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本編
二十七話 一方
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さて、カイルが出発前に渡した遺物で転移してきて、結果対を入れていた異空間からはじき出されたライナルトだが。
では一体、彼に何があったのか。
時は遡る事大体、皇城が襲撃されたくらい。
そこで、ライナルトはクーデターを起こした領に忍び込んで、領主の屋敷を襲撃していた。
襲撃だ。
まず屋敷の屋根にいくつも雷を落として、でかい穴をあけたり、屋根に火がついて燃えたりもしていた。
一切の警告とかしなかったので、多分何も知らない人間も巻き込まれたが、そこら辺は運がなかったなとしか思わないライナルトなので。
そもそも、元から警告とか交渉とか一切する気がなかったので、取りあえず首謀者を殺せばいいかなって思っていたのだ。
あまりに物騒というか、ちょっと短絡的というか、殺意が高いというか。
そして突然の攻撃に慌てている隙に、連れて行っていた兵にゴーサイン出して襲わせた。
そこからライナルトは散歩するような足取りで屋敷を歩き、偶に出会う兵を殴ったり蹴ったり。
面倒なので剣すら抜かないし、必要を感じないので魔法も使わないライナルトは、なんなら鼻歌すら歌っていた。
つまりは、カイルが襲撃されて逃げたり、窮地に陥ったり、打開策を考えている間。
ライナルトはとんでもなく油断していたし、緊張感なんてものは一切なかったのだ。
だってほら、敵は確かに数はいるようだけど、実際その内実はライナルトが気に入らない人間の集まりだ。
色んな思考の人間がいるからこそ、意見は全然まとまらず、クーデターを起こそうってなった割にはまだ行動を起こしていないのだから。
ならば危機感を抱いて警戒して慎重に動くよりは、相手方の意見がまとまる前に全部ぶち壊してしまった方がいいだろう。
そう思っての今回の行動だった。
屋敷の奥、首謀者らしき者の一人だろう、逃げ遅れた人間を捕らえて、すぐに殺すのはあんまりよくないかと思って気絶させたライナルト。
一番優先すべきは、オトウトとやらを探して確保するか、殺すことだろうと思って気絶させたソレを放り投げて。
その時だった。
ライナルトの肩のあたりを何かが貫いて、その衝撃に体が傾き一歩後退る。
肩に手で触れると、血で濡れる感触、そして痛み。
恐らく、穴が開いているのだろう。
けれど不思議なことに、服には穴は開いていない。
何かが、恐らく飛び道具だろう、服に穴がないってことは遺物だろうか。
そこまで考えて、ライナルトは攻撃が飛んできた方向に向け、初めて剣を抜いて踏み込んだ。
隙間の空いた扉、蹴り開けたソレに隠れるように、手に小型の銃を握りしめた十五歳ほどの少年がいた。
床に座り込んで、立ち上がろうとして立てないのは腰が抜けているからだろうか。
怯えたようなその顔は、先帝に似ているような、あるいは兄に似ている気もする。
ライナルトには全然似ていないが、つまりは皇族に似ているこの少年こそが、今回のクーデターが起こるきっかけとなった異母弟なのだろう。
その少年は、怯えて息も吐けないのに、涙を堪えた瞳には一丁前に憎悪の感情を色濃く浮かべていた。
はて。
一瞬ライナルトは思考する。
はたして己は、この少年に何かをしたのだろうか。
全く覚えがないので何もしていないのだろうが、なぜこんなに恨まれているのか、全く分からないし、すぐにどうでもいい事だと思考を放り捨てる。
それから、手に持った剣を振り上げ、その少年の首に向けて躊躇なく振り下ろした。
床に倒れる体、転がる頭、流れ出す赤い血。
落とされて直ぐはまだ死んでいないらしい頭部では、目が一回だけ瞬きしていた。
これにて、この騒動はひとまず鎮圧した、としていいだろう。
「ハァ……クソッ」
悪態がこぼれる。
剣を放り投げ、肩を押さえて片膝を付いたライナルトは、せめて止血をしようと魔法で肩の傷を治そうとした。
少し傷が塞がったと思ったらすぐにまた開くという状態に嫌な予感がした。
治してもすぐに開く傷口、その上魔法を使っていないのに、体から魔力が漏れていくような感覚。
どこかで見たことがあるような、そんな状態。
はて一体いつどこで見たのだったか、ちょっと悩んだライナルトは、その症状が昔、エーテル体に穴が開いたとか言っていた炎帝と同じだと気付いた。
確か何だっけ、エーテル体が傷付けば肉体にも傷が反映されるのだったか。
恐らく、あの遺物の効果はエーテル体への攻撃だったのだろう。だから服は傷付いてない。
けれどエーテル体が傷付けば肉体の方にも傷が反映されて、結果が肩の怪我だろう。
あの時はエーテル体なんて全く分からなかったのに、いきなりそれを塞げと言われて、ふざけんなよって感じだったが、今を思うと幸運だったのかもしれない。
おかげですぐにエーテル体の穴を魔力で塞ぐという事を思いつき、そして実行できた。
それでも、あくまでこれは一時的な応急処置に過ぎないらしいけど。
エーテル体の方を治さないといけないが、そういえば結局、あいつはどうやって治したんだっけ。
急いで記憶を振り返るが、その時は襲ってきた竜から逃げるのに必死なことしか思い出せないライナルトは、流石に焦った。
少しずつ漏れる魔力、治す当てはなく、そして現在いるのは一応敵地。
少しずつ体に力が入らなくなり、魔法も魔力の関係で使えそうにない。
「……やべぇな」
冷や汗が背筋をつたう感覚に、ひやりとさせられて、流石に死を覚悟した。
そうなって、仕方ないと思ったライナルトは、本当に気は進まないがカイルが出発前に渡してきた遺物を取り出した。
転移できるらしいが、どこに出るかはライナルトには一切分からない遺物。
けれども、現状はこの場に残るのも良くない、まだ動くうちにどこかに移動するべきだと判断したライナルト。
覚悟を決めて、自分を攻撃してきた遺物を回収してから、転移の遺物を発動させた。
その結果。
明るいんだか暗いんだか分からない空間に出て、浮いてるような感覚で全く動かない体と、空気がないのか呼吸出来ない状況。
一体ここはどこだふざけんな、もし死ぬようなことになったら何が何でもアイツを道ずれにしてやると心に決めた所で、何かに引っ張られるような感覚で空気のある所に放り出されたわけだ。
「これが、その遺物か……」
「……あぁ」
「銃の方はそこまで特別なものじゃないね、弾は一発だけで追加で補充できないくらいかな、多分弾丸の方がメインだったんだろうね」
「なおせるか?」
「銃を? 壊れてないよ」
マァこれは、一回分解してみないと他に使い道あるかは分からないけど。
そんな事を言って、遺物を両手に持っていろんな角度から眺めるカイルに、ライナルトは何なんだコイツという感情が浮かぶ。
けれど、無駄に言い争ってる時間はなさそうなので、少し苛立ちながらも、どうにか息を整え言葉を続ける。
「俺を、治せるか」
「あぁ、お前? 勿論、自力で魔力の流出せき止めてるし、いけるいける」
あっさりとした言葉だった。
当たり前だろって顔でそう言い切ったカイルに、少し拍子抜けしたライナルトは目をぱちくりと瞬かせ、もしかしたら自分の状態はそこまで悪くないのかもしれんと思った。
勿論そんなことはないけど、同じような状況から生還した人間を実際に知ってるし、カイルもなんだか簡単に治せるとか言ってるので。
ちょっと安心して詰めていた息を吐いたライナルトに、カイルが近寄って、突然胸倉を掴み上げた。
「お前、何するんだッ」
「コレはエーテル体が傷付いてるだけだね、治癒を阻害する術とかは一切ないからそこまで難しくないよ」
「この手は何なのかって聞いてるんだっ」
「でもこっちの方が早いかな」
「おいッ!!」
ライナルトの言葉を一切聞かずに、どこからかナイフを取り出したカイルがそれを振り上げた。
キラリと光る刃先、制止の言葉を叫ぶ前に、カイルは迷いなく肩に振り下ろした。
では一体、彼に何があったのか。
時は遡る事大体、皇城が襲撃されたくらい。
そこで、ライナルトはクーデターを起こした領に忍び込んで、領主の屋敷を襲撃していた。
襲撃だ。
まず屋敷の屋根にいくつも雷を落として、でかい穴をあけたり、屋根に火がついて燃えたりもしていた。
一切の警告とかしなかったので、多分何も知らない人間も巻き込まれたが、そこら辺は運がなかったなとしか思わないライナルトなので。
そもそも、元から警告とか交渉とか一切する気がなかったので、取りあえず首謀者を殺せばいいかなって思っていたのだ。
あまりに物騒というか、ちょっと短絡的というか、殺意が高いというか。
そして突然の攻撃に慌てている隙に、連れて行っていた兵にゴーサイン出して襲わせた。
そこからライナルトは散歩するような足取りで屋敷を歩き、偶に出会う兵を殴ったり蹴ったり。
面倒なので剣すら抜かないし、必要を感じないので魔法も使わないライナルトは、なんなら鼻歌すら歌っていた。
つまりは、カイルが襲撃されて逃げたり、窮地に陥ったり、打開策を考えている間。
ライナルトはとんでもなく油断していたし、緊張感なんてものは一切なかったのだ。
だってほら、敵は確かに数はいるようだけど、実際その内実はライナルトが気に入らない人間の集まりだ。
色んな思考の人間がいるからこそ、意見は全然まとまらず、クーデターを起こそうってなった割にはまだ行動を起こしていないのだから。
ならば危機感を抱いて警戒して慎重に動くよりは、相手方の意見がまとまる前に全部ぶち壊してしまった方がいいだろう。
そう思っての今回の行動だった。
屋敷の奥、首謀者らしき者の一人だろう、逃げ遅れた人間を捕らえて、すぐに殺すのはあんまりよくないかと思って気絶させたライナルト。
一番優先すべきは、オトウトとやらを探して確保するか、殺すことだろうと思って気絶させたソレを放り投げて。
その時だった。
ライナルトの肩のあたりを何かが貫いて、その衝撃に体が傾き一歩後退る。
肩に手で触れると、血で濡れる感触、そして痛み。
恐らく、穴が開いているのだろう。
けれど不思議なことに、服には穴は開いていない。
何かが、恐らく飛び道具だろう、服に穴がないってことは遺物だろうか。
そこまで考えて、ライナルトは攻撃が飛んできた方向に向け、初めて剣を抜いて踏み込んだ。
隙間の空いた扉、蹴り開けたソレに隠れるように、手に小型の銃を握りしめた十五歳ほどの少年がいた。
床に座り込んで、立ち上がろうとして立てないのは腰が抜けているからだろうか。
怯えたようなその顔は、先帝に似ているような、あるいは兄に似ている気もする。
ライナルトには全然似ていないが、つまりは皇族に似ているこの少年こそが、今回のクーデターが起こるきっかけとなった異母弟なのだろう。
その少年は、怯えて息も吐けないのに、涙を堪えた瞳には一丁前に憎悪の感情を色濃く浮かべていた。
はて。
一瞬ライナルトは思考する。
はたして己は、この少年に何かをしたのだろうか。
全く覚えがないので何もしていないのだろうが、なぜこんなに恨まれているのか、全く分からないし、すぐにどうでもいい事だと思考を放り捨てる。
それから、手に持った剣を振り上げ、その少年の首に向けて躊躇なく振り下ろした。
床に倒れる体、転がる頭、流れ出す赤い血。
落とされて直ぐはまだ死んでいないらしい頭部では、目が一回だけ瞬きしていた。
これにて、この騒動はひとまず鎮圧した、としていいだろう。
「ハァ……クソッ」
悪態がこぼれる。
剣を放り投げ、肩を押さえて片膝を付いたライナルトは、せめて止血をしようと魔法で肩の傷を治そうとした。
少し傷が塞がったと思ったらすぐにまた開くという状態に嫌な予感がした。
治してもすぐに開く傷口、その上魔法を使っていないのに、体から魔力が漏れていくような感覚。
どこかで見たことがあるような、そんな状態。
はて一体いつどこで見たのだったか、ちょっと悩んだライナルトは、その症状が昔、エーテル体に穴が開いたとか言っていた炎帝と同じだと気付いた。
確か何だっけ、エーテル体が傷付けば肉体にも傷が反映されるのだったか。
恐らく、あの遺物の効果はエーテル体への攻撃だったのだろう。だから服は傷付いてない。
けれどエーテル体が傷付けば肉体の方にも傷が反映されて、結果が肩の怪我だろう。
あの時はエーテル体なんて全く分からなかったのに、いきなりそれを塞げと言われて、ふざけんなよって感じだったが、今を思うと幸運だったのかもしれない。
おかげですぐにエーテル体の穴を魔力で塞ぐという事を思いつき、そして実行できた。
それでも、あくまでこれは一時的な応急処置に過ぎないらしいけど。
エーテル体の方を治さないといけないが、そういえば結局、あいつはどうやって治したんだっけ。
急いで記憶を振り返るが、その時は襲ってきた竜から逃げるのに必死なことしか思い出せないライナルトは、流石に焦った。
少しずつ漏れる魔力、治す当てはなく、そして現在いるのは一応敵地。
少しずつ体に力が入らなくなり、魔法も魔力の関係で使えそうにない。
「……やべぇな」
冷や汗が背筋をつたう感覚に、ひやりとさせられて、流石に死を覚悟した。
そうなって、仕方ないと思ったライナルトは、本当に気は進まないがカイルが出発前に渡してきた遺物を取り出した。
転移できるらしいが、どこに出るかはライナルトには一切分からない遺物。
けれども、現状はこの場に残るのも良くない、まだ動くうちにどこかに移動するべきだと判断したライナルト。
覚悟を決めて、自分を攻撃してきた遺物を回収してから、転移の遺物を発動させた。
その結果。
明るいんだか暗いんだか分からない空間に出て、浮いてるような感覚で全く動かない体と、空気がないのか呼吸出来ない状況。
一体ここはどこだふざけんな、もし死ぬようなことになったら何が何でもアイツを道ずれにしてやると心に決めた所で、何かに引っ張られるような感覚で空気のある所に放り出されたわけだ。
「これが、その遺物か……」
「……あぁ」
「銃の方はそこまで特別なものじゃないね、弾は一発だけで追加で補充できないくらいかな、多分弾丸の方がメインだったんだろうね」
「なおせるか?」
「銃を? 壊れてないよ」
マァこれは、一回分解してみないと他に使い道あるかは分からないけど。
そんな事を言って、遺物を両手に持っていろんな角度から眺めるカイルに、ライナルトは何なんだコイツという感情が浮かぶ。
けれど、無駄に言い争ってる時間はなさそうなので、少し苛立ちながらも、どうにか息を整え言葉を続ける。
「俺を、治せるか」
「あぁ、お前? 勿論、自力で魔力の流出せき止めてるし、いけるいける」
あっさりとした言葉だった。
当たり前だろって顔でそう言い切ったカイルに、少し拍子抜けしたライナルトは目をぱちくりと瞬かせ、もしかしたら自分の状態はそこまで悪くないのかもしれんと思った。
勿論そんなことはないけど、同じような状況から生還した人間を実際に知ってるし、カイルもなんだか簡単に治せるとか言ってるので。
ちょっと安心して詰めていた息を吐いたライナルトに、カイルが近寄って、突然胸倉を掴み上げた。
「お前、何するんだッ」
「コレはエーテル体が傷付いてるだけだね、治癒を阻害する術とかは一切ないからそこまで難しくないよ」
「この手は何なのかって聞いてるんだっ」
「でもこっちの方が早いかな」
「おいッ!!」
ライナルトの言葉を一切聞かずに、どこからかナイフを取り出したカイルがそれを振り上げた。
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