらどうなるだろう。まあ、クラスメイトが被害に遭い、授業そっちのけで私を探しに・・・廊下から敦啓君の声がしている。
あれ?体が寒くなって震え始めた
敦啓君の声が近づく度に震えと寒気が強くなってくる。そして図書室のドアが壊れるんじゃないかと言う勢いで開くと、体が”ビクン”と飛び上がり”ガダガタ”と音がする程震えが止まらなくなり、涙も溢れ出した。
「翼!何処にいる!翼!」
声は敦啓君って分かるんだけどだんだんと込み上げる恐怖。
息を切らしながら私に『迫ってくる』
怖い、怖い、怖い!!
「あっ、良かった見つけた」
目の前にブレザー姿の『男性』の姿が現れる
「キャーっ!!!来ないで!!近寄らないで!!」
全身に鳥肌が立ち込め目の前が真っ暗になる。寒気も震えも酷くなる一方。
私の悲鳴が聞こえたのか、暗闇の中から悠理ちゃんの声が聞こえる。
「敦啓、ちょっと離れて。翼!良かった見つかって。大丈夫・・・じゃないわね。ごめん、昨日の事私気づかなくて」
ギュッと抱きしめてくれる悠理ちゃんも少し震えていた。自分が呼び出した責任があると思っているのかもしれない。
悠理ちゃんは抱きしめながらずっと「ごめん」を言い続けていた。
目の前の暗闇はまだ晴れてはいないけど、恐怖から来るだろう震えは治まり、ウトウトと眠気が来始めたが、悠理ちゃんには本当の事を言わないとと昨日の話をした。
だんだんと悠理ちゃんの抱きしめる強さと耳元で聞こえる呟きの悪さが強くなって来て少し痛い。
「あのクズ野郎、今すぐに滅殺しても飽きたらない。翼が味わった以上の生き地獄を何千回、いや何億回も体験させようか」
「アイツの教室にカチコミに行ったろうか。武器は剣道部から竹刀かっぱらえばいいし」
かなり物騒な発言が私の頭上を飛び交うがこれは2人の日常なのでちょっと安心した。
「まずは黒板の犯人を調べる事と証拠固めを優先にしよう。闇雲にアイツらぶちのめしてもこっちが停学や退学になる恐れがあるからね。黒板綺麗に消したけど写真撮った奴いると思うから画像もらってから『お話し合い』して、案件を他の奴に話した奴は『お説教して』他のクラスでネットに流したのがいたら生徒会書記として『厳しい英断』しないと示しがつかなくなるわね。授業始まる前に全て終わらせないといけないから、敦啓は翼を保健室に運んで。で、どんな輩が出るかも分からないからボディガードしておいて。さて、久しぶりに腕が鳴るわよ」
悠理ちゃんは嬉々とした声で図書室を後にした。
ちなみに、『お話し合い』は恫喝。『お説教』は恐喝。『厳しい英断』は・・・。
悠理ちゃんはうちの学校の裏ボス兼ラスボスですので怒らせたら明日はないと。
クラスメイトは今明るい未来の為に必死で命乞いの準備をしているだろうな。
多分靴箱の所での視線もさっきの黒板の嘘だらけの話を見知った人達だろう。
もし、これを悠理ちゃんと敦啓君が知ったらどうなるだろう。まあ、クラスメイトが被害に遭い、授業そっちのけで私を探しに・・・廊下から敦啓君の声がしている。
あれ?体が寒くなって震え始めた
敦啓君の声が近づく度に震えと寒気が強くなってくる。そして図書室のドアが壊れるんじゃないかと言う勢いで開くと、体が”ビクン”と飛び上がり”ガダガタ”と音がする程震えが止まらなくなり、涙も溢れ出した。
「翼!何処にいる!翼!」
声は敦啓君って分かるんだけどだんだんと込み上げる恐怖。
息を切らしながら私に『迫ってくる』
怖い、怖い、怖い!!
「あっ、良かった見つけた」
目の前にブレザー姿の『男性』の姿が現れる
「キャーっ!!!来ないで!!近寄らないで!!」
全身に鳥肌が立ち込め目の前が真っ暗になる。寒気も震えも酷くなる一方。
私の悲鳴が聞こえたのか、暗闇の中から悠理ちゃんの声が聞こえる。
「敦啓、ちょっと離れて。翼!良かった見つかって。大丈夫・・・じゃないわね。ごめん、昨日の事私気づかなくて」
ギュッと抱きしめてくれる悠理ちゃんも少し震えていた。自分が呼び出した責任があると思っているのかもしれない。
悠理ちゃんは抱きしめながらずっと「ごめん」を言い続けていた。
目の前の暗闇はまだ晴れてはいないけど、恐怖から来るだろう震えは治まり、ウトウトと眠気が来始めたが、悠理ちゃんには本当の事を言わないとと昨日の話をした。
だんだんと悠理ちゃんの抱きしめる強さと耳元で聞こえる呟きの悪さが強くなって来て少し痛い。
「あのクズ野郎、今すぐに滅殺しても飽きたらない。翼が味わった以上の生き地獄を何千回、いや何億回も体験させようか」
「アイツの教室にカチコミに行ったろうか。武器は剣道部から竹刀かっぱらえばいいし」
かなり物騒な発言が私の頭上を飛び交うがこれは2人の日常なのでちょっと安心した。
「まずは黒板の犯人を調べる事と証拠固めを優先にしよう。闇雲にアイツらぶちのめしてもこっちが停学や退学になる恐れがあるからね。黒板綺麗に消したけど写真撮った奴いると思うから画像もらってから『お話し合い』して、案件を他の奴に話した奴は『お説教して』他のクラスでネットに流したのがいたら生徒会書記として『厳しい英断』しないと示しがつかなくなるわね。授業始まる前に全て終わらせないといけないから、敦啓は翼を保健室に運んで。で、どんな輩が出るかも分からないからボディガードしておいて。さて、久しぶりに腕が鳴るわよ」
悠理ちゃんは嬉々とした声で図書室を後にした。
ちなみに、『お話し合い』は恫喝。『お説教』は恐喝。『厳しい英断』は・・・。
悠理ちゃんはうちの学校の裏ボス兼ラスボスですので怒らせたら明日はないと。
クラスメイトは今明るい未来の為に必死で命乞いの準備をしているだろうな。
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