農民の少年は混沌竜と契約しました

アルセクト

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第二章 混沌竜の契約者

ギルドマスター

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「お待たせしました」
 その後すぐに受付カウンターを出て、入り口から見て左奥にある階段から2階へと上がって行った受付嬢は書類を受け取ってから約3分ほどで戻って来た。
「先程の書類の件で少々お話がございますので付いてきてください」
 他業務の邪魔にならないようカウンター横で居た僕達は言われるまま付いて行く。

 階段を登った先、2階の奥にある戸の前で立ち止まった受付嬢はノックをして要件を言う。
「マスター、書類を持って来た2人を連れて来ました」
「入れ」
 中からそう返答が来て受付嬢が戸を開けて中に入り、僕達にも入るよう小さく手招きをした。
「失礼します」
「失礼します」
 僕、ソフィの順に部屋に入る。

「いらっしゃい、よく来たね」
 そして部屋の奥、執務用の机の椅子に座っている人物が話しかけて来る。

「儂はプルネリア王国冒険者ギルドのギルドマスターをしておるスレ・テッドじゃ」

 その人物、ギルドマスターは髭を生やした60代の男性で、少々背が低いからか机と椅子も少しばかり低い物を使っているみたいで、立ってたら恐らく百五十センチぐらいの優しそうな人だった。
「ではキッカよ、通常業務に戻りなさい」
「はい。では失礼します」
 キッカと呼ばれた受付嬢はそう言ってこの部屋を出て行った。



「さて、混沌竜と契約したと噂の少年は君かね?」



「え!?」
 テッドさんからの唐突な質問に、僕は驚いて声を上げた。
「そう驚くことでも無いだろう。今さっき渡された封筒の中に《混沌竜と契約した少年にこの封筒を持って行かせたので、冒険者ギルドとしてその少年をどう扱うか話しておいた方が良いだろう》と書かれていたのでな」
「あ、そうだったんですね」
 メルクさん、それならそうと教えてくれてたらよかったのに。
「それで、君が混沌竜の契約者で間違いはないかね?」
「はい」
 そう答えるとギルドマスターのテッドさんはニッコリと笑う。
「そうかそうか。ああそうだ、立ったままだと疲れるだろう」
 テッドさんがそう言うと部屋の隅に置いてあった2つの椅子がふわふわと飛んできて、執務机の前に置かれた。
「ここに座るといい。ああ、礼儀作法なんかは気にしなくてもよいぞ。儂もそういうのはいつまで経っても苦手なもんでな」
 そう言って笑うテッドさんに僕とソフィは顔を見合わせ、そして一緒に椅子の所に行って座る。

「それで確認しておきたいことなのじゃが、この資料には混沌竜と狼王の2匹が君の従魔と書かれておるのは本当かね?」
「はい。コン、元の小さい姿になって」
「うむ、了解した」
 ずっと左肩にお喋り鳥の姿のまま乗ったままのコンにそう言うと、すぐに元の50cm程の大きさの竜に姿が変わる。
「お、おお!?まさかそのお喋り鳥が混沌竜じゃったのか!?」
「そうだ。我は今も元のサイズより小さくなるために変化という魔法を使っておるのだが、ロイがあまり騒ぎを起こさないようにと言うのでな」
 そうコンが喋るとますます驚いたようで目を丸くしている。
「ほうほうそうかそうか、先程からずっと混沌竜が居たとは気づかなんだ。そして狼王は流石にここには居ないかの?」
「あ、必要なら召喚しますけど……」
「呼ぶ必要はないぞ。儂は別に君の話を疑っとる訳では無く、ただ事実確認をしただけじゃ」
「そう……なんですか?」
「そうじゃ」
 そう言って深く頷く。

「ではそろそろ本題に入ろうかの」
 テッドさんはそう言って、先程書いた冒険者登録の用紙を眺める。
「混沌竜の契約者、名はロイ君で良かったかの?」
「はい」



「ロイ君、君は混沌竜の強大な力を自身の指示で動かせる立場にある。その事の重大さと、その力を持つということの責任について少々話をさせてもらいたい」
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