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秋の風が吹き抜ける、東京の夜だった。倉木は既にキャリアを積み、凄腕と呼ばれる検察官まで成り上がっていた。今日も法廷で職務を終え、後は帰宅するだけの夜である。
「すみません、道を聞いてもいいですか」
路地裏で声を掛けられたのは、久しぶりの晩酌のあてを考えている時であった。足を止めた倉木は、厳しい眼を緩めて声の持ち主に振り返る。秋の風に揺られて、整えられた髪が僅かに揺れた。
「どちらに?」
倉木に道を聞いてくる人間は決して多くはない。近寄りがたい雰囲気があるのか、話しかけづらいのかは分からないが、どちらにせよ街の中で自分に声を掛ける人間がいたことが物珍しくて、倉木は自然と応答してしまっていた。
声を掛けてきた青年は、スマホに目を落とし、操作しようとしている。長い黒の前髪が青年の顔を隠していた。マップでも出すつもりなのだろうかと、倉木は少しその場で待つ。
「ゆっくりで大丈夫ですよ」
慌てているような、緊張したような雰囲気を嗅ぎ取って、倉木は微笑を浮かべて告げる。だからだろうか。背後から迫っていた気配には気が付かなかった。
がつんと重たい音と衝撃が響き、ぐらりと身体が揺らぐ。
これはまずいと思った瞬間に意識は落ちて、身体が崩れ落ちる寸前に、青年に抱えられたような感触だけが最後に残っていた。
◇
身体の奥からむず痒さが揺蕩っている。何かが身体の内側を蠢き、何処かを探る度に下肢から背筋に込み上げるものを感じる。ふっと息を吐き、もどかしい感覚から逃げようと身を捩れば、自分の身体が思うように動かないことに気が付いた。
くち、くちゅ……♡
ぐりっ、ぐい~~~♡
一番反応してしまう箇所を集中的に押され始める。倉木は夢のような場所にいる意識の中で、眉を寄せて自分の声を聞いた。
「はっ……はぁ……っ、ん……っ♡」
まるで砂糖を溶かしたような声だった。体内をまさぐる何かに強請るような――そこまで気が付いた時、一気に意識が浮上する。重たい瞼を押し上げ目を開くと、真っ先に灰色の天井の姿が見えた。家でも、職場でもない。まったく見た記憶のない部屋の天井の下で、倉木は椅子に座っている。正確には、座らされていた。
両腕は背もたれの後ろに回され、両腕をベルトでまとめて拘束された上で、背もたれに繋がれている。手錠もあるのか、両手も一纏めに拘束されて動かない。そして、両膝を肩の方へ引き上げられ、肘掛けに繋がれていた。下半身を椅子の座面の前方で突き上げ、その前に、誰かがいる。
恐ろしいことに、倉木のシャツもズボンもはだけさせられ、剥き出しの後孔にその誰かが指を入れてまさぐっていたのであった。
「な――っ⁉ 何を⁉」
咄嗟に脚を床に着こうとしたが、拘束された身体は僅かしか動かない。倉木の恥部を見つめていた人物は顔を上げて、感情の見えない笑みを浮かべた。
くちゅ……♡
彼の指が水音を立てる。それで身体を襲っていた違和感が、そこから溢れていたのだと知った。大量の何かをぶちまけられた後孔が、ぐちゅっ♡と勝手に音を立てて窄む。「ひっ♡」と声を引き攣らせた倉木に、男は告げた。
「目が覚めました? 倉木検察官」
その人物は夜の街で声を掛けてきたあの男に違いなかった。そして、自分の名前を知っている。ではこれは、無差別の犯行ではない。しかし一体何の為に、倉木を狙ってこのような蛮行に及んだのかの理由は欠片も分からない。必死に思考を巡らせながら、倉木は男の顔を観察した。
年頃は二十代の中頃だろう。
どちらかと言えば細身だが、中肉中背と言える。染めていない黒髪は無造作に顔に流れていて、若者なのだが妙に老成した雰囲気を漂わせていた。顔立ちは整っていると言えるが、同時に何処か第一印象では他人を遠ざける凄みがある。愛嬌などとは程遠い、無関心に似た他人への興味のなさが、漏れ出して漂っているようでもあった。
その感情のない目を見、倉木はふと何かが脳裏に過ぎる。誰かは分からないが、
「どこかで……会ったことがある、か?」
正確な記憶ではない。だが、倉木を覗き込む何処か幼いような、冷淡のような、何とも言えない目を見たような気がする。
彼は倉木の言葉を聞くと、笑みを深めた。それは嘘ではなく、本当の笑みに見えた。
「俺のこと覚えてますか。さすが検察官ですね。貴方と出会った当時は、俺はまだ全然ガキだったんですけど」
「子供……?」
ならば、少なくとも十年くらいは前の話か。少なくとも、親戚や知り合いにも心当たりはない。知人などを次々に思い出そうとするが、子供から大人になった人物の繋ぎ合わせは難しかった。その間に一度も会っていないとなれば尚更だ。倉木は拘束を解こうとしながら、必死に考えを巡らせる。例え何処かで会っていたとして、何故、こんな目に遭っているのか。どう見繕っても碌なことはなく、今すぐに逃げ出すより他ない。後ろ手の状態を確認するが、かなり拘束は強固で、普段付けている腕時計すら脱出の道具として使用するのを警戒してか、既に外されていた。
「ああ、やっぱり思い出せません? じゃあ、思い出してもらえるまで、レイプの準備しますか」
「は?」
あくまで雑談のような口調で告げられた内容に、倉木は目を見開く。彼の指は再び倉木の後孔に潜り込み、浅い部分をまさぐった。違和感に眉を顰め、同時に焦燥が倉木の顔に浮かび上がる。
「あっ、ま、待て……っ! 何をしてっ」
「詳しく説明して欲しいですか? でもここは法廷じゃないんで。犯罪者は好き勝手しますよ」
言うな否や、二本の指でぐちゃあ……♡と後孔を開かれた。空気に触れるとじんじん♡と内壁が疼きだし、じっとしていられない衝動に襲われる。媚肉が蠢き、痒みが熱さに変わって腹の奥から染み渡り始めた。
「はっ⁉♡ な゛っ、あ、あつい゛……っ♡」
「さっき見つけた弱点、ここでしたよね」
細長い指が、性器の裏側を抉る。ぐちゅ♡と抉られた瞬間に、倉木は背を仰け反らせていた。
「あ゛あっ♡」
こりこり♡と指の腹で、しこりのような箇所を撫でられ続ける。きゅん♡とするような、堪らない刺激が下肢を埋め尽くした。かくっ♡かくっ♡と腰を揺らし、その拍子に剥き出しにされている半勃の陰茎が、とろぉ……と主が揺れるがままに前後左右に先走りを振り乱す。
見知らぬ人間にこんな姿にさせられているなんて。倉木は羞恥で目の前が眩んだ。
「はっ♡ あっ♡ そこ、やめ――っ♡」
「嫌なところなんですよね。なら、徹底的にやります。今、倉木検察官の前にいるのはレイプ犯なんですよ。弱点って自分で言わない方がいいんじゃないですか?」
「んっ♡ うあっ♡ んん゛~っ♡」
腰が痺れ、拘束されている膝を暴れさせようとしてぎしぎしと音が鳴る。今すぐにこの場から逃げ出さないといけないのに、腕の拘束も脚の拘束も緩む気配すらなかった。しこりを虐められる度にきゅうきゅう♡と媚肉で指を締め付けながら、倉木は懸命に問う。
「な、で、こんな……っ♡ 私が、憎いのかっ?」
真っ先に考えたのは私怨だった。しかし、彼はきょとんとしたように倉木を見返す。
「いや? 俺は貴方に感謝してますよ。尊敬してるとも言えます。貴方があのクソ親父を起訴してくれたおかげで、俺は自由になれたし」
「親、父……っ?♡ は、ぁ゛っ♡」
くりくり♡ こりっ♡
つるっ♡ くりくり……っ♡
指で丹念にくるみ上のしこりを擦られ、その度に腰が震えてしまう。びりびりとした刺激が全身を覆った。彼は前立腺を抑えた指とは違う手で、会陰部分を押し込む。外と中から同じ場所を圧迫され、がくっ♡がくっ♡と脚の先が揺れた。
(な、何か……っ♡ 変な、感覚が――っ♡ 奥から、どんどん溢れて……っ♡)
射精するのとは全く違った気持ちよさに、倉木の脳が真っ白に染められ始める。このまま未知の快楽に囚われてはまずいと、倉木は頭の中の記憶をひっくり返した。
「ひっ、ひあっ♡ んんん゛っ♡」
(子供……お、親……っ♡ そんな、事件……!)
検察官と知っているのであれば、職業上で出会った人間のはずだ。その中で、当時が子供だった――
(そ、なのっ、多くて……っ♡ ああ゛っ♡ でも……っ♡)
しこりを指で挟まれ、ぐちぃっ♡と押し込まれる。倉木は腰を突き上げて、たらたら♡と陰茎から更に透明な液を零した。目の前にばちっ♡と火花が散り、脳が白く染められる。
「ふあ゛っ♡ だめ゛だっ♡ 何か、く、くる゛っ♡」
「もうメスイキするんですか? まぁ、何も覚えていない倉木検察官なら仕方ないか……」
心底残念そうに呟いた男が三本の指で、しこりの表面をつるつると擽る。つるり♡と表面を撫でられるのでさえ無茶苦茶に内壁が痙攣し、掌に爪を立てる勢いで背後にある指を強く握りこんだ。
「あ゛っ♡ ああ゛っ♡ い、い゛っ♡ 何か、ぁ゛っ♡」
せめて相手を思い出さなければならない。おもちゃを弄るように倉木の中を弄び、興奮と冷めた色の両方を浮かべて見下ろしている顔を、滲んだ視界で見上げる。
法廷の片隅で、見たことがあるような気がした。あれは酷い裁判で――父親が法廷に立たされているのを、期待と失望を相混ぜて見つめ、気を遣った検事に連れ出された、あの小さな子供。
「と、遠坂っ?♡」
名を告げた瞬間に、彼は心底恍惚したような瞳に代わり、後孔に潜り込んだ三本の指が、しこりを挟み、中指でぐりぃ~~っ♡としこりを強く掘削した。
「~~~~~~~ッ♡♡♡」
ばちばちっ♡と目の前が明滅し、声もないまま真っ白な世界に囚われる。身体中の制御が効かず、ただびくびくびくぅ~~~♡と震え、波が去るのを待つ以外には何も出来なかった。
(あ゛――――っ♡ な、これ゛っ♡ 気持ち、いい゛っ⁉♡)
一瞬、快楽とも気が付かないほどの衝撃であった。初めてのドライオーガズムに支配された肉体は、一段と敏感になって、刺激を拾い続ける。彼の指は、獲物を甚振った男の喜びの感情のままに、絶頂を極めていてもお構いなしに倉木の弱点をこりこりっ♡と嬲り続けた。
「覚えてくれてたんですね。本当に、最高。倉木さんって良い検察官ですよね」
「うあ゛っ♡ ま、待て゛っ♡ なら、何故……っ」
遠坂はにーっと顔を満面の笑みに変えた。弧月の形に変わった瞳が、嗜虐の色を伴って倉木を見下ろす。
「俺、昔から、正義のヒーローがぐちゃぐちゃに負けるところ想像するの大好きだったんですよね。弱き者の為にと戦う存在が、悪に負けて蹂躙されるって最高すぎて。ヒーローもののアニメとか見ると、いつもヒーローが悪人に捕まって嬲られる姿を妄想してました。伽藍占めに縛り付けられて、どうしようもない状態で、一方的に犯されても諦めずに藻掻いている姿を」
「は?」
「親に虐待されてこっそりアニメを見るしか出来なかった子供がいたんです。周囲の大人も当てにならなくて、正義なんてないと思ってた。けれど、あの親父たちから引き離されて、俺の為に裁判で戦った貴方が、俺にとってどれほどヒーローに見えたかなんて、想像つきませんか?」
言われてみれば、覚えは確かにある。遠坂の両親には虐待の疑惑だけではなく、別の恐喝の容疑もあって、恐喝の件をメインに起訴したのであった。あの場に暗い目をした少年が居たことは、僅かに記憶の端に引っかかってはいるが。
(私がヒーロー……? 蹂躙? 何を言って……まさか)
意味を理解した瞬間に、ぞっと背筋に寒気が走った。遠坂の行動が悪意からではなく、純然たる好意から生まれているらしいと理解するほどに、目の前にいる相手が恐ろしい。
次に何をしてくるかがまったく読めない相手に、圧倒的に不利な状態で対峙している。改めてその事実に気付いた倉木は、椅子に縛られた腕を必死に動かそうとした。ぎちっと音は鳴るが、まったく動く気配はない。それでも無駄な抵抗をやめられない倉木に、遠坂は笑みを深めた。
「いいですね、そうやってずっと諦めないでください。無駄なのに諦めずに足掻いてるって分かるほどに、ほんとにぞくぞくする」
倉木の両頬を挟み、持ち上げられた先で遠坂が陶酔した目を溶かしている。ぞくぞくと悦楽が瞳に浮かべられているのを目の当たりにし、真に彼の言葉に嘘がないのだと倉木は理解した。理解してしまった。
「は――っあ、」
首筋を遠坂の指先がじっとりと撫でる。肌の奥でぞくっとした感触が走った。それを契機として、全身の肌が粟立ち始める。じっと座っていられずに、膝ががくがくと上下に揺れて、拘束具を軋ませた。
身体の中心に際限なく熱が籠り始めるのを如実に感じる。
「んっ――んん……ッ♡」
その時、ジジっと、チャックが下ろされる音がした。はっと意識を取り戻した時には、遠坂の怒張が孔に押し当てられている。止める間もなくそのまま孔の先端に入り、周囲を抉り始めた。
ぐちょ、ぐちょ♡と掘削される度に違和感が襲い、ぞっと背筋が逆毛立つ。咄嗟に動かした膝が拘束具のベルトに阻まれて、虚しくぎちっと音を立てた。
(駄目だっ♡ こんなの――っ♡)
抵抗も、受け入れることも出来ずに、ただただ遠坂の自由に体内を犯される。拘束具に阻まれた肌が擦れるのも構わずに、倉木は唯一自由になる首を振り乱した。
「んんん゛~~~~~~っ♡」
カリが前立腺を叩き、奥を目掛けて怒張が内壁をぬぐぅ♡と掻き分ける。
「ん゛っ♡ んあ゛―――ッ♡」
身体の真ん中を、凄まじい衝撃が走り抜けた。ぐぐぐっと音が出るほどに媚肉を割り開かれ、怒張が肉体を割くようにして肉孔に突入してくる。倉木の後孔は既に抵抗できずに、ただその怒張を受け入れて、異物をどうにか拒否しようと懸命に締め上げていた。
肉棒に押さえつけられた前立腺が、激しくきゅんきゅん♡と疼きだして、倉木は首を振って暴れようとする。一度覚えた気持ちよさに飢えて、身体が再び同じものを得ようとしている。
「あ゛っ♡ ああ゛っ♡ そ、そこ……ぉ゛ッ♡」
「前立腺、ぐいぐい圧迫されてます? 暫くここで浅く掘削して、徹底的に虐めましょうか」
前立腺をごりゅ♡と擦ると亀頭が媚肉の入り口まで下がり、縁が懸命にカリの縁を締め付ける。離れた肉棒の感触に安堵したのも束の間、再びどちゅんっ♡と肉棒の先端が前立腺を小突き、弛緩した内壁は即座に緊張してぎゅ~~~っ♡と収縮し、肉棒に媚びた。
(駄目だ、そこ、小突かれると、身体の奥から……っ♡)
収縮する肉壁を物ともせず、何度も何度もどちゅどちゅ♡と水音を立てて亀頭が前立腺を叩き続ける。きゅ~~♡と込み上げる切なさに、倉木の目は歪み、見つめた天井にある線が滲み始めた。前立腺の刺激で下肢が浮き上がり、倉木の陰茎が勃起しようとする。しかし、刺激を与えられない陰茎は半勃ちの状態で、無様に腹の前で揺れ始めた。しこりを突かれると同時にびゅく♡びゅく♡と先走りを吐き、自身の肉棒と腹筋を惨めに濡らす。
(は――だ、出せな……っ♡ 馬鹿な、こんなのことをされて、出したくなるなど……!)
先走りは溢れ出ても、精液はぐつぐつと睾丸に溜まる一方だ。倉木は奥歯を噛み締めて、駆け巡るもどかしさに耐えた。
ぐい♡ ぐり……っ♡
ぐりぐり♡ ぐちゅっ♡
最奥は突かれずに、ただひたすら前立腺を狙って怒張の先端を押し付け、縁のぎりぎりまで引き抜いてから、また優しく前立腺を殴る。殴られる度に、前立腺は疼きを溜め続け、引き攣る腰が倉木に限界を訴え始めた。
(あ゛あっ♡ そこ、疼く……っ♡ だめだ、締めるな……っ♡ 締めないでくれッ♡)
自分で媚肉を締め上げるほどに、前立腺に当たる刺激が強くなる。分かっていても、自分の力が緩められずに、倉木は上を向いて口を戦慄かせていた。
「あ゛っ♡ だめ゛っ♡ くる゛っ♡ そこ、やめ゛っ♡」
ぐぽぉ~~~~♡
どちゅっ♡
ゆっくりと怒張を引かれ、太いカリが抜ける寸前まで縁を押し広げられる。内部がぐちゅっとうねり、敏感な縁を楽しむように、くぱっ♡くぱっ♡と音を立てて、カリが出入りした。
(ひ、広がる……♡ 広げられ……っ♡)
窄めようとすれば割り開かれ、前立腺をぐちゅん♡と叩かれる。びりびりした感覚に肉壁をひきつかせれば、亀頭で前立腺をぐりぐり♡と抉られ、性器にまで刺激が伝わってくる。倉木は拘束された脚を引きつらせて、下半身に走る快楽に懸命に耐えていた。
「んお゛っ♡ あ゛っ♡ い゛い゛っ♡」
前立腺を突かれる度に、快楽が溜まっていってしまう。コップの縁のギリギリで耐えている倉木を弄び、遠坂はぐちゅぐちゅ♡と前立腺を先端で抉り続けた。足の指から震えが走り、脳を目掛けて全身に駆け抜けていく。
「ん゛~~~~~っ♡」
動けない身体に代わり、手と足の指が開き、白くなるまで力が籠もった。
(い゛っ♡ いく゛っ♡ 駄目だ、もう、いぐっ♡)
どちゅどちゅ♡
ごりゅ……♡ ぐちょっ♡♡
弱点を男の肉棒で殴られる度にどうしようもない快楽に追い立てられてて、目の前にまで絶頂が見えていた。亀頭で肉壁を擦られ、陰茎の熱さに前立腺を押し潰され、ぶるり♡と震える。
(いぐ――ッ♡♡)
しかし、ぎりぎりのところでぬるぅ……♡と怒張が引き抜かれ、動きを止められてしまった。
(あ゛っ♡ な、でっ♡ と、止まって――⁉♡)
あと一回擦られれば。それだけで、何かに到達できそうなのに、そのあと少しが与えられない。急に刺激を失って、拘束された身体ががくがく♡と揺れ、眼を限界まで見開いてしまう。
「は――っ♡ あっ♡ な、なん、で……っ?♡」
思わず、非難がましい視線で遠坂を睨むと、彼は蔑んだような顔に変わった。
「何なんですか、その目。嫌な相手に、嫌な事されてるのにおねだりしてるんですか? そんなわけないですよね、倉木検察官」
ぬるぅ……♡
じっくりと媚肉を掻き分け、後孔の口まで怒張のカリが下がっていく。前立腺が無くなった刺激に飢えを訴えても、縁の中をなぞるように肉棒は動くだけで、きゅんきゅん♡と内壁が蠢いていると分かっているにも関わらず、遠坂は笑ったまま後孔の浅い部分で遊ぶだけだった。くちゅ♡くちゅ♡とわざと音を立てて、絶頂の寸前で放置された倉木を耳から責め立てる。
(くっ……こいつ、ぎりぎりで止め――♡)
昂っていた神経が、前立腺を放置されて、手放すことを惜しむようにもどかしさを訴えながら、熱が下がっていく。明らかな寸止めに、全身が震え立ち、倉木の髪がぱさぱさと揺れた。
欲しい。けれど、それを認めるわけにはいかない。
「は、はぁ――♡ と、当然、だ、ぁっ♡ あ、んん゛っ♡」
どちゅっ♡ どちゅっどちゅどちゅ♡
冷めた熱を思い出させるように、前立腺を殴られる。再び、じわぁ……♡と陰茎から先走りを溢れさせて、根元に溜まった精液が熱く煮えたぎる。解放を求めているのに欲求が満たされない。肉体の不満に晒されて、倉木の目頭に涙が溜まり始めた。
遠坂は涼しい表情をしたまま、平坦な口調で嘯く。
「そうですよね。良かった、正義の検察官が憎い犯罪者にレイプされて気持ちよくなる訳ないですから。そんなの幻滅どころの話じゃないですよ。今も逃げ出す方法を考えて、実行しようとしてるんですよね? みっともない嬌声あげてよがってるだけじゃないって、俺は信じてるんで」
「ふ、ふ――♡ あ、あう゛♡ い゛っ♡」
(そう言われても……――っ♡ 手も足も、解けないっ♡ でも、駄目だ♡ 認めたら駄目だ♡ 認めたら終わる――♡)
「すごく良い顔ですね、倉木さん。もどかしそうで、悔しそうで、それ以上に気持ちよさそう。でも気持ち良さそうなの、演技だって俺は知ってるんで。あと一時間くらい、これ続けましょうか。メスイキなんてしたくないに決まってるし、嫌な奴のペニスでじっとりメス穴を擦られても、いきたい♡いきたい♡なんて喚くわけもない。倉木さんは格好いい検察官なんですから。そんなにはしたない人ではないって俺は分かってます」
「は、? あ、んん゛――っ♡」
遠坂の言葉を理解した瞬間に、きゅ~~♡と内壁が蠢いた。不満を訴えて前立腺が激しく疼いても、倉木には成す術がない。ただ、遠坂に与えられるがままに、どちゅっ♡と突かれれば喘ぎ、引き抜かれればもどかしさに首を振る。
(い、一時間、これを……耐え――っ♡)
一時間と言われたとて、それを遠坂が守るかどうなど、倉木には分からない。それでも示された時間に倉木の意識は必死に縋った。。
ぐりぐり……♡ ぐちゅ……♡
「は、ぁ゛――ああ゛っ♡」
耐えてはいる。だが、遠くはない未来で、耐えられなくなる時が来るなど、倉木にも分かり切っていた。
「すみません、道を聞いてもいいですか」
路地裏で声を掛けられたのは、久しぶりの晩酌のあてを考えている時であった。足を止めた倉木は、厳しい眼を緩めて声の持ち主に振り返る。秋の風に揺られて、整えられた髪が僅かに揺れた。
「どちらに?」
倉木に道を聞いてくる人間は決して多くはない。近寄りがたい雰囲気があるのか、話しかけづらいのかは分からないが、どちらにせよ街の中で自分に声を掛ける人間がいたことが物珍しくて、倉木は自然と応答してしまっていた。
声を掛けてきた青年は、スマホに目を落とし、操作しようとしている。長い黒の前髪が青年の顔を隠していた。マップでも出すつもりなのだろうかと、倉木は少しその場で待つ。
「ゆっくりで大丈夫ですよ」
慌てているような、緊張したような雰囲気を嗅ぎ取って、倉木は微笑を浮かべて告げる。だからだろうか。背後から迫っていた気配には気が付かなかった。
がつんと重たい音と衝撃が響き、ぐらりと身体が揺らぐ。
これはまずいと思った瞬間に意識は落ちて、身体が崩れ落ちる寸前に、青年に抱えられたような感触だけが最後に残っていた。
◇
身体の奥からむず痒さが揺蕩っている。何かが身体の内側を蠢き、何処かを探る度に下肢から背筋に込み上げるものを感じる。ふっと息を吐き、もどかしい感覚から逃げようと身を捩れば、自分の身体が思うように動かないことに気が付いた。
くち、くちゅ……♡
ぐりっ、ぐい~~~♡
一番反応してしまう箇所を集中的に押され始める。倉木は夢のような場所にいる意識の中で、眉を寄せて自分の声を聞いた。
「はっ……はぁ……っ、ん……っ♡」
まるで砂糖を溶かしたような声だった。体内をまさぐる何かに強請るような――そこまで気が付いた時、一気に意識が浮上する。重たい瞼を押し上げ目を開くと、真っ先に灰色の天井の姿が見えた。家でも、職場でもない。まったく見た記憶のない部屋の天井の下で、倉木は椅子に座っている。正確には、座らされていた。
両腕は背もたれの後ろに回され、両腕をベルトでまとめて拘束された上で、背もたれに繋がれている。手錠もあるのか、両手も一纏めに拘束されて動かない。そして、両膝を肩の方へ引き上げられ、肘掛けに繋がれていた。下半身を椅子の座面の前方で突き上げ、その前に、誰かがいる。
恐ろしいことに、倉木のシャツもズボンもはだけさせられ、剥き出しの後孔にその誰かが指を入れてまさぐっていたのであった。
「な――っ⁉ 何を⁉」
咄嗟に脚を床に着こうとしたが、拘束された身体は僅かしか動かない。倉木の恥部を見つめていた人物は顔を上げて、感情の見えない笑みを浮かべた。
くちゅ……♡
彼の指が水音を立てる。それで身体を襲っていた違和感が、そこから溢れていたのだと知った。大量の何かをぶちまけられた後孔が、ぐちゅっ♡と勝手に音を立てて窄む。「ひっ♡」と声を引き攣らせた倉木に、男は告げた。
「目が覚めました? 倉木検察官」
その人物は夜の街で声を掛けてきたあの男に違いなかった。そして、自分の名前を知っている。ではこれは、無差別の犯行ではない。しかし一体何の為に、倉木を狙ってこのような蛮行に及んだのかの理由は欠片も分からない。必死に思考を巡らせながら、倉木は男の顔を観察した。
年頃は二十代の中頃だろう。
どちらかと言えば細身だが、中肉中背と言える。染めていない黒髪は無造作に顔に流れていて、若者なのだが妙に老成した雰囲気を漂わせていた。顔立ちは整っていると言えるが、同時に何処か第一印象では他人を遠ざける凄みがある。愛嬌などとは程遠い、無関心に似た他人への興味のなさが、漏れ出して漂っているようでもあった。
その感情のない目を見、倉木はふと何かが脳裏に過ぎる。誰かは分からないが、
「どこかで……会ったことがある、か?」
正確な記憶ではない。だが、倉木を覗き込む何処か幼いような、冷淡のような、何とも言えない目を見たような気がする。
彼は倉木の言葉を聞くと、笑みを深めた。それは嘘ではなく、本当の笑みに見えた。
「俺のこと覚えてますか。さすが検察官ですね。貴方と出会った当時は、俺はまだ全然ガキだったんですけど」
「子供……?」
ならば、少なくとも十年くらいは前の話か。少なくとも、親戚や知り合いにも心当たりはない。知人などを次々に思い出そうとするが、子供から大人になった人物の繋ぎ合わせは難しかった。その間に一度も会っていないとなれば尚更だ。倉木は拘束を解こうとしながら、必死に考えを巡らせる。例え何処かで会っていたとして、何故、こんな目に遭っているのか。どう見繕っても碌なことはなく、今すぐに逃げ出すより他ない。後ろ手の状態を確認するが、かなり拘束は強固で、普段付けている腕時計すら脱出の道具として使用するのを警戒してか、既に外されていた。
「ああ、やっぱり思い出せません? じゃあ、思い出してもらえるまで、レイプの準備しますか」
「は?」
あくまで雑談のような口調で告げられた内容に、倉木は目を見開く。彼の指は再び倉木の後孔に潜り込み、浅い部分をまさぐった。違和感に眉を顰め、同時に焦燥が倉木の顔に浮かび上がる。
「あっ、ま、待て……っ! 何をしてっ」
「詳しく説明して欲しいですか? でもここは法廷じゃないんで。犯罪者は好き勝手しますよ」
言うな否や、二本の指でぐちゃあ……♡と後孔を開かれた。空気に触れるとじんじん♡と内壁が疼きだし、じっとしていられない衝動に襲われる。媚肉が蠢き、痒みが熱さに変わって腹の奥から染み渡り始めた。
「はっ⁉♡ な゛っ、あ、あつい゛……っ♡」
「さっき見つけた弱点、ここでしたよね」
細長い指が、性器の裏側を抉る。ぐちゅ♡と抉られた瞬間に、倉木は背を仰け反らせていた。
「あ゛あっ♡」
こりこり♡と指の腹で、しこりのような箇所を撫でられ続ける。きゅん♡とするような、堪らない刺激が下肢を埋め尽くした。かくっ♡かくっ♡と腰を揺らし、その拍子に剥き出しにされている半勃の陰茎が、とろぉ……と主が揺れるがままに前後左右に先走りを振り乱す。
見知らぬ人間にこんな姿にさせられているなんて。倉木は羞恥で目の前が眩んだ。
「はっ♡ あっ♡ そこ、やめ――っ♡」
「嫌なところなんですよね。なら、徹底的にやります。今、倉木検察官の前にいるのはレイプ犯なんですよ。弱点って自分で言わない方がいいんじゃないですか?」
「んっ♡ うあっ♡ んん゛~っ♡」
腰が痺れ、拘束されている膝を暴れさせようとしてぎしぎしと音が鳴る。今すぐにこの場から逃げ出さないといけないのに、腕の拘束も脚の拘束も緩む気配すらなかった。しこりを虐められる度にきゅうきゅう♡と媚肉で指を締め付けながら、倉木は懸命に問う。
「な、で、こんな……っ♡ 私が、憎いのかっ?」
真っ先に考えたのは私怨だった。しかし、彼はきょとんとしたように倉木を見返す。
「いや? 俺は貴方に感謝してますよ。尊敬してるとも言えます。貴方があのクソ親父を起訴してくれたおかげで、俺は自由になれたし」
「親、父……っ?♡ は、ぁ゛っ♡」
くりくり♡ こりっ♡
つるっ♡ くりくり……っ♡
指で丹念にくるみ上のしこりを擦られ、その度に腰が震えてしまう。びりびりとした刺激が全身を覆った。彼は前立腺を抑えた指とは違う手で、会陰部分を押し込む。外と中から同じ場所を圧迫され、がくっ♡がくっ♡と脚の先が揺れた。
(な、何か……っ♡ 変な、感覚が――っ♡ 奥から、どんどん溢れて……っ♡)
射精するのとは全く違った気持ちよさに、倉木の脳が真っ白に染められ始める。このまま未知の快楽に囚われてはまずいと、倉木は頭の中の記憶をひっくり返した。
「ひっ、ひあっ♡ んんん゛っ♡」
(子供……お、親……っ♡ そんな、事件……!)
検察官と知っているのであれば、職業上で出会った人間のはずだ。その中で、当時が子供だった――
(そ、なのっ、多くて……っ♡ ああ゛っ♡ でも……っ♡)
しこりを指で挟まれ、ぐちぃっ♡と押し込まれる。倉木は腰を突き上げて、たらたら♡と陰茎から更に透明な液を零した。目の前にばちっ♡と火花が散り、脳が白く染められる。
「ふあ゛っ♡ だめ゛だっ♡ 何か、く、くる゛っ♡」
「もうメスイキするんですか? まぁ、何も覚えていない倉木検察官なら仕方ないか……」
心底残念そうに呟いた男が三本の指で、しこりの表面をつるつると擽る。つるり♡と表面を撫でられるのでさえ無茶苦茶に内壁が痙攣し、掌に爪を立てる勢いで背後にある指を強く握りこんだ。
「あ゛っ♡ ああ゛っ♡ い、い゛っ♡ 何か、ぁ゛っ♡」
せめて相手を思い出さなければならない。おもちゃを弄るように倉木の中を弄び、興奮と冷めた色の両方を浮かべて見下ろしている顔を、滲んだ視界で見上げる。
法廷の片隅で、見たことがあるような気がした。あれは酷い裁判で――父親が法廷に立たされているのを、期待と失望を相混ぜて見つめ、気を遣った検事に連れ出された、あの小さな子供。
「と、遠坂っ?♡」
名を告げた瞬間に、彼は心底恍惚したような瞳に代わり、後孔に潜り込んだ三本の指が、しこりを挟み、中指でぐりぃ~~っ♡としこりを強く掘削した。
「~~~~~~~ッ♡♡♡」
ばちばちっ♡と目の前が明滅し、声もないまま真っ白な世界に囚われる。身体中の制御が効かず、ただびくびくびくぅ~~~♡と震え、波が去るのを待つ以外には何も出来なかった。
(あ゛――――っ♡ な、これ゛っ♡ 気持ち、いい゛っ⁉♡)
一瞬、快楽とも気が付かないほどの衝撃であった。初めてのドライオーガズムに支配された肉体は、一段と敏感になって、刺激を拾い続ける。彼の指は、獲物を甚振った男の喜びの感情のままに、絶頂を極めていてもお構いなしに倉木の弱点をこりこりっ♡と嬲り続けた。
「覚えてくれてたんですね。本当に、最高。倉木さんって良い検察官ですよね」
「うあ゛っ♡ ま、待て゛っ♡ なら、何故……っ」
遠坂はにーっと顔を満面の笑みに変えた。弧月の形に変わった瞳が、嗜虐の色を伴って倉木を見下ろす。
「俺、昔から、正義のヒーローがぐちゃぐちゃに負けるところ想像するの大好きだったんですよね。弱き者の為にと戦う存在が、悪に負けて蹂躙されるって最高すぎて。ヒーローもののアニメとか見ると、いつもヒーローが悪人に捕まって嬲られる姿を妄想してました。伽藍占めに縛り付けられて、どうしようもない状態で、一方的に犯されても諦めずに藻掻いている姿を」
「は?」
「親に虐待されてこっそりアニメを見るしか出来なかった子供がいたんです。周囲の大人も当てにならなくて、正義なんてないと思ってた。けれど、あの親父たちから引き離されて、俺の為に裁判で戦った貴方が、俺にとってどれほどヒーローに見えたかなんて、想像つきませんか?」
言われてみれば、覚えは確かにある。遠坂の両親には虐待の疑惑だけではなく、別の恐喝の容疑もあって、恐喝の件をメインに起訴したのであった。あの場に暗い目をした少年が居たことは、僅かに記憶の端に引っかかってはいるが。
(私がヒーロー……? 蹂躙? 何を言って……まさか)
意味を理解した瞬間に、ぞっと背筋に寒気が走った。遠坂の行動が悪意からではなく、純然たる好意から生まれているらしいと理解するほどに、目の前にいる相手が恐ろしい。
次に何をしてくるかがまったく読めない相手に、圧倒的に不利な状態で対峙している。改めてその事実に気付いた倉木は、椅子に縛られた腕を必死に動かそうとした。ぎちっと音は鳴るが、まったく動く気配はない。それでも無駄な抵抗をやめられない倉木に、遠坂は笑みを深めた。
「いいですね、そうやってずっと諦めないでください。無駄なのに諦めずに足掻いてるって分かるほどに、ほんとにぞくぞくする」
倉木の両頬を挟み、持ち上げられた先で遠坂が陶酔した目を溶かしている。ぞくぞくと悦楽が瞳に浮かべられているのを目の当たりにし、真に彼の言葉に嘘がないのだと倉木は理解した。理解してしまった。
「は――っあ、」
首筋を遠坂の指先がじっとりと撫でる。肌の奥でぞくっとした感触が走った。それを契機として、全身の肌が粟立ち始める。じっと座っていられずに、膝ががくがくと上下に揺れて、拘束具を軋ませた。
身体の中心に際限なく熱が籠り始めるのを如実に感じる。
「んっ――んん……ッ♡」
その時、ジジっと、チャックが下ろされる音がした。はっと意識を取り戻した時には、遠坂の怒張が孔に押し当てられている。止める間もなくそのまま孔の先端に入り、周囲を抉り始めた。
ぐちょ、ぐちょ♡と掘削される度に違和感が襲い、ぞっと背筋が逆毛立つ。咄嗟に動かした膝が拘束具のベルトに阻まれて、虚しくぎちっと音を立てた。
(駄目だっ♡ こんなの――っ♡)
抵抗も、受け入れることも出来ずに、ただただ遠坂の自由に体内を犯される。拘束具に阻まれた肌が擦れるのも構わずに、倉木は唯一自由になる首を振り乱した。
「んんん゛~~~~~~っ♡」
カリが前立腺を叩き、奥を目掛けて怒張が内壁をぬぐぅ♡と掻き分ける。
「ん゛っ♡ んあ゛―――ッ♡」
身体の真ん中を、凄まじい衝撃が走り抜けた。ぐぐぐっと音が出るほどに媚肉を割り開かれ、怒張が肉体を割くようにして肉孔に突入してくる。倉木の後孔は既に抵抗できずに、ただその怒張を受け入れて、異物をどうにか拒否しようと懸命に締め上げていた。
肉棒に押さえつけられた前立腺が、激しくきゅんきゅん♡と疼きだして、倉木は首を振って暴れようとする。一度覚えた気持ちよさに飢えて、身体が再び同じものを得ようとしている。
「あ゛っ♡ ああ゛っ♡ そ、そこ……ぉ゛ッ♡」
「前立腺、ぐいぐい圧迫されてます? 暫くここで浅く掘削して、徹底的に虐めましょうか」
前立腺をごりゅ♡と擦ると亀頭が媚肉の入り口まで下がり、縁が懸命にカリの縁を締め付ける。離れた肉棒の感触に安堵したのも束の間、再びどちゅんっ♡と肉棒の先端が前立腺を小突き、弛緩した内壁は即座に緊張してぎゅ~~~っ♡と収縮し、肉棒に媚びた。
(駄目だ、そこ、小突かれると、身体の奥から……っ♡)
収縮する肉壁を物ともせず、何度も何度もどちゅどちゅ♡と水音を立てて亀頭が前立腺を叩き続ける。きゅ~~♡と込み上げる切なさに、倉木の目は歪み、見つめた天井にある線が滲み始めた。前立腺の刺激で下肢が浮き上がり、倉木の陰茎が勃起しようとする。しかし、刺激を与えられない陰茎は半勃ちの状態で、無様に腹の前で揺れ始めた。しこりを突かれると同時にびゅく♡びゅく♡と先走りを吐き、自身の肉棒と腹筋を惨めに濡らす。
(は――だ、出せな……っ♡ 馬鹿な、こんなのことをされて、出したくなるなど……!)
先走りは溢れ出ても、精液はぐつぐつと睾丸に溜まる一方だ。倉木は奥歯を噛み締めて、駆け巡るもどかしさに耐えた。
ぐい♡ ぐり……っ♡
ぐりぐり♡ ぐちゅっ♡
最奥は突かれずに、ただひたすら前立腺を狙って怒張の先端を押し付け、縁のぎりぎりまで引き抜いてから、また優しく前立腺を殴る。殴られる度に、前立腺は疼きを溜め続け、引き攣る腰が倉木に限界を訴え始めた。
(あ゛あっ♡ そこ、疼く……っ♡ だめだ、締めるな……っ♡ 締めないでくれッ♡)
自分で媚肉を締め上げるほどに、前立腺に当たる刺激が強くなる。分かっていても、自分の力が緩められずに、倉木は上を向いて口を戦慄かせていた。
「あ゛っ♡ だめ゛っ♡ くる゛っ♡ そこ、やめ゛っ♡」
ぐぽぉ~~~~♡
どちゅっ♡
ゆっくりと怒張を引かれ、太いカリが抜ける寸前まで縁を押し広げられる。内部がぐちゅっとうねり、敏感な縁を楽しむように、くぱっ♡くぱっ♡と音を立てて、カリが出入りした。
(ひ、広がる……♡ 広げられ……っ♡)
窄めようとすれば割り開かれ、前立腺をぐちゅん♡と叩かれる。びりびりした感覚に肉壁をひきつかせれば、亀頭で前立腺をぐりぐり♡と抉られ、性器にまで刺激が伝わってくる。倉木は拘束された脚を引きつらせて、下半身に走る快楽に懸命に耐えていた。
「んお゛っ♡ あ゛っ♡ い゛い゛っ♡」
前立腺を突かれる度に、快楽が溜まっていってしまう。コップの縁のギリギリで耐えている倉木を弄び、遠坂はぐちゅぐちゅ♡と前立腺を先端で抉り続けた。足の指から震えが走り、脳を目掛けて全身に駆け抜けていく。
「ん゛~~~~~っ♡」
動けない身体に代わり、手と足の指が開き、白くなるまで力が籠もった。
(い゛っ♡ いく゛っ♡ 駄目だ、もう、いぐっ♡)
どちゅどちゅ♡
ごりゅ……♡ ぐちょっ♡♡
弱点を男の肉棒で殴られる度にどうしようもない快楽に追い立てられてて、目の前にまで絶頂が見えていた。亀頭で肉壁を擦られ、陰茎の熱さに前立腺を押し潰され、ぶるり♡と震える。
(いぐ――ッ♡♡)
しかし、ぎりぎりのところでぬるぅ……♡と怒張が引き抜かれ、動きを止められてしまった。
(あ゛っ♡ な、でっ♡ と、止まって――⁉♡)
あと一回擦られれば。それだけで、何かに到達できそうなのに、そのあと少しが与えられない。急に刺激を失って、拘束された身体ががくがく♡と揺れ、眼を限界まで見開いてしまう。
「は――っ♡ あっ♡ な、なん、で……っ?♡」
思わず、非難がましい視線で遠坂を睨むと、彼は蔑んだような顔に変わった。
「何なんですか、その目。嫌な相手に、嫌な事されてるのにおねだりしてるんですか? そんなわけないですよね、倉木検察官」
ぬるぅ……♡
じっくりと媚肉を掻き分け、後孔の口まで怒張のカリが下がっていく。前立腺が無くなった刺激に飢えを訴えても、縁の中をなぞるように肉棒は動くだけで、きゅんきゅん♡と内壁が蠢いていると分かっているにも関わらず、遠坂は笑ったまま後孔の浅い部分で遊ぶだけだった。くちゅ♡くちゅ♡とわざと音を立てて、絶頂の寸前で放置された倉木を耳から責め立てる。
(くっ……こいつ、ぎりぎりで止め――♡)
昂っていた神経が、前立腺を放置されて、手放すことを惜しむようにもどかしさを訴えながら、熱が下がっていく。明らかな寸止めに、全身が震え立ち、倉木の髪がぱさぱさと揺れた。
欲しい。けれど、それを認めるわけにはいかない。
「は、はぁ――♡ と、当然、だ、ぁっ♡ あ、んん゛っ♡」
どちゅっ♡ どちゅっどちゅどちゅ♡
冷めた熱を思い出させるように、前立腺を殴られる。再び、じわぁ……♡と陰茎から先走りを溢れさせて、根元に溜まった精液が熱く煮えたぎる。解放を求めているのに欲求が満たされない。肉体の不満に晒されて、倉木の目頭に涙が溜まり始めた。
遠坂は涼しい表情をしたまま、平坦な口調で嘯く。
「そうですよね。良かった、正義の検察官が憎い犯罪者にレイプされて気持ちよくなる訳ないですから。そんなの幻滅どころの話じゃないですよ。今も逃げ出す方法を考えて、実行しようとしてるんですよね? みっともない嬌声あげてよがってるだけじゃないって、俺は信じてるんで」
「ふ、ふ――♡ あ、あう゛♡ い゛っ♡」
(そう言われても……――っ♡ 手も足も、解けないっ♡ でも、駄目だ♡ 認めたら駄目だ♡ 認めたら終わる――♡)
「すごく良い顔ですね、倉木さん。もどかしそうで、悔しそうで、それ以上に気持ちよさそう。でも気持ち良さそうなの、演技だって俺は知ってるんで。あと一時間くらい、これ続けましょうか。メスイキなんてしたくないに決まってるし、嫌な奴のペニスでじっとりメス穴を擦られても、いきたい♡いきたい♡なんて喚くわけもない。倉木さんは格好いい検察官なんですから。そんなにはしたない人ではないって俺は分かってます」
「は、? あ、んん゛――っ♡」
遠坂の言葉を理解した瞬間に、きゅ~~♡と内壁が蠢いた。不満を訴えて前立腺が激しく疼いても、倉木には成す術がない。ただ、遠坂に与えられるがままに、どちゅっ♡と突かれれば喘ぎ、引き抜かれればもどかしさに首を振る。
(い、一時間、これを……耐え――っ♡)
一時間と言われたとて、それを遠坂が守るかどうなど、倉木には分からない。それでも示された時間に倉木の意識は必死に縋った。。
ぐりぐり……♡ ぐちゅ……♡
「は、ぁ゛――ああ゛っ♡」
耐えてはいる。だが、遠くはない未来で、耐えられなくなる時が来るなど、倉木にも分かり切っていた。
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