小手先の作業

あおみなみ

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動画サイトのコメント欄を見て思うこと

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 私はYou Tubeのいわゆる「スカッと系」と呼ばれるアニメや漫画が好きです。

 大きく分けて、LINE画面風のやりとりをするだけのもの、「いらすとや」素材や自作の静止画を使ったボイスコミック型、VYOND素材を使ったアニメ型があります。

 不思議な話ですが、画面を見なくても展開が分かるLINE画面型よりも、漫画・アニメの方が音声だけ聞いていても面白いものが多い気がします(※個人の感想です)。

 ハマったきっかけは『トラブルバスターズ(略称トラバス)』でした。
 2022年8月、母(その翌月に死亡)が緊急搬送され、入院はせずに済んだのですが、念のために実家に泊まる、というより一晩明かしたことがあり、勝手の違いからどうも寝付けず、時間つぶしにスマホでYou Tubeを見ていました。
 「おすすめ」として出てきたとはいえ、そもそもどうしてそれに興味をひかれたのかは覚えていないのですが、こんなタイトルでした。

 兄夫婦が1年間旅館に無断駐車し「預かってくれてありがと~w」→私「ウチに駐車場ありませんけど…あなた終わったわよ…」【スカッとする話】【2ch】

 それまでにも何回かVYONDアニメは見たことがあったのですが、あまり魅力を感じなかったので、積極的に見ることはありませんでした。だからなぜトラバスが「おすすめ」に出てきたのか、見当がつきません。

 その回のハイライトシーンがまず少し出きた後、緑色のロングヘアに瓶底眼鏡の女性が「私はミドリコ。旅館を営む31歳のメガネ女将おかみです」と自己紹介し、物語が始まります。
 内容はよくあるトラブルものとはいえ、声優さんの演技のクオリティーが高いし、セリフが軽妙だし、これは面白いと素直に感心しました。

 ストーリー自体のネタ元は大抵5ちゃんねるの書き込みのようですし、使い回しが多いのですが、たとえ同じだとしても、脚色、声優の声質、演技などで、かなり印象が違ったものになります。
 逆に言うと、それによって出来栄えも玉石混交ということなので、どのチャンネルも好きというわけではありません。
 一度見ただけで違和感を覚えた(嫌い、嫌悪の婉曲えんきょく表現)、何本か見て飽きた、そもそも何となく手が伸びない――というものも多いのですが、毎日の更新を心待ちにしているチャンネルも何本かあります。

 好きなチャンネルでも、時にはストーリーに綻びが多かったり、いわゆる「善玉」の定番キャラの言動にも共感できない回というのもありますが、「まあそういう日もあるでしょ」程度の話です。
 人の考えることなど、多少の差異はあっても大きな隔たりまではそうそうありませんから、そんな日はコメント欄の感想も「これは〇〇(善玉キャラ)にも責任がある」などの声が目立ちます。

***

 さて、前振りが長くなりましたが、今回はその「動画に対するコメント」のお話です。

 ネット上で人が発言するとき、媒体によっていわゆる芸風カラー的なものは多少あるものの、「賛成」「条件つき賛成」「反対」「トピックを受けての自分語り」あたりに大別されます。

 そしてこれはYou Tube特有?と思うものとして「そもそもあなた、見ていた?」と思うようなコメントがあります。

 途中まで見ただけでコメントしたため、後半の展開を知らないままという場合もあるでしょうが、極端な話、タイトルしか見ていないのではと思うようなものも散見されます(殊にタイトルと内容にずれがある場合)。

「〇〇はちゃんと抗議すべき。うじうじし過ぎ!」

(いや、ちゃんとしてたし。あれを抗議として認めないとは。焼き討ちでもすればよかったんかい!)

「こんな会社あるわけないだろ!投稿者働いたことないのか?」

(脚色の極端さはあるにせよ、そういう非常識な事例があるからこそ問題なのでは…)

 いちいち突っ込むのもあれなので、この辺にしておきますが、一つの仮説を立ててみました。

「あ、ひょっとして、この人たちは倍速で見ている?」

 コメント中にも「この人の話し方ダルいから、1.5倍くらいで見るとちょうどいい」的な意見も見受けます。
 もちろん、「内容が分かる程度の」早送りにしているということでしょうが、そもそも内容が正しく理解できているかどうかは、他人に説明をしてみて初めて分かることではないでしょうか。

 何倍速で見ようと、どんな感想を持とうと個人の自由です。
 それを発信するのももちろん自由ですが、ちゃんと見ていない状態でためらいなく物を言うことに、うっすらと恐怖を感じないでもありません。
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