農民の少年は混沌竜と契約しました

アルセクト

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第二章 混沌竜の契約者

帰路

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「ロイ君、良かったの?」
「何?」
「その、私にこの杖を買ってくれて」
 今現在僕とソフィは王都から村へ向けて歩いている。
 このまま徒歩で帰ると1週間以上かかってしまうのでコンに転移をしてもらう予定だけど、その前に王都周辺を2人で散歩することにしたのだ。
「大丈夫だよ、僕はお金を使う事無いから」
 今僕の右側を歩くソフィの手の中には長さ20センチの短い杖がある。
 この短い杖は日常生活に使う魔法の負担を減らす為の杖である。
 僕が今回作ってもらう杖は戦闘用の杖なので、今回ソフィに買った杖とは魔法使用時の負担軽減の強度が違う。
「でもこれ、銀貨1枚するのはちょっと奮発し過ぎじゃないかなぁ」
「そうかもだけど、でもその魔石がソフィの目と髪の色と似ていたから似合いそうかなって思ったんだ」
「そうかな?」
「うん、すっごく似合ってる!」

 ソフィの持つ杖の手元側には薄い水色の魔石が付けられている。
「確か『雪狐』の魔石って言ってたよね」
 雪狐とはこの世界の北、魔国と呼ばれる地域の雪が積もる所に生息する狐だ。
 大陸の南に位置する人国では流通量が少ない魔石である。
  
「えへへ、ありがとうロイ君!大事に使うね」
「どういたしまして」
 ニコニコと満面の笑みを浮かべるソフィを見ていると僕も嬉しくなって一緒に笑う。 

 それから少し歩いたあと、ソフィは先程のことを思い出したようで苦笑いに変わる。
「それにしても、なかなか凄い人達だったね」
「うん。冒険者って皆あんな感じなのかな?」



 今から約2時間程前、僕達とイツキさん達は杖屋の前に居た。

「そんじゃあ俺らはフールの用が済むまで王都に滞在するけど、その後すぐにルルト(冒険者の村)に行くから」
「あ、そのありがとうございました」
 もう用は済んだからとさっさと何処かに行こうとするイツキさん達に頭を下げる。
「何が?」
「この杖屋を教えてくれてありがとうございました。その、僕達だけなら武器屋に行く予定でしたので」
 今日の予定はまずお城でお話をしたあと、すぐに武器屋に行って杖を買ったら帰ってコンがその杖に魔石を取り付けるつもりだったのだ。
「気紛れにお前達と一緒しただけだからお礼なんていらねぇよ。……(それに偶然とはいえ俺の目的も達成したし、感謝すんのは俺の方だ)……」
 どこかめんどうくさそうにそう言った後、何か呟くイツキさん。
「えっと、何ですか?」
「何でもねぇよ」
「そうですか」
 よく聞き取れなかったけど気にする理由も無いので深く尋ねるのはやめておく。

「また会うことがあればよろしくな」
「はい!」

 そう言って僕達とイツキさんとその仲間達と別れ、彼らは王都の北へ、僕達は帰るために王都の南門へと歩いて行った。



「あ、ねぇコンあの時渡した魔石って何だったの?」
 確か6色に輝く魔石を渡していたけど、あんな魔石なんて無かった気がするんだけど……

「ああ、あれはイツキから貰った6種の魔石を合成した物だ」

「え?そんなこと出来るの!?」
「コンどうやったのそれ」
 コンは今サラリと言ったけど、そんなことが出来るなんて聞いたこともない。
「出来るぞ?人の間ではあまり知られていないだろうが、エルフ辺であればこのことは知っているだろう」
「へぇ、本当にコンって物知りだね。僕にもそれ出来るかな?」
「そんなに難しいものでは無いが、今のロイではまず無理だろうな。魔法の訓練と魔力量を増やす必要がある」
「それじゃあまた出来る様になったら教えてね」
「うむ」



「杖が出来るの楽しみ!」
「ロイ君専用の杖、私も早く見てみたいな」
「うむ、我も楽しみだ」
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