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本編
二十八話 死ぬかも
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「っざけんな!」
「ぅおっと」
肩を思いっきり刺されたライナルト、一瞬戸惑いはしたがそのままカイルに向かって蹴りを入れる。
頭に向かって飛んでくる脚を咄嗟に腕で防ぐカイル、その拍子に掴まれていた腕が離れたので、逆にカイルの胸倉を掴んで足を払い、地面に押さえつける。
「ぐっ、何すんだ!」
「こっちのセリフだ、いきなり刺すとはどういうつもりだ」
「治療してやるって言っただろ」
「治療?」
「肩のそれ抜いたら分かるだろ」
そして退け。
苛立たしげな顔でそう告げるカイルを見てから、視線を自分の肩に向けるライナルト。
深々と根元までナイフが刺さってるのに、不思議なことに痛みは感じない。
というか、ナイフの刀身から考えて肩を貫通してもおかしくないのに、反対側から刃先が覗いてはいない。
それに、刺さった位置的に骨にぶつかってこんなに深く刺さらないだろう、もちろんカイルが馬鹿力で骨ごと貫通させたんなら、話は別だがそんなに力が入ってるようには見えなかった。
つまり、このナイフは何か特殊なものという事だ、本当に治療目的だったのかもな。
そこまで考えて、なんだかその、肩に刺さって柄だけ出ているナイフに見覚えがあるような気がして。
熟考しようとしたところで押さえつけていたカイルの動きを感じ取って慌てて意識を向け、下からライナルトの頭、正確には顎に向けて振り上げられたつま先に慌てて仰け反って避ける。
蹴りは避けたが、その拍子にカイルが起き上がる。
少し距離を取った二人は、お互いに数秒間、相手が何か反撃なりしてくるのではないかと警戒して、動かないまま見つめ合う。
そこでライナルトが、なんだかその状況に引っ掛かりを覚えた。
何というか、覚えがあるような状況というか、なんだか記憶が刺激されて、昔同じようなことがあった気がして。
肩にもう一度視線を向けて、勢いよくナイフを引っこ抜いて、まじまじと眺める。
緑と赤のグラデーションがかかった不思議な色合いの刀身、それを見たことがあるような気がして。
否。
否、見たような気がする、ではない、確実に見たのだ。
しかもさっきと同じように、人に刺さってるこのナイフを引っこ抜く光景を見たことがある。
手に持ったナイフを見て、それからカイルに視線を向ける。
やんのかお前、ただじゃ済まさんぞお前って感じで構えてるカイル、血の気が多いな。
けれど、どんなカイルにどこか引っかかるような気がしたライナルト、一体なんだろうかと記憶を探り。
「ぁ、ああぁァっ!」
「エ何、いきなり、もしかして頭に何か問題が……?」
何かが繋がったような、パズルのピースが嵌ったような、そんな感覚から思わず声をあげたライナルトに、カイルが珍しく深刻そうな顔をする。
自分が治療したのに、治ったどころか頭がどうかしちゃったかもしれないというのは、ちょっと気分が良くなかったので。
「お前ッ、炎帝か!?」
「はっ? え、はぁ!?」
真っ直ぐ指さしてそう聞いたライナルトに、カイルは呆けたような驚いたような声を上げる。
正確には、いきなり何なんだこいつって呆けてから、聞かれた内容を認識して、その質問の内容に驚いたのだ。
それから、何とも言えない表情で何かを言おうと口を開き、すぐに閉じてから額を抑えて顔を伏せ、また口を開いて。
「炎帝って呼ぶのやめろ」
そういった。
***
「それで、お前は炎帝か?」
「う~ん、マァ正解、だけど」
「やっぱり」
改めて聞いたライナルトに、ちょっと微妙そうな顔で答えたカイル。
やっぱりというか、なんで今まで気付かなかったという気持ちが強い。
見た目が違うとか、使ってる魔法の属性がなんだか違うとか、そういうのはどうでもいいだろう。
だってほらよく考えてもみろ、Ω云々関係なく、こんな頭おかしい奴がそこら辺にいてたまるか。
「見た目が違うのは?」
「遺物の力」
ほらこれ。
自分の左耳のピアスを指さすカイル。
示した先に視線を向けると、青い石の付いた宝石のピアスが、内側の光が徐々に強くなり、色が透けていく。
完全な透明になったその石が、一瞬強く光、次の瞬間にはカイルの姿が変わっている。
「こんな感じ」
どこか悪戯っぽく微笑んで、ウィンクまでするカイルは、その一瞬で見た目が変わっていた。
髪と目の色が赤くなり顔立ちも別物、身長から服装まで変わり、ライナルトが前に見たことのある炎帝と全く同じになっている。
「凄いな」
「実際に姿を変えてるわけじゃないけどね、便利だよ」
「なるほど」
納得したようにうなずいたライナルトに、カイルは遺物の効果を解いて元の姿に戻る。
改めてみると、そのピアスも見たことがあるような気がするので、別に全く気付けないほど隠してたわけじゃないのだろう。
単に、ライナルトが節穴だっただけで。
そうして、ようやく納得して落ち着いたライナルトは、カイルを静かに見つめてゆっくり近寄り、両肩に手を置いて顔を向き合わせた。
「実は俺、もう一度お前に会ったら言いたいことがあったんだよ」
「お、おぉ……何なの……?」
顔を伏せて深く息を吐いてから、深刻そうな声でそう言ったライナルトに、カイルも聞く気になったのか頷く。
肩は別に、そこまで強い力でつかんでるわけじゃないので払えるだろうが、そうしないってことは聞く気があるのだろう。
顔を上げて、ゆっくり息を吸う。
なので、そう、もうずっと言ってやりたいと思っていた言葉を吐き出す。
「どうだ! やってやったぞッ!!」
晴れやかな顔でそう宣言するモノだから、カイルはびっくりして、目をぱちくりと瞬かせて呆けた。
「フ、フハッ、アハハハハハ!」
呆けて、それからこらえきれないとでも言うように噴き出して、腹を抱えて心底おかしそうに声を出して笑った。
何が可笑しいんだろうか、きっと何もかも可笑しいんだろうな。
あぁそうさ、突然聞かれたからって、何となくで決めた目標ともいえないような、ちょっとした思いつきだった。
そんな思い付きを、やってみろとかいう言葉でムキになって、本当に実行して。
デ、今それを言った本人を捕まえてずっと言ってやろう思っていた言葉がそれだ、可笑しいだろうな。
当事者じゃなきゃ、ライナルトだって笑ってたかもしれない。
笑うカイルに、なんだか段々正気に戻ってきたライナルトは、やってしまったと一歩後ずさって。
途端にちょっと恥のような、後悔のような感情が湧いてきて、そして同時にコイツを殺したらさっきのアレはなかったことに出来るんじゃないか。
という思考が浮かんできて。
「やるじゃん」
そんなライナルトに、ようやく笑いが収まったカイルが愉快気に、どこまでも楽し気に、そう言った。
ライナルトの目を真っ直ぐ見つめて、子供みたいに笑っているカイル。
そんなカイルが、妙に可愛く見えた。
否、有り得ないだろうと首を振る。
確かに、顔だけで見たら可愛いと言ってもいいのかもしれないが、中身は魔物より狂暴かもしれないとんでもねぇヤツだぞと。
そう考え、正気に戻ろうと思って。
目を擦って、目じりを揉んで、もう一度カイルを見る。
さっきまでの笑みを引っ込めて、何してんだコイツって言いたげな顔なのに、それでもなんだか今までとは違っていて。
キラキラと、光っているような幻覚すら見えたような気がして。
ライナルトはやっぱり死ぬのかもしれないと思った。
傷は治ったけど、肉体的にはとんでもなく健康だけど、それでも死ぬのかもしれない。
それか、後遺症が残っているのかな。
目か、あるいは頭が、ちょっとおかしくなったかも。
自分を疑いながら、けれどライナルトは呆けたように口を開けて、ただカイルの姿を見つめるしかできなかった。
「ぅおっと」
肩を思いっきり刺されたライナルト、一瞬戸惑いはしたがそのままカイルに向かって蹴りを入れる。
頭に向かって飛んでくる脚を咄嗟に腕で防ぐカイル、その拍子に掴まれていた腕が離れたので、逆にカイルの胸倉を掴んで足を払い、地面に押さえつける。
「ぐっ、何すんだ!」
「こっちのセリフだ、いきなり刺すとはどういうつもりだ」
「治療してやるって言っただろ」
「治療?」
「肩のそれ抜いたら分かるだろ」
そして退け。
苛立たしげな顔でそう告げるカイルを見てから、視線を自分の肩に向けるライナルト。
深々と根元までナイフが刺さってるのに、不思議なことに痛みは感じない。
というか、ナイフの刀身から考えて肩を貫通してもおかしくないのに、反対側から刃先が覗いてはいない。
それに、刺さった位置的に骨にぶつかってこんなに深く刺さらないだろう、もちろんカイルが馬鹿力で骨ごと貫通させたんなら、話は別だがそんなに力が入ってるようには見えなかった。
つまり、このナイフは何か特殊なものという事だ、本当に治療目的だったのかもな。
そこまで考えて、なんだかその、肩に刺さって柄だけ出ているナイフに見覚えがあるような気がして。
熟考しようとしたところで押さえつけていたカイルの動きを感じ取って慌てて意識を向け、下からライナルトの頭、正確には顎に向けて振り上げられたつま先に慌てて仰け反って避ける。
蹴りは避けたが、その拍子にカイルが起き上がる。
少し距離を取った二人は、お互いに数秒間、相手が何か反撃なりしてくるのではないかと警戒して、動かないまま見つめ合う。
そこでライナルトが、なんだかその状況に引っ掛かりを覚えた。
何というか、覚えがあるような状況というか、なんだか記憶が刺激されて、昔同じようなことがあった気がして。
肩にもう一度視線を向けて、勢いよくナイフを引っこ抜いて、まじまじと眺める。
緑と赤のグラデーションがかかった不思議な色合いの刀身、それを見たことがあるような気がして。
否。
否、見たような気がする、ではない、確実に見たのだ。
しかもさっきと同じように、人に刺さってるこのナイフを引っこ抜く光景を見たことがある。
手に持ったナイフを見て、それからカイルに視線を向ける。
やんのかお前、ただじゃ済まさんぞお前って感じで構えてるカイル、血の気が多いな。
けれど、どんなカイルにどこか引っかかるような気がしたライナルト、一体なんだろうかと記憶を探り。
「ぁ、ああぁァっ!」
「エ何、いきなり、もしかして頭に何か問題が……?」
何かが繋がったような、パズルのピースが嵌ったような、そんな感覚から思わず声をあげたライナルトに、カイルが珍しく深刻そうな顔をする。
自分が治療したのに、治ったどころか頭がどうかしちゃったかもしれないというのは、ちょっと気分が良くなかったので。
「お前ッ、炎帝か!?」
「はっ? え、はぁ!?」
真っ直ぐ指さしてそう聞いたライナルトに、カイルは呆けたような驚いたような声を上げる。
正確には、いきなり何なんだこいつって呆けてから、聞かれた内容を認識して、その質問の内容に驚いたのだ。
それから、何とも言えない表情で何かを言おうと口を開き、すぐに閉じてから額を抑えて顔を伏せ、また口を開いて。
「炎帝って呼ぶのやめろ」
そういった。
***
「それで、お前は炎帝か?」
「う~ん、マァ正解、だけど」
「やっぱり」
改めて聞いたライナルトに、ちょっと微妙そうな顔で答えたカイル。
やっぱりというか、なんで今まで気付かなかったという気持ちが強い。
見た目が違うとか、使ってる魔法の属性がなんだか違うとか、そういうのはどうでもいいだろう。
だってほらよく考えてもみろ、Ω云々関係なく、こんな頭おかしい奴がそこら辺にいてたまるか。
「見た目が違うのは?」
「遺物の力」
ほらこれ。
自分の左耳のピアスを指さすカイル。
示した先に視線を向けると、青い石の付いた宝石のピアスが、内側の光が徐々に強くなり、色が透けていく。
完全な透明になったその石が、一瞬強く光、次の瞬間にはカイルの姿が変わっている。
「こんな感じ」
どこか悪戯っぽく微笑んで、ウィンクまでするカイルは、その一瞬で見た目が変わっていた。
髪と目の色が赤くなり顔立ちも別物、身長から服装まで変わり、ライナルトが前に見たことのある炎帝と全く同じになっている。
「凄いな」
「実際に姿を変えてるわけじゃないけどね、便利だよ」
「なるほど」
納得したようにうなずいたライナルトに、カイルは遺物の効果を解いて元の姿に戻る。
改めてみると、そのピアスも見たことがあるような気がするので、別に全く気付けないほど隠してたわけじゃないのだろう。
単に、ライナルトが節穴だっただけで。
そうして、ようやく納得して落ち着いたライナルトは、カイルを静かに見つめてゆっくり近寄り、両肩に手を置いて顔を向き合わせた。
「実は俺、もう一度お前に会ったら言いたいことがあったんだよ」
「お、おぉ……何なの……?」
顔を伏せて深く息を吐いてから、深刻そうな声でそう言ったライナルトに、カイルも聞く気になったのか頷く。
肩は別に、そこまで強い力でつかんでるわけじゃないので払えるだろうが、そうしないってことは聞く気があるのだろう。
顔を上げて、ゆっくり息を吸う。
なので、そう、もうずっと言ってやりたいと思っていた言葉を吐き出す。
「どうだ! やってやったぞッ!!」
晴れやかな顔でそう宣言するモノだから、カイルはびっくりして、目をぱちくりと瞬かせて呆けた。
「フ、フハッ、アハハハハハ!」
呆けて、それからこらえきれないとでも言うように噴き出して、腹を抱えて心底おかしそうに声を出して笑った。
何が可笑しいんだろうか、きっと何もかも可笑しいんだろうな。
あぁそうさ、突然聞かれたからって、何となくで決めた目標ともいえないような、ちょっとした思いつきだった。
そんな思い付きを、やってみろとかいう言葉でムキになって、本当に実行して。
デ、今それを言った本人を捕まえてずっと言ってやろう思っていた言葉がそれだ、可笑しいだろうな。
当事者じゃなきゃ、ライナルトだって笑ってたかもしれない。
笑うカイルに、なんだか段々正気に戻ってきたライナルトは、やってしまったと一歩後ずさって。
途端にちょっと恥のような、後悔のような感情が湧いてきて、そして同時にコイツを殺したらさっきのアレはなかったことに出来るんじゃないか。
という思考が浮かんできて。
「やるじゃん」
そんなライナルトに、ようやく笑いが収まったカイルが愉快気に、どこまでも楽し気に、そう言った。
ライナルトの目を真っ直ぐ見つめて、子供みたいに笑っているカイル。
そんなカイルが、妙に可愛く見えた。
否、有り得ないだろうと首を振る。
確かに、顔だけで見たら可愛いと言ってもいいのかもしれないが、中身は魔物より狂暴かもしれないとんでもねぇヤツだぞと。
そう考え、正気に戻ろうと思って。
目を擦って、目じりを揉んで、もう一度カイルを見る。
さっきまでの笑みを引っ込めて、何してんだコイツって言いたげな顔なのに、それでもなんだか今までとは違っていて。
キラキラと、光っているような幻覚すら見えたような気がして。
ライナルトはやっぱり死ぬのかもしれないと思った。
傷は治ったけど、肉体的にはとんでもなく健康だけど、それでも死ぬのかもしれない。
それか、後遺症が残っているのかな。
目か、あるいは頭が、ちょっとおかしくなったかも。
自分を疑いながら、けれどライナルトは呆けたように口を開けて、ただカイルの姿を見つめるしかできなかった。
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