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35年前のクリスマス
しおりを挟む今回はブログからの転載です。
何となく常体文で書きたい気分だったので、いつもと違い「だ・である」調になっています。
◇◇◇
35年前の今頃、どこでどうしていたか、何となく覚えている。
東京厚生年金会館の近くにあったビジネスホテルに24日の夕方にチェックインした。
もう厚生年金会館自体ないけれど、検索したところ、それらしきホテル(名前失念)も見つからなかった。
全くなくなってしまったか、名前が変わったかどちらかだろう。
24日から25日に恋人と泊まるお宿としては、いささか色気がないけれど、何しろ12月24日(土)・25日(日)というタイミングで、お金もなく段取りも悪い若いカップルが、そうそういいホテルを押さえられるわけがない。
たまたまそこに泊まれただけでもラッキーだったが、服装といい行動様式といい、「地方から出張で来たヒト」そのもの地味さだった。
通称「赤プリ」で知られた赤坂プリンスホテルも、ティファニーの水色のショッパーに入ったプレゼントも無縁な2人は、遅くまでやっていたスーパーで買った食料品を消費しつつ、部屋のテレビで『ゴールデン洋画劇場』を何となく見た。
『私をスキーに連れてって』を放送していた。
***
そのホテルの部屋はツインとシングルの2種類だったが、ツインの部屋にはバスルームがあり、シングルだと地下の大浴場に行かなければならない。
ツインが空いていなかったので、仕方なくシングルを2部屋押さえたけれど、結果的に大浴場に入れたこと自体は「悪くなかった」。
たまたまの時間帯だったようで、広い湯船を独占状態だった。
***
飲食店も予約は取らず、たまたま入れたカジュアルなカフェレストランや町中華みたいなお店でいろいろ食べた。
思い出す限り検索してみると、今はもうないのかな?と思うくらい情報が出てこない。
はっきり「〇〇年に閉店」と出てきたところもあった。
***
25日の日中、新宿ピカデリーでコスタ=ガヴラス監督の『背信の日々』を見た。
手放しで面白いと言えるかどうかと言われると微妙ではあるけれど、ある事情から、関係性に緊迫感のある美男美女の恋愛――が主題ではないけれど、恋愛要素が割とウエートの高い作品なので、まあデートムービーといえなくもない(いや無理あるな)。
近くの座席に座っていた中年女性2人組。見終わった後の
「ねえ、あれって男が悪かったの?女が悪かったの?」
「わかんない」
という会話がちょっと面白かった。
***
別れ際に、学生寮の近くにあって前々から気になっていたフランス料理の店に行った。
予約なしだからキツイかな?と思ったが、幸い席が空いていた。
ただ、私たちの少し後に訪店したカップルは、飛び込みで断れていたので、たまたま私たちがキャンセルにはまれただけかもしれない。
そんなに気取った店ではなかったし、スタッフさんたちもみんな感じがよかった。
「彼(現夫)」は、一体幾ら請求されるのだろうかと、戦々恐々としていたらしい。
「何食ったか全然覚えてないけど、うまかったのは覚えてる」という感想が彼らしいと思った。
***
若くて、お互いが大好きで、ずっと一緒にいられた。
何を食べてもおいしかった。
それだけで最高のクリスマスだった。
ま、(言いたいことはいろいろあるものの)今も一緒にいるのだけど。
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