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第四章 分岐点
イツキの願い
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《イツキside》
「ここはほんとにいいところだなぁ」
今は夜の10時頃、既に殆どの家の灯りが消えた時間に俺はコンにそんな事を呟いた。
ちなみに昼のメイの顛末だが、あいつは一部で『痛みの女王』なんて呼ばれる程『痛み』による拷問を得意としている。
その方法はこの世界で知っているのは10人も居ないのだが『生体電気』を利用したもので、あいつは独自の実験で極微弱な電流で痛みの信号を作って流す事により純粋な痛みを作り出せるのだ。
また脳内の電流を気を失わないよう、痛みが快楽に繋がらないようにまではコントロール出来るようになっているとかいうバカげたことをすることで本気で喰らえば本気でヤバイ……言葉に出来そうにもない、もう二度とあれは喰らいたくない……
まあ村人には痛みだけを流したので誰も1秒と持たずに白目を剥いて気絶してたけど。
「うむ、そうであろう吉木よ」
「そっちの名前で呼ぶな」
「ハハハよいではないか、今は我とイツキだけなのだから」
「後ろにお前の主人が居るじゃねぇか」
「睡眠の魔法を掛けておるからそう簡単に起きはせぬ」
「それ、無断でやってるなら一応犯罪だからな?」
「ロイはその程度で怒りはせぬだろうが、留意しておこう」
「守る気ねぇのな……」
「ふむ、仲間にまで名前を隠しているような礼を欠いた者に言われたくもないがな」
「そ、それはいいんだよ……日本人だって、異世界人だってバレたら困るのはお前らだろ?」
「それもそうだな」
「だろ?」
俺がこの村の依頼を受けたのはコンに会うためである。
少し前からこの村に会いに来る口実を探していた所にたまたま偶然この調査の話が耳に入ったので、欲望の迷宮の攻略を止めて来たのだ。
今のこの仲間と別れていて誰も聞き耳を立てていない状況というのは、とても好都合であった。
あと一応隣の部屋にいるスーは凄く耳がいいので事前に遮音の魔法を使ってもらっている。
「それにしてもさぁ、この窓って古臭いようで網戸より確実だよな」
「開閉式鎧戸、ブラインド部分は蝶番側の下にある魔法陣に触れれば角度が変えられ、反対側にある魔法陣に触れたら虫除け。中々便利であろう?」
「日本だとガラス窓に網戸で虫除けだから最初どーしたらいいのかわかんなかったぜ」
「この世界では一般的な窓であるのだがな。ガラスは防犯性が低く、また高い」
「だろうな。にしても窓に魔法陣が普通ってのが凄えよな、誰も疑問に思ってねぇ」
「お主の世界の科学がここでは普通でないのと同じだろう?」
「まーその通りなんだけどな」
俺は窓の右下にある魔法陣に触れたり離したりして遊びながら、故郷である日本を思い出し、今の状況と比べてみる。
魔法は無い代わりに科学が発展した世界、科学が発展していないが魔法のある異世界。
治安は良いけど何事もルールに従う必要のある世界、ルールは比較的緩いがその分危険の多い異世界。
正直な所、俺はたまたま偶然力があったから異世界の生活を楽しめているが、昔この世界に来た日本人の記録を見ると俺は本当に稀な例らしく『異世界人だから強い』なんて事は無かったようだ。
俺の独自の調べでは、異世界に渡る際に元々あった素質が魔法の無い世界ではなりを潜めていたが、魔法のある世界に来た事で前面に出てきただけなのだろうという結果が出たのだ。
「なぁコン、俺はお前にお願いがあってここに来たんだ」
「我に出来る範囲であれば叶えよう」
「俺を元の世界に少しでいいんだ、ほんの少し、1時間の間だけ帰らせてくれ」
そう、ただそれだけの為に来たのだ。
未だ話す決心がつかない為に帰る決心も出来ずに居たのだが、やはり家族が今どうしているか心配で仕方がなかったのだ。
「目的はなんだ?」
「ちょっと里帰りしてさ、家族とか、街とかを見たいんだ。勿論魔法で一切記憶にも記録にも残らないよう注意するからさ」
「ふむ、良かろう。しかし1時間でよいのか?」
「ああ。あんまり長く居すぎると、帰りたくなくなっちまうかもしれねぇからな、1時間経ったら俺の意志に関係なく強制的にこっちに帰してくれ」
「了解した……が、今はもう11時なのだが、向こうもこちらと同じ時間帯であるがそれでもよいか?」
「ハハ、夜だからこそ、だぜ。昼間だと動きにくくてしょうが無い上に誰がどこに居るのかなんてわかりゃしねぇ」
「そうか」
「ああ、頼む」
そうして俺はほんの一時ではあるものの日本へと帰還して、家族の顔を拝む事が出来た。
久々の再会……と言うには一方的であったものの、やはり帰って良かったと俺は思う。
このことに関してはいづれ、機会があれば話すこともあるだろう。
「では先程お主を帰らせた分は明日……で返してもらおう」
「はあ?お前この前は」
「あれは行き来出来るようにするもので、これは送り迎えであるのだ。取引をするなら事前に確認して置く事が肝要であろう?」
「あー……クソ、事前に確認しなかった俺のミスか。しゃあない、それなら飲む」
「恩に着る」
「ここはほんとにいいところだなぁ」
今は夜の10時頃、既に殆どの家の灯りが消えた時間に俺はコンにそんな事を呟いた。
ちなみに昼のメイの顛末だが、あいつは一部で『痛みの女王』なんて呼ばれる程『痛み』による拷問を得意としている。
その方法はこの世界で知っているのは10人も居ないのだが『生体電気』を利用したもので、あいつは独自の実験で極微弱な電流で痛みの信号を作って流す事により純粋な痛みを作り出せるのだ。
また脳内の電流を気を失わないよう、痛みが快楽に繋がらないようにまではコントロール出来るようになっているとかいうバカげたことをすることで本気で喰らえば本気でヤバイ……言葉に出来そうにもない、もう二度とあれは喰らいたくない……
まあ村人には痛みだけを流したので誰も1秒と持たずに白目を剥いて気絶してたけど。
「うむ、そうであろう吉木よ」
「そっちの名前で呼ぶな」
「ハハハよいではないか、今は我とイツキだけなのだから」
「後ろにお前の主人が居るじゃねぇか」
「睡眠の魔法を掛けておるからそう簡単に起きはせぬ」
「それ、無断でやってるなら一応犯罪だからな?」
「ロイはその程度で怒りはせぬだろうが、留意しておこう」
「守る気ねぇのな……」
「ふむ、仲間にまで名前を隠しているような礼を欠いた者に言われたくもないがな」
「そ、それはいいんだよ……日本人だって、異世界人だってバレたら困るのはお前らだろ?」
「それもそうだな」
「だろ?」
俺がこの村の依頼を受けたのはコンに会うためである。
少し前からこの村に会いに来る口実を探していた所にたまたま偶然この調査の話が耳に入ったので、欲望の迷宮の攻略を止めて来たのだ。
今のこの仲間と別れていて誰も聞き耳を立てていない状況というのは、とても好都合であった。
あと一応隣の部屋にいるスーは凄く耳がいいので事前に遮音の魔法を使ってもらっている。
「それにしてもさぁ、この窓って古臭いようで網戸より確実だよな」
「開閉式鎧戸、ブラインド部分は蝶番側の下にある魔法陣に触れれば角度が変えられ、反対側にある魔法陣に触れたら虫除け。中々便利であろう?」
「日本だとガラス窓に網戸で虫除けだから最初どーしたらいいのかわかんなかったぜ」
「この世界では一般的な窓であるのだがな。ガラスは防犯性が低く、また高い」
「だろうな。にしても窓に魔法陣が普通ってのが凄えよな、誰も疑問に思ってねぇ」
「お主の世界の科学がここでは普通でないのと同じだろう?」
「まーその通りなんだけどな」
俺は窓の右下にある魔法陣に触れたり離したりして遊びながら、故郷である日本を思い出し、今の状況と比べてみる。
魔法は無い代わりに科学が発展した世界、科学が発展していないが魔法のある異世界。
治安は良いけど何事もルールに従う必要のある世界、ルールは比較的緩いがその分危険の多い異世界。
正直な所、俺はたまたま偶然力があったから異世界の生活を楽しめているが、昔この世界に来た日本人の記録を見ると俺は本当に稀な例らしく『異世界人だから強い』なんて事は無かったようだ。
俺の独自の調べでは、異世界に渡る際に元々あった素質が魔法の無い世界ではなりを潜めていたが、魔法のある世界に来た事で前面に出てきただけなのだろうという結果が出たのだ。
「なぁコン、俺はお前にお願いがあってここに来たんだ」
「我に出来る範囲であれば叶えよう」
「俺を元の世界に少しでいいんだ、ほんの少し、1時間の間だけ帰らせてくれ」
そう、ただそれだけの為に来たのだ。
未だ話す決心がつかない為に帰る決心も出来ずに居たのだが、やはり家族が今どうしているか心配で仕方がなかったのだ。
「目的はなんだ?」
「ちょっと里帰りしてさ、家族とか、街とかを見たいんだ。勿論魔法で一切記憶にも記録にも残らないよう注意するからさ」
「ふむ、良かろう。しかし1時間でよいのか?」
「ああ。あんまり長く居すぎると、帰りたくなくなっちまうかもしれねぇからな、1時間経ったら俺の意志に関係なく強制的にこっちに帰してくれ」
「了解した……が、今はもう11時なのだが、向こうもこちらと同じ時間帯であるがそれでもよいか?」
「ハハ、夜だからこそ、だぜ。昼間だと動きにくくてしょうが無い上に誰がどこに居るのかなんてわかりゃしねぇ」
「そうか」
「ああ、頼む」
そうして俺はほんの一時ではあるものの日本へと帰還して、家族の顔を拝む事が出来た。
久々の再会……と言うには一方的であったものの、やはり帰って良かったと俺は思う。
このことに関してはいづれ、機会があれば話すこともあるだろう。
「では先程お主を帰らせた分は明日……で返してもらおう」
「はあ?お前この前は」
「あれは行き来出来るようにするもので、これは送り迎えであるのだ。取引をするなら事前に確認して置く事が肝要であろう?」
「あー……クソ、事前に確認しなかった俺のミスか。しゃあない、それなら飲む」
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