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第二章 混沌竜の契約者
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「冒険者ギルドはここかな?」
「そうだと思うよ。ほら、看板に書いてある」
城を出て10分、門から真っ直ぐ進んでいるとその建物があった。
丸太で組まれた大きな建物の入り口の上には『冒険者ギルド』という看板があり、中からは色んな人の声が聞こえてくる。
銀貨を受け取ってからメルクさんに「支払いは全てギルドを通じて行うのが最も楽だから登録してくれると助かる」と言われ、今僕とソフィは冒険者ギルドの前に居る。
バキバキバキ!!
「ガハ!?」
と、突然筋肉が凄くついた男がドアを壊して飛んできた。
「は、雑魚が」
中からそんな声と共に、全身黒装備の男が出てきた。
「あ、もしかしてイツキさん?」
僕がその男の人に聞くと、その人は首をひねる。
「ん、あー、お前確か……あー!もしかしてあん時の田舎モン!」
黒装備の男、イツキはちょっと悩んでから僕のことを思い出したみたいだ。
「えっと、ロイ君の知り合い?」
事情を知らないソフィは先程飛ばされて来た男のこともあってか少し警戒していた。
「この人は良い人だから大丈夫。ほら、僕が襲われた話をした時に助けてくれた人はこの人なんだ」
「どうもイツキです。初めまして」
「は、初めまして、私はソフィといいます」
お互い自己紹介をして、イツキさんは先程飛ばされて来た男の襟首を掴む。
「で、ギルド登録にでも来たんならさっさと入りなよ」
そう言うとさっさと男を引きずりながら中に入っていった。
「それじゃあ僕達も中に入ろうか」
「うん」
そうして壊れた入り口を潜って中に入り、そこにいた冒険者から色んな視線を浴びながら受付に行く。
「あの、冒険者登録をしたいのですが」
「冒険者登録ですね、少々お待ち下さい」
その時受付に居た若い女性のギルド職員はそう言うと後ろから紙を2枚取り出す。
「ではこちらにお名前と年齢、必須項目ではないですが出身地等を記入して下さい」
それを僕とソフィは受け取って名前、年齢、出身地を書く。
それとやはり魔物や動物、盗賊等と戦ったりする事が主な仕事の為、得意なジョブや採取は得意か否かについての項目がある。
「ねえコン、これ『従魔使い』にしてもいいかな?」
「うむ、構わぬぞ」
コンから一応許可を貰ってジョブの欄に従魔使いと記入した。
従魔使いとはそのままの意味で、自らの従魔を中心とした戦い方をするジョブの事を指す。
これは従魔召喚などで戦闘向きの従魔が出来た人がよく登録するジョブである。
「私は書くことないかな」
特に戦いや採取が得意ではないソフィは何も書かずに終わる。
それを受付嬢に渡すと、少し苦笑いをする。
「その、従魔使いでしたら従魔が何であるか書いていただけると助かるのですが」
「あ、すみません」
僕はそう言って再度紙を受け取って書こうとした。
「……あれ、混沌竜って書いたらマズイよね?」
今更思い出したけど、混沌竜は伝説の竜。
そんな竜を従魔にしているとここに記入しても大丈夫だとは思えなかった。
「ふむ、少々嘘になってしまうがお喋り鳥と狼と書くのが良いのではないか?」
お喋り鳥の姿のまま僕の肩に乗っていたコンがそう提案する。
「確かに。ちょっとこの人には申し訳ないけど、そうさせて貰おうか」
お喋り鳥に関しては本当は伝説の混沌竜だし、ユンはユンで狼王だけどそんなこと書いたら大騒ぎになってしまうことは間違いない。
「私もそれが無難だと思うよ」
ソフィもそう言ってくれたので、僕は備考の欄にお喋り鳥と狼と記入してから受付嬢に渡した。
「では少々登録して来ますのでお待ち下さい」
受付嬢がそう言って奥に行く前に、僕はあることを思い出した。
「あ、すみませんこれを登録時に一緒に渡すよう言われたのですが」
僕はそう言うと、コンに闇魔法でしまってもらっていた茶封筒を取り出して急いで手渡す。
「登録時にですか?はぁ……え!?」
その裏に書いてあるプルト・メルクという名前と王家の封蝋を見て驚く。
「それにこの名前の下の判は……少々その場でお待ち下さい」
「何だか大事になった気がするんだけど……」
「私もそう思う」
「そうだと思うよ。ほら、看板に書いてある」
城を出て10分、門から真っ直ぐ進んでいるとその建物があった。
丸太で組まれた大きな建物の入り口の上には『冒険者ギルド』という看板があり、中からは色んな人の声が聞こえてくる。
銀貨を受け取ってからメルクさんに「支払いは全てギルドを通じて行うのが最も楽だから登録してくれると助かる」と言われ、今僕とソフィは冒険者ギルドの前に居る。
バキバキバキ!!
「ガハ!?」
と、突然筋肉が凄くついた男がドアを壊して飛んできた。
「は、雑魚が」
中からそんな声と共に、全身黒装備の男が出てきた。
「あ、もしかしてイツキさん?」
僕がその男の人に聞くと、その人は首をひねる。
「ん、あー、お前確か……あー!もしかしてあん時の田舎モン!」
黒装備の男、イツキはちょっと悩んでから僕のことを思い出したみたいだ。
「えっと、ロイ君の知り合い?」
事情を知らないソフィは先程飛ばされて来た男のこともあってか少し警戒していた。
「この人は良い人だから大丈夫。ほら、僕が襲われた話をした時に助けてくれた人はこの人なんだ」
「どうもイツキです。初めまして」
「は、初めまして、私はソフィといいます」
お互い自己紹介をして、イツキさんは先程飛ばされて来た男の襟首を掴む。
「で、ギルド登録にでも来たんならさっさと入りなよ」
そう言うとさっさと男を引きずりながら中に入っていった。
「それじゃあ僕達も中に入ろうか」
「うん」
そうして壊れた入り口を潜って中に入り、そこにいた冒険者から色んな視線を浴びながら受付に行く。
「あの、冒険者登録をしたいのですが」
「冒険者登録ですね、少々お待ち下さい」
その時受付に居た若い女性のギルド職員はそう言うと後ろから紙を2枚取り出す。
「ではこちらにお名前と年齢、必須項目ではないですが出身地等を記入して下さい」
それを僕とソフィは受け取って名前、年齢、出身地を書く。
それとやはり魔物や動物、盗賊等と戦ったりする事が主な仕事の為、得意なジョブや採取は得意か否かについての項目がある。
「ねえコン、これ『従魔使い』にしてもいいかな?」
「うむ、構わぬぞ」
コンから一応許可を貰ってジョブの欄に従魔使いと記入した。
従魔使いとはそのままの意味で、自らの従魔を中心とした戦い方をするジョブの事を指す。
これは従魔召喚などで戦闘向きの従魔が出来た人がよく登録するジョブである。
「私は書くことないかな」
特に戦いや採取が得意ではないソフィは何も書かずに終わる。
それを受付嬢に渡すと、少し苦笑いをする。
「その、従魔使いでしたら従魔が何であるか書いていただけると助かるのですが」
「あ、すみません」
僕はそう言って再度紙を受け取って書こうとした。
「……あれ、混沌竜って書いたらマズイよね?」
今更思い出したけど、混沌竜は伝説の竜。
そんな竜を従魔にしているとここに記入しても大丈夫だとは思えなかった。
「ふむ、少々嘘になってしまうがお喋り鳥と狼と書くのが良いのではないか?」
お喋り鳥の姿のまま僕の肩に乗っていたコンがそう提案する。
「確かに。ちょっとこの人には申し訳ないけど、そうさせて貰おうか」
お喋り鳥に関しては本当は伝説の混沌竜だし、ユンはユンで狼王だけどそんなこと書いたら大騒ぎになってしまうことは間違いない。
「私もそれが無難だと思うよ」
ソフィもそう言ってくれたので、僕は備考の欄にお喋り鳥と狼と記入してから受付嬢に渡した。
「では少々登録して来ますのでお待ち下さい」
受付嬢がそう言って奥に行く前に、僕はあることを思い出した。
「あ、すみませんこれを登録時に一緒に渡すよう言われたのですが」
僕はそう言うと、コンに闇魔法でしまってもらっていた茶封筒を取り出して急いで手渡す。
「登録時にですか?はぁ……え!?」
その裏に書いてあるプルト・メルクという名前と王家の封蝋を見て驚く。
「それにこの名前の下の判は……少々その場でお待ち下さい」
「何だか大事になった気がするんだけど……」
「私もそう思う」
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