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ヒトとしての知性とは【再】
しおりを挟むこちらの「キーボードクラッシャーの日常」は、2025年7月4日に書き始め、今のところは書下ろしというか、ある程度初出しネタを意識して書いてまいりました。
過去にも日記のようなエッセイのようなという雑文は書いていたのですが、どれも整理しようと思って「非公開」にしています。
今回からは本格的に一本化するために、過去にアップしたものから残しておきたいものを転載していきます(毎回ではありません)。
したがいまして、そういったものはタイトル末尾に【再】【転載】などとつけし、必要があればいつ頃初出のものか、日付も付したいと思います。
ひとつよろしく。
******
前にもどこかで書いた覚えがありますが、私は昔、あるクイズ番組の中学生大会で優勝したことがあります。
全国区の放送とはいえ、一般人のちんちくりんの小娘のことなんて、その番組の次回が放送される頃にはみんな忘れていますが、地元ではそうでもなかったようで、街なかで声をかけられたり、自称「30歳、隣町在住男性」から電話がかかってきたり、出場の翌年に学校に来た教育実習生にやたら話を振られたり(よく覚えていたな…)、面倒なことはそれなりにありました。
祖母の妹、つまり私の大叔母に当たる人が、いつもご近所さんの子供自慢、孫自慢に辟易していたものの、「私の姉の孫はあの優勝した子だ」と言ったら黙ってくれたというので、それなりにお役に立ったこともあるようです。
何つうか、いかにもテレビというメディアが強大だった時代(しかも田舎だし)のエピソードですね。
「将来、誰もが15分は有名人になれるだろう In the future, everybody will be famous in 15 minutes.」とアンディ・ウォーホルは言ったそうです。具体的にいつ頃の発言かは分かりませんが、彼が亡くなったのは1987年ですから、少なくともそれよりは前の話でしょう(※)。
21世紀になった今、You TubeやSNS、あるいはアルファポリスを含む小説サイトなどで「名をあげる」チャンスは誰にでもありますから、未来を予見したような発言だったのかもしれません。
私はそれこそ「この世界で」有名になれる見込みは絶望的な弱小素人物書きですが、40年前のあのとき、その15分を既に使っちゃったのだと思います。
さあて、余生は誰にも注目されず、しかし心穏やかに過ごすのだ!
※ちなみにウィキペディアでは「1968 exhibition of Warhol's work at the Moderna Museet in Stockholm, Sweden.」と書かれていました。2月10日から3月17日のイベントだったようなので、当時の筆者はまだ母親の腹の中でした。
◇◇◇
それはさておいて。
これも何度か書きましたが、私はYou Tubeのスカッと系の動画が好きです。
クオリティーは玉石混交ですが、モトネタが同じであっても、脚色の妙で「見せる」ものもたくさんあり、勉強させていただいております。
割と定番のものとして、職業、学歴、家柄などで見下されていた人が、実はひとかどの人物(あるいはその関係者)だと判明し、見下していた方は顔面蒼白、「ははーっ」とひれ伏す――みたいな展開のものがあります。
まあ、あの国民的時代劇ドラマで、20時40分台に「このお方を誰と心得る!」の常套句とともにバーンと出てくる印籠みたいなものです。
要するに「本当に家柄や学歴が低かったりしても、内心見下すのはともかく、それを口に出すバカはお里が知れる」で済む話ですが、最初にイキり倒してマウント取りまくってくれた方が、ひっくり返されたときの爽快感が半端ないので、そういう演出だと思えば気になりません。
問題は、動画のつくり手の意識の違いなのかどうか分かりませんが、「本当はこんなに偉い人なのに、お前らときたら」という、ただの逆転劇で終わっている動画です。我ながら心が狭いなあと思いつつ、それ系をつくっているチャンネルだと、もう見る気が失せます。
そんなに説教くさいご高説は要りません。
たった一言、「その態度は人ととしてどうなの?」でいいんです。
それこそ「(動画のつくり手が)本当にそう思っていなくても、世間はどう見るだろうか?」って想像力があれば出てくる一言です。
語弊があるかもしれませんが、「人目を気にして取り繕う」というのも、立派なヒトとしての知性と私は思います。
誰もが印籠を持っているわけではない――というか、印籠を持っている人の方が稀で、だからこそドラマチックに展開するわけですが、スカッと動画の最後の最後でモヤッとさせるのやめてくれないかな…って言いたいですね。
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