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旅に出るのに必要なのは
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爺さんは両目を瞑りながら両手を前にかざし、真剣な表情で何やらブツブツと呟いている。
おそらくは魔法の詠唱ってヤツだろう。
正直、俺には念仏にしか聞こえんが。
やがてかざした両手の前に数多くの光の玉が現れ、一つの玉に次々と合体しでかくなり始めた。
そして光の玉の全てが一つになった時、爺さんは目を開け両手を下ろし「フウ…ッ。」と息を継いだ。
「ヨシ、コレで暫し後にハヤテの新しい身体が完成するぞ。」
「ん?魔法なら一瞬でババッと完成したりせんの?」
「そう簡単にはいかん。」
爺さんは首を横に振った。
「お主の身体の再構築には、その為の材料が必要となる。材料を集めて身体を創り、ソレが完全に定着するには時間がかかるのじゃ。」
「むー‥、結構な手間がかかるモンだな。」
「何事も大なり小なり手間はかかるからの。」
「‥それもそうか。」
米を食うにもそれなりに手間がかかるしな。
「さてと、次の仕事に移るかの。」
「次?」
「そうじゃ。」
俺の言葉に爺さんは頷く。
「お主の旅の仲間を選ばねばいかんからの。」
爺さんの言葉に少々面食らう。
仲間なんて想像すらしてなかった。
「ちと待て爺さん。仲間なんて必要か?」
「当然じゃろう。」
爺さんは自信満々に言う。
「仲間が居ればお主の生存確率が上がるからの。」
なるほど、そりゃそうだ。
俺の苦手を手助けしてもらえりゃ助かる。
「仲間は良いがアテが有るのか?性格が合う合わねーもあるし‥。」
コレは当然の疑問だろう。
ウマが合わず仲違いばかり…なんてなお断りだ。
「お主と相性が良さそうな者を選択し、夢の形で神託を授けようと思っておる。」
爺さんはやはり自信満々だ。
でもなんとなく気になった。
「…もしかして、もう心当たりが有るとか?」
「うむ。」
爺さんは頷いた。
「取り敢えず四人程の。キザな男と紅一点と」
「ちっと待て!!」
俺は爺さんの言葉を遮る。
「…もしかして残り二人は[すばしっこい小僧]と[デブ男]か?」
「良く分かったの、その通りじゃ。」
爺さんは驚いている。
が、今はそんな事どうでも良い!
「却下ーーーーっ!!」
俺は力一杯叫んだ。
「藪から棒になんじゃ?」
爺さんは不思議がってるが関係無い!!
間違いなくアレだ!!
鳥の二つ名が付いてる人達だ!!
最終回が全滅エンドだった科学な忍者チームだ!!
縁起が悪いにも程があるわ!!
「とにかく却下だ却下!!ソイツらは断固拒否する!!」
俺の言葉に爺さんは「会った事も無い者を……。」と、ブツブツ言っている。
だが駄目だ!!
絶対に受け入れない!!
コイツは確実に死亡フラグだ!!
「なら彼等はどうじゃ?」
爺さんは違うメンバー候補を上げてきた。
「…先に聞いておくぞ。また四人組か…?」
「少々違うの。」
爺さんは頭を横に振った。
「彼等は四人と犬一匹じゃな。」
四人と犬…?
ソレはまさか…?
「…なぁ爺さん、ソイツ等はもしかして……?」
「もしかして……?」
「数万年前に滅んだ古代文明の生き残りで、魔道具を埋め込んだ身体で今まで眠っていた連中か…?」
「驚いたのぅ、その通りじゃ!今はまだ眠っておるがの!」
「…特攻全滅エンドォォォ。」
爺さんの言葉に両手で頭を抱え、肘と膝で四つん這いになった俺だった…。
「却下ーーーー!!」
またもや力一杯叫ぶ俺。
当然である。
何が悲しくて全滅見えてる連中を仲間にせにゃならんのだ?
つかこのジジイ、本当に善意で薦めてるのか?
特に後者なんか九人の改造人間な戦鬼を焼き直したヤツだぞ?
何でそんなマイナーなモンを知ってんだ?
偶然とかじゃ納得出来んわ。
「また却下じゃと?何故じゃ?」
「理由は言わんが却下!!とにかく却下!!断固却下!!絶対却下ー!!」
「我が儘じゃのぅ…。」
爺さんには悪いが心情的に無理だよ…。
「…困ったのぅ、他にはお薦め出来る者が居らんぞ?」
「…良いよ良いよ、最初から暫くは単独で旅するよ俺。」
正直、爺さんの人選が不安過ぎる。
爺さん、俺を無き者にしようとしてないか?
なんか思い切り疲れた俺だった…。
おそらくは魔法の詠唱ってヤツだろう。
正直、俺には念仏にしか聞こえんが。
やがてかざした両手の前に数多くの光の玉が現れ、一つの玉に次々と合体しでかくなり始めた。
そして光の玉の全てが一つになった時、爺さんは目を開け両手を下ろし「フウ…ッ。」と息を継いだ。
「ヨシ、コレで暫し後にハヤテの新しい身体が完成するぞ。」
「ん?魔法なら一瞬でババッと完成したりせんの?」
「そう簡単にはいかん。」
爺さんは首を横に振った。
「お主の身体の再構築には、その為の材料が必要となる。材料を集めて身体を創り、ソレが完全に定着するには時間がかかるのじゃ。」
「むー‥、結構な手間がかかるモンだな。」
「何事も大なり小なり手間はかかるからの。」
「‥それもそうか。」
米を食うにもそれなりに手間がかかるしな。
「さてと、次の仕事に移るかの。」
「次?」
「そうじゃ。」
俺の言葉に爺さんは頷く。
「お主の旅の仲間を選ばねばいかんからの。」
爺さんの言葉に少々面食らう。
仲間なんて想像すらしてなかった。
「ちと待て爺さん。仲間なんて必要か?」
「当然じゃろう。」
爺さんは自信満々に言う。
「仲間が居ればお主の生存確率が上がるからの。」
なるほど、そりゃそうだ。
俺の苦手を手助けしてもらえりゃ助かる。
「仲間は良いがアテが有るのか?性格が合う合わねーもあるし‥。」
コレは当然の疑問だろう。
ウマが合わず仲違いばかり…なんてなお断りだ。
「お主と相性が良さそうな者を選択し、夢の形で神託を授けようと思っておる。」
爺さんはやはり自信満々だ。
でもなんとなく気になった。
「…もしかして、もう心当たりが有るとか?」
「うむ。」
爺さんは頷いた。
「取り敢えず四人程の。キザな男と紅一点と」
「ちっと待て!!」
俺は爺さんの言葉を遮る。
「…もしかして残り二人は[すばしっこい小僧]と[デブ男]か?」
「良く分かったの、その通りじゃ。」
爺さんは驚いている。
が、今はそんな事どうでも良い!
「却下ーーーーっ!!」
俺は力一杯叫んだ。
「藪から棒になんじゃ?」
爺さんは不思議がってるが関係無い!!
間違いなくアレだ!!
鳥の二つ名が付いてる人達だ!!
最終回が全滅エンドだった科学な忍者チームだ!!
縁起が悪いにも程があるわ!!
「とにかく却下だ却下!!ソイツらは断固拒否する!!」
俺の言葉に爺さんは「会った事も無い者を……。」と、ブツブツ言っている。
だが駄目だ!!
絶対に受け入れない!!
コイツは確実に死亡フラグだ!!
「なら彼等はどうじゃ?」
爺さんは違うメンバー候補を上げてきた。
「…先に聞いておくぞ。また四人組か…?」
「少々違うの。」
爺さんは頭を横に振った。
「彼等は四人と犬一匹じゃな。」
四人と犬…?
ソレはまさか…?
「…なぁ爺さん、ソイツ等はもしかして……?」
「もしかして……?」
「数万年前に滅んだ古代文明の生き残りで、魔道具を埋め込んだ身体で今まで眠っていた連中か…?」
「驚いたのぅ、その通りじゃ!今はまだ眠っておるがの!」
「…特攻全滅エンドォォォ。」
爺さんの言葉に両手で頭を抱え、肘と膝で四つん這いになった俺だった…。
「却下ーーーー!!」
またもや力一杯叫ぶ俺。
当然である。
何が悲しくて全滅見えてる連中を仲間にせにゃならんのだ?
つかこのジジイ、本当に善意で薦めてるのか?
特に後者なんか九人の改造人間な戦鬼を焼き直したヤツだぞ?
何でそんなマイナーなモンを知ってんだ?
偶然とかじゃ納得出来んわ。
「また却下じゃと?何故じゃ?」
「理由は言わんが却下!!とにかく却下!!断固却下!!絶対却下ー!!」
「我が儘じゃのぅ…。」
爺さんには悪いが心情的に無理だよ…。
「…困ったのぅ、他にはお薦め出来る者が居らんぞ?」
「…良いよ良いよ、最初から暫くは単独で旅するよ俺。」
正直、爺さんの人選が不安過ぎる。
爺さん、俺を無き者にしようとしてないか?
なんか思い切り疲れた俺だった…。
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