短編集「熱血!脱力?ジュニアハイ日記」

あおみなみ

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電話口でおやすみ

ぼーっとした姉

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 ところで、俺には3歳年上の姉がいる。

 特に美人でも優等生でも不良でもなく、ぼーっとした女だ。意地の悪いことは言わないから、人間としては嫌いではない。
 ただ、友達の話とか聞いてると、「姉は横暴、妹は生意気」って毛嫌いするのが普通みたいで、「俺は結構好き」とは言いづらい。

 うちは両親共稼ぎだから、このぼーっとした帰宅部の姉が夕飯作って待っててくれるが、作るものにムラがある――と思ったら、うまいモンは大抵出来合いだって。
 用意してくれるだけありがたいから、多少アレでも文句言わずに食う。
 それに、「これうまいね」と言うと、「お肉屋さんで買ったからだね」とか言われて気まずくなるので、うまかろうがまずかろうが黙ってる。

▽▽

 両親ともに帰ってくるのは8時過ぎだ。
 両親の不在中電話に出るのも姉の役目だった。

 姉も電話出るときだけは、少しだけシャキッと「整っている」ように見える。言葉遣いも、声の調子もな。
 メモを取りながらうまくさばいているのを見ると、ちょっと感心する。人間誰でも取り柄ってあるもんだ、なんて。

 たまに友達から俺にかかってくる電話も取り次いでくれるが、必ず「今のって姉ちゃん?」とか聞かれる。「そうだよ」って答えると、「ふうん…あ、でさ…」って感じが話が進むので、「何でそれを聞いた?」とすら気にならない程度だった――あの日までは。
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