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第三章 農民が動かす物語
ロイの経験
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「どうしたらいいのかな……」
僕は今自分の部屋で揺り椅子の上でコンを撫でながら、自分のこれからについて考えていた。
「ふむ、それを決めるのはロイ自身だが、話を聞くぐらいはしよう。我は人の世に疎いためアドバイスなどは出来ぬだろうが、ただ言葉にするだけでも変わると聞いたぞ」
そう膝の上で丸まっていたコンが言ってくれる。
「うん。それじゃあ一ついいかな?」
「うむ、何でも話すと良い」
僕は若干得意気なコンの背を撫でながら言った。
「今言葉にするだけでも変わると聞いたって言ったけど、それって誰から聞いたの?」
「……ロイよ、今それを聞くのか?」
ただ気になったから聞いてみたら呆れた声で返って来た。
「コンっていつも僕の側にいるから、どこで聞いたのかなーって」
確か混沌竜と話をした人間が居たとは聞いたことが無かったので、クルク村の誰かかなと思い聞いてみたのだ。
しかし、その問に対してコンは「フフッ」と笑う。
「その話はまたいつかしよう。今は目の前の事だけを考えた方が良いぞ」
「あはは、そうだよね」
僕もつられて笑う。
「うん、それじゃあもう少し一人で考えてみるよ」
「了解した」
僕はコンを撫で続けながら、僕自身がこれからどうして行きたいのかを決めるために、自分の過去を振り返る。
この村で生まれ育って楽しかったこと、嬉しかったこと、幸せだったこと。
そして嫌だったこと、辛かったこと、苦しかった事も全部まとめて思い返す。
まずはクルク村で生まれ育って良かったことを考えてみると、これはすぐにたくさん思い浮かんだ。
野菜農家の仕事は楽しいし、村の皆はまるで一つの家族みたいに感じるほど仲良いし、暇な時は村や村周辺を散歩すれば毎日少し違う風景が見れて面白い。
最近では『従魔召喚の儀』で呼び出した混沌竜のコンと、5年前に死にそうだった所を助けたら懐いて、少し前に従魔契約したユンも加わった日々は以前よりも賑やかで、とても楽しいものだった。
そして次に嫌だった事も思い返して……
「……嫌な事って、何かあったかな?」
いや、正しくは何もなかったなんてことはなかった。
過去にあった嫌な事と言えば、やはりユンを助けて親に左腕を噛まれたことだろう。
実は噛み傷はユンの治癒魔法では完全に治ってなくて、未だに意識して目を凝らせば左腕に噛み跡が薄っすらと見える。
あとは昔コルク川にソフィとミリィと出かけた時に弁当のおかずを全部食べられた事もそうだし、年に数回ぐらいは朝早くに起きるのが億劫な日もある。
他にも村の東にある『クルワの森』に葉の収集に行って『フクレソウ』という草に触れて足が腫れた事もあるし、3年前には雨が全くと言っていい程降らなかったことで田畑が干上がり、その対策に毎日コルク川と村の間を重い桶を持って何往復もした事がある。
そんな嫌な事はたくさんあったけど、ユンを助けた事は今では後悔なんてしてるはずないし、傷跡も言わなければ気づかないほど薄い。
ミリィにおかずを食べられた時は悲しかったけど、でもそれで満足そうに笑っている顔を見てると僕も幸せになった。
朝起きるのが億劫な日も一度起きてしまえばスッキリするし、フクレソウで腫れた足も生命草で作った塗り薬を一週間もすれば綺麗に治ったし、日照りで大変だったのは他の職業でもそれと同じぐらい大変な事はあるだろう。
そう考えれば嫌な事だってそんな大したことは無いなと思うのだ。
そして、他に何か嫌だった事が無かったかもう一度思い返して……
「あ、でもあれは何だったんだろう……」
そして、ある1つの思い出が蘇る。
「どうしたロイよ」
「ん?んー……うん、1つ話してもいいかな?」
「うむ、良いぞ」
「コン、僕の村では10歳の時にも1つ儀式があるんだよ」
「ふむ、どのようなものなのだ?」
「それはね……」
僕は今自分の部屋で揺り椅子の上でコンを撫でながら、自分のこれからについて考えていた。
「ふむ、それを決めるのはロイ自身だが、話を聞くぐらいはしよう。我は人の世に疎いためアドバイスなどは出来ぬだろうが、ただ言葉にするだけでも変わると聞いたぞ」
そう膝の上で丸まっていたコンが言ってくれる。
「うん。それじゃあ一ついいかな?」
「うむ、何でも話すと良い」
僕は若干得意気なコンの背を撫でながら言った。
「今言葉にするだけでも変わると聞いたって言ったけど、それって誰から聞いたの?」
「……ロイよ、今それを聞くのか?」
ただ気になったから聞いてみたら呆れた声で返って来た。
「コンっていつも僕の側にいるから、どこで聞いたのかなーって」
確か混沌竜と話をした人間が居たとは聞いたことが無かったので、クルク村の誰かかなと思い聞いてみたのだ。
しかし、その問に対してコンは「フフッ」と笑う。
「その話はまたいつかしよう。今は目の前の事だけを考えた方が良いぞ」
「あはは、そうだよね」
僕もつられて笑う。
「うん、それじゃあもう少し一人で考えてみるよ」
「了解した」
僕はコンを撫で続けながら、僕自身がこれからどうして行きたいのかを決めるために、自分の過去を振り返る。
この村で生まれ育って楽しかったこと、嬉しかったこと、幸せだったこと。
そして嫌だったこと、辛かったこと、苦しかった事も全部まとめて思い返す。
まずはクルク村で生まれ育って良かったことを考えてみると、これはすぐにたくさん思い浮かんだ。
野菜農家の仕事は楽しいし、村の皆はまるで一つの家族みたいに感じるほど仲良いし、暇な時は村や村周辺を散歩すれば毎日少し違う風景が見れて面白い。
最近では『従魔召喚の儀』で呼び出した混沌竜のコンと、5年前に死にそうだった所を助けたら懐いて、少し前に従魔契約したユンも加わった日々は以前よりも賑やかで、とても楽しいものだった。
そして次に嫌だった事も思い返して……
「……嫌な事って、何かあったかな?」
いや、正しくは何もなかったなんてことはなかった。
過去にあった嫌な事と言えば、やはりユンを助けて親に左腕を噛まれたことだろう。
実は噛み傷はユンの治癒魔法では完全に治ってなくて、未だに意識して目を凝らせば左腕に噛み跡が薄っすらと見える。
あとは昔コルク川にソフィとミリィと出かけた時に弁当のおかずを全部食べられた事もそうだし、年に数回ぐらいは朝早くに起きるのが億劫な日もある。
他にも村の東にある『クルワの森』に葉の収集に行って『フクレソウ』という草に触れて足が腫れた事もあるし、3年前には雨が全くと言っていい程降らなかったことで田畑が干上がり、その対策に毎日コルク川と村の間を重い桶を持って何往復もした事がある。
そんな嫌な事はたくさんあったけど、ユンを助けた事は今では後悔なんてしてるはずないし、傷跡も言わなければ気づかないほど薄い。
ミリィにおかずを食べられた時は悲しかったけど、でもそれで満足そうに笑っている顔を見てると僕も幸せになった。
朝起きるのが億劫な日も一度起きてしまえばスッキリするし、フクレソウで腫れた足も生命草で作った塗り薬を一週間もすれば綺麗に治ったし、日照りで大変だったのは他の職業でもそれと同じぐらい大変な事はあるだろう。
そう考えれば嫌な事だってそんな大したことは無いなと思うのだ。
そして、他に何か嫌だった事が無かったかもう一度思い返して……
「あ、でもあれは何だったんだろう……」
そして、ある1つの思い出が蘇る。
「どうしたロイよ」
「ん?んー……うん、1つ話してもいいかな?」
「うむ、良いぞ」
「コン、僕の村では10歳の時にも1つ儀式があるんだよ」
「ふむ、どのようなものなのだ?」
「それはね……」
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