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22 威嚇用です
しおりを挟むエマさんが言っていた。
女の子は髪を清潔にしてないと駄目なんだって。
エマさんにとかしてもらった髪はとっても艶やかになり、甘い香りがほのかに漂っていた。
良い香りがする。凄く感動……。
「ただいまロアくん。着替えが終わったよ」
私の履いているスカートに視線を向けるも、ロアくんは特に気にした様子を見せない。
「ふーん……エマさんが好きそうな花柄だな。前着てたボロ布よりはマシになったかな」
……それだけ?
このスカートはロア君のお下がりだってエマさんが言ってたんだけど、貰っても良いって事かな?
「よし。んじゃ次はリュカの装備を選びに行こう」
「装備? この格好じゃ駄目なの?」
「ギルドで働くなら武器の1つでも持っていないと駄目だ。特に女性は同業者に舐められる」
そっか……確かに、道具を持たずに仕事が出来っこないもんね。
それに武器があれば威嚇になるし、余計な争い事を避けられるみたい。
ニンゲンって賢いなぁ。
歩き出したロアくんの後について行く。
1階への階段を下りてロビーに向かっていると、足音がかつかつと鮮明に耳に響いた。
話し声が聞こえない。
建物は大きいのにあんまりニンゲンが居ないみたい。
「静かだね。みんなお出かけしてるの?」
「ああ。みんな、朝からギルドの仕事に出かけてるよ。エマみたいにここに住んでる奴もいれば、もう何ヶ月も顔を見てない仲間もいる。働かざるもの食うべからずが父さんの口癖だからな」
まだ会ったばかりだけど、その口癖はレギオスさんのイメージにぴったりだ。
幸いにも、私は森にいた頃に狩や畑仕事を毎日こなしていたし、体力には結構自信がある。
「着いたぞ。この部屋だ」
ロアくんが足を止め、真っ暗な部屋のランプに火を灯す。
部屋が照らされ、壁一面に掛けられていた立派な剣や槍が現れた。
うわー、綺麗……宝石みたい。
どの武器も刃が研ぎ澄まされていて綺麗で、持ち手の所に綺麗な宝石が取付られていた。
「これも武器なんだぁ」
「剣が珍しいのか? その宝石はレプリカだし、安物しかないけどこの中から好きなものを選んで良いよ」
「やったぁ!」
貰ってばっかりで申し訳ない気持ちで一杯だけど、今は自分の力じゃどうしようもない。
これから頑張って働いて返そう!
……っていうか、この立派な剣を見てると、今まで果物ナイフで戦ってた私が変に思えてくる。
後でパパに抗議しようっと。
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